40話 合流
セリーヌとリリィの二人は、ユーリとボンズを連れてエルとスカーレットを探しに行く事に決めた。
そして二人は早速宿屋を出て、噴水前で叱られていたユーリとボンズと合流する。
「ユーリ、ボンズ……。迎えに来た……!」
「おー! セリーヌ、リリィ! 起きたの? 具合はどう?」
リリィが下着一枚で正座していたユーリに声を掛けると、彼はいつも通りの様子で明るく返事をした。
「おー! じゃないわよ! あなたのせいで昨日は酷い目に遭ったのよ!?」
セリーヌはそんなユーリの態度に対し、少し声を荒らげた。するとユーリはすぐさま二人に謝罪を始めた。
「それは本当にごめんっ! 俺もあの薬が……その、びや――――」
「ユーリ、それ以上は言わなくてもいい……」
ユーリが媚薬という言葉を口に出そうとすると、リリィがそれを制止した。
「あぁごめんっ! とにかく俺、ちゃんと反省してるから……! ね、ボンズ?」
「は、はい……! お二人共、本当にすいませんでした……!」
そしてユーリとボンズはしっかりと、セリーヌとリリィに頭を下げた。
「もういいわよ……。済んだ事だし」
「リリィも許してあげる……。感謝してよね……?」
ユーリとボンズに悪気が無かったと理解出来たセリーヌとリリィは彼らの謝罪を受け入れた。
◇
「それより、エルきゅんとスカーレットはどうしたの?」
「そうだった……。二人はエルと一緒じゃなかったの……?」
そしてセリーヌとリリィはエルとスカーレットの所在を尋ねた。
「あ……エルとスカーレット……ね」
「じ、実はオイラ達……」
するとユーリとボンズは表情を曇らせ、遠い目をし始めた。
「え……? やだよ……そんなっ……?」
「まさかエルきゅん……!?」
リリィとセリーヌはそんな彼らの表情を見て最悪の状況を想像した。
しかし彼らから発せられるエルとスカーレットがいない理由は、彼女らが考えている様なものではなく、とてもシンプルでくだらないものだった。
「オイラ達が足でまといなばっかりに……」
「実は俺達、あの二人に置いていかれちゃったんだよねー!」
ユーリとボンズがそう話した後、四人の間に静寂が流れた。
それから暫くしてリリィとセリーヌは眉間に皺を寄せて口を開いた。
「え……? 何それ……?」
「ったく……あなた達……。いい加減にしなさいよ……?」
ユーリの言葉にリリィは唖然とし、セリーヌはその声色から怒りが滲み出ていた。
「俺達はついて行こうと思ってたんだけど、スカーレットが……なぁ? ボンズ?」
「は、はい。思い出しただけでも……えへぇ」
ユーリとボンズはスカーレットのあの艶かしい姿を思い出していた。
ユーリは必死に誤魔化そうとしていたが、ボンズは鼻の下を伸ばしにやけていた。
「ユーリ……あなたわかりやすすぎよ……?」
「ボンズ……鼻の下伸ばしすぎ……。やだ……」
セリーヌとリリィはそんな彼らに嫌悪感を露にした。
そしてその後もユーリとボンズによる弁明が行われたが、彼女らには全く響かなかった。
◇
「とにかく! エルきゅんとスカーレットを探すわよ!」
「二人とも、鼻の下は戻った……?」
「もう大丈夫だよ。二人を探しに行こう!」
「オイラも大丈夫です。失礼しました」
そして四人はエルとスカーレットを探し始める事にした。
「そういえばユーリ達はどこで二人とはぐれたの?」
「え? どこだっけ……?」
セリーヌの問いにユーリは首を傾げてそう答えた。
「ボンズは覚えてないの……?」
「オイラは覚えてるよ! 案内するね」
ボンズはそう言うと二人とはぐれた場所へ皆を先導して歩き始めた。
すると歩きながらセリーヌはユーリにとある質問をした。
「そういえばユーリ。あなた噴水の所で何をしていたの? あんな裸同然の格好で?」
「修行だよ、修行! 滝行だよ! 見ればわかるでしょ?」
ユーリはセリーヌにあっけらかんとした表情でそう答えた。
「滝行!? ……はぁ。ユーリあなたねぇ。滝行は滝でしなきゃ意味ないのよ?」
(それより修行って……。私このアホなユーリと同じ思考だったって事!? はぁ……。信じられない……)
「セリーヌさん、それオイラも言いました……」
「ユーリ……。ボンズに言われて何で辞めなかったの?」
「え、だって滝も噴水も、どっちも水が落ちて来るし一緒でしょ? 修行なんだから気持ちが入ってればいいでしょ?」
三人にそう言われるもユーリは毅然とした態度でそう返した。
それはエルがここにいれば『またコイツはアホな事をさも当然の様に言いやがって』と心の中でツッコミそうな言い分だった。
「まぁユーリがそう思うなら、もうそれでいいんじゃない? とにかく先を急ぎましょう」
「そうだね……。セリーヌの言う通り……」
「お、オイラも行きます……!」
そしてセリーヌ、リリィ、ボンズはそんなユーリに呆れ先々と歩き始めた。
「えっ!? 待ってよ!? 俺を置いていかないでぇ!?」
するとユーリは慌てて三人を追う。
◇
そして四人はいよいよエルとスカーレットとはぐれた場所へ辿り着いた。
「ここです。ここから二人はシギサって男と、この路地裏へ入って行きました」
「え……!? こんな薄暗い路地裏にエルきゅんが……!?」
セリーヌは路地裏に漂う怪しげな空気にエルの身を案じた。
「ていうかボンズ、シギサのオフィスには魔族がいるかもしれないのに全然怯えてないじゃん? もしかして俺の滝行のおかげで強くなったんじゃない!?」
「いや、滝行をしたのはユーリさんですし、アレには何の意味もないですし……。ていうかオイラは何も……。――――って言うより魔族の事、今思い出しました……! あわわわわわ……!! あ……オイラ、先に宿へ帰ってますね。ははは」
ユーリは堂々とここまで先導してきたボンズにまたしても見当違いで余計な事を口走った。
そのせいでボンズは魔族の存在を思い出し震え、くるっと方向転換し宿の方へと歩き出した。
「ダメだよボンズ……。リリィ達と一緒に行くの。大丈夫。何かあったらリリィが魔法で全部ぶっとばしてあげるから……!」
「いやぁ、リリィのそれが一番怖かったりするんだけど……」
リリィは逃げようとするボンズを杖で阻むと、笑顔で魔法ぶっぱ宣言をした。
そんな彼女にボンズは顔を引きつらせそう答えた。
「もうそんな事はどうでもいいから!! 早くエルきゅんの元へ行くわよ!!」
「セリーヌ……大丈夫だよ。スカーレットもいるし、エルはきっと無事だよ……!」
「だから心配なのよリリィ。私はスカーレットの実力を認めはしたけど、抜け駆けだけは許さないわ……!」
「……? 何言ってるのセリーヌ……?」
リリィはセリーヌの言葉に首を傾げてポカンとしていた。
そしてセリーヌはスタスタと路地裏へと入っていく。
「あ、ちょっと待って、セリーヌ!! ほらみんな、早く行くよ!」
「えぇ、オイラも行かないと駄目ですかぁ?」
「ダメに決まってるでしょ……。ボンズはタンクなんだから、本来は一番前にいなきゃダメなんだよ……!」
ユーリがボンズとリリィに声を掛けた。
いつまでも怯えるボンズを、彼の腰くらいまでしかない身長のリリィが背中を押し路地裏へと入って行った。
◇
その後四人は路地裏を真っ直ぐに進み、とうとうシギサのオフィスへとたどり着く。
そして勇者パーティーの面々はそこで衝撃的なものを目にする事になる。
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