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転生ショタ魔王、世界平和の為に家出する〜チートを持ったお人好しによる世直し旅〜  作者: 青 王(あおきんぐ)
第四章 ウォルトス編

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33話 けしからん攻撃


 シギサの反応が消失した事をきっかけに、次々と状況が変わっていくオフィス内。

 そして俺とスカーレットは意を決して、三人の魔族がいる奥の部屋へと入っていった。



 ◇

 

 扉を開けると中は洞窟になっていて、レーダーで見る限りだとその最奥にヤツらがいるようだ。



「しかしエル様。ケシカとランナを見付けたとして、その後どうするおつもりですか?」

(まさかエル様、またヤラカスの時と同じように……?)


「ヤツらは人間を一人殺したんだ。しかもあんな危険な薬まで作っている。到底放置しておくわけにはいかないだろう」


「つ、つまり……?」

(こ、これはまさか……)


 スカーレットはそう言うと少し不安そうな表情を浮かべていた。

 

 ――いくら俺の意思に反した非道な行いをした者達だといっても、彼女にとって元は同じ魔族で仲間だ。

 仲間が殺されるかもしれないと不安になるのもわからないでもない。

 ここは一つ、上に立つ者らしく優しい言葉で安心させてやるか。

 

 

「なに、心配するなスカーレットよ。殺しはしない。少し懲らしめた後に、アイリスを引きずり出すだけだ」


「そ、そうですか」

(あぁ、これはまたエル様の素敵な姿が拝める予感……♡ あの二人には悪いですがこれは感謝をしないといけませんね……。あぁ、想像しただけで興奮して……。い、いけませんわ! ふぅ……。落ち着きましょう……。こういう時は目を閉じて深呼吸です……)


 俺は微笑みながらスカーレットに言葉をかけた。

 すると彼女は「ふぅ」と息を吐き目を閉じた。

 どうやら少しは安心してくれたようだ。


 ◇


 それから少し歩くと、洞窟の先に光が見えた。


「ありました、エル様。あれが恐らく出口ですね」


「あぁ。そうだな。さてと、ヤツらにはどういうお仕置きをしてやるかな……」


 そして俺とスカーレットは光が漏れる洞窟の最深部へと到達した。

 するとそこには幼い男女と若い男がいた。

 若い男の方はその場に倒れ、眠っているようだ。



「「そこにいるのはだあれー?」」


 そして幼い男女はこちらに気付くと声を揃えて反応した。すると俺の横にいたスカーレットの呼吸が荒くなり、顎から汗がポタリと落ち、その苦しそうな息遣いが聞こえてきた。

 

 ――スカーレットがここまで取り乱すとはこの二人、見た目に反して、かなり強いのか……?


 俺はもう一度気を引き締めて二人を睨み付ける。


「「なにー? なんで無視するのー? そっちのお姉さんは魔族だよねー?」」


 こちらが何も返答しないでいると、二人は再度声をかけてきた。


 ――うーん。やはりと言うべきか、スカーレットの変身には気付けても、俺の能力での隠蔽には気付けていないようだ。

 

 それにスカーレットの以前の二人への発言や、今回の二人の言い方から察するにお互いに面識はないのだろう。

 さぁ魔族とバレたスカーレットはどう対応するんだ?


 

 俺は横目でチラッとスカーレットを見た。

 すると彼女は頬を赤らめ、さっきよりも息を荒くして尋常ではない量の汗をかいていた。


「だ、大丈夫かスカーレット!? すごい汗だぞ!?」


「だ、大丈夫です……。少し興奮してしまって……」


「は……?」


 

 ――興奮……?

 二人の幼い魔族を見て怯えていたのではなく、興奮だと……?

 まさかコイツ……!?


 するとスカーレットは息を切らしながら興奮気味に口を開いた。


「あぁ、もう辛抱たまりません……! そこの幼子(おさなご)二人!! ケシカとランナで間違いないでしょうか!? なんとも可愛らしい姿をしよって! 私を誘惑するのはおやめなさい!」


「……は?」


「「はいー? 確かにウチらはケシカとランナだけど、さっきから何言ってるのお姉さん?」」


 ――何を言い出すのかと思えばコイツ……。

 ショタコン拗らせすぎておかしくなっているだけじゃねぇかよ……!!

 いつもは有能な顔をしているくせに、こういう時に性癖全開で興奮してんじゃないよ、まったく……。


 

「おい……スカーレット。貴様……」


「も、申し訳ございません、エル様!! 違うのです! 決してあの二人が可愛過ぎて悶えていたわけでは……! も、勿論、エル様の完全無欠の可愛らしさには到底及びませんので御安心を……!」


 俺が少し強めの圧を出すとスカーレットは俺に土下座をしながら謝り言い訳を始めた。


「貴様はさっきから何を言っているのだ……? もう良い。罰として貴様はあの二人を拘束しろ!!」


「カハッ……! ろ、ロリとショタを紐状の物で縛り上げろと……? ハァハァ……。よ、よろしいので?」


 俺がそう命令するとスカーレットは何故かより一層興奮し始めた。

 そこまで具体的には言っていないのだが、まぁやる気があるのなら何でもいいか。


「……良い。何でもいいからさっさとやるのだ!」


「はっ! ――――うふふ……。さぁて、行きますよぉ〜私の可愛い子猫ちゃん達ぃ……?」


 俺の命令に従い、スカーレットは二人に興奮状態のまま向かって行った。するとケシカとランナはそんな彼女に対し、嫌悪感を前面に押し出した。

 


「「うぇー。何だかあのお姉さん、気持ちわるーい」」


「グハァッ……!!」


 すると先程まで勢いよく二人に向かって行っていたスカーレットの足は止まり、大砲で打たれたかの如く、血を吐きながら後ろへ吹っ飛び、倒れた。


「大丈夫か、スカーレット!?」


「ぐふぅ……。よもやロリとショタによる言葉責めとは……。やってくれますねぇ……」


 スカーレットは悶え苦しみ、口に付いた血を拭った。


「いや、アイツらにそんな攻撃の意思は無かったと思うぞ? まぁ嫌悪感を抱いていたのは間違いないだろうが……。それと攻撃をくらっていないのに吐血とはどういう事だ?」


「いえ、あれは私に対する最強の攻撃です……。エル様! 私を止めても無駄ですよ!? ここは私一人にお任せ下さい!」


「いや、誰も止めてはおらんが……」


 スカーレットは俺にそう言い残すと再度二人に向かって行った。


「どうする? ケシカ?」

「どうしよ? ランナ?」


 すると二人はお互いに顔を見合せ、なにやら相談を始めた。


「あのお姉さん、気持ち悪いね」

「気持ち悪いからやっつけちゃおう!」


「「うん、そうしよう!」」


 そして二人は向かい合わせで両の手を繋ぎ、片方の手をスカーレットに向けた。


「「ファイナリー・ローションビーム!!」」


 そして二人はそう叫び、その手からローションのビームを放った。


「な、なにィ……!? プリティー・ロリショタビームだと……!? ――――キャアアアアア……!!」


 するとスカーレットはよくわからない事を叫び、全身にソレを浴び、倒れた。


 

「「やったやった! 命中したよー!」」


「くっ……。やってくれましたね……。って……な、何ですかこれは!? ヌルヌルして滑って立ち上がれません……!」


 ケシカとランナはビームが命中した事を大はしゃぎで喜んでいた。そしてスカーレットはローションに足を取られズルズルと滑り、立ち上がれずにいた。



「はぁ……。何をやっているんだ貴様は……。もう良い。あとは俺がやるからそこで見ておけ」


「え、エル様……! も、申し訳ありません……!!」


 俺はそんなスカーレットを見てため息をついた。

 スカーレットは体中ヌルヌルの状態で俺に謝罪した。


 ――それにしても攻撃にローションを使うとは。

 スカーレットがヌルヌルのドロドロではないか。

 まったく……名前の通り、この二人はけしからんな……。

 後で褒めてやらねば。


 

「おい貴様ら。俺の世話係をよくもやってくれたな。加えて良からぬ薬も作っているそうではないか?」


「「だから何ー? 人間の子供には関係ないでしょー! お前もあのお姉さんと同じ様にヌルヌルにしてあげようかー?」」


 俺の問い掛けに二人は悪びれる様子もなく、先と同じ様にビームを放つ体勢に入った。

 しかしその体勢は俺にとっては好都合。

 二人まとめてそのまま拘束してやる……!


「そのままじっとしていろよ? ――――【金縛り】!!」


「「…………っ!?」」

((な、何!?))


 俺がそう唱えると二人はそのままの状態で動けなくなった。


「悪いが貴様らの動きは封じさせてもらった。だが、このままでは貴様らのボスであるアイリスを引きずり出せないな」


「…………っ!!!」

((なんでこの子供、アイリス様の名前を!? これはまずいよ……! こうなったらアイツを使うしかないね……!))


「今から貴様らの口だけ拘束を解いてやる。余計な事は考えずアイリスを呼ぶのだ。良いな?」


 そして俺は二人の口の金縛りを解いた。

 すると口の自由がきくようになった途端――――


「「いつまで寝てんの! 早くこの子供をやっつけなさい!!」」


 二人は血相を変えて眠っている男に向かって叫んだ。

 すると男は目を覚まし、ゆっくりと起き上がった。

 そしてその男の顔立ちはどことなく、シギサに似ていた。


「ん……。お呼びでしょうか……?」




ここまで読んで頂きありがとうございますm(_ _)m

これからも本作品をよろしくお願いします!


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