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転生ショタ魔王、世界平和の為に家出する〜チートを持ったお人好しによる世直し旅〜  作者: 青 王(あおきんぐ)
第三章 メテック編

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16話 赤髪の女の正体


 自らを魔人と明かしたヤラカスと、それに驚き泣き崩れるミア。

 その二人の前に突如、一人の女が現れた。


「ちょっとそこの人達。私は子供を探しているのだが……。ん? これは一体どういう状況だ? 修羅場か?」


「げぇ……!」


「……あ。近頃、町で子供を探しているという赤髪のお姉さんですか?」


 突如現れた女は以前ミアが話していた、町で子供を探し回っているという赤髪の女だった。

 そして女を見るや否や、ヤラカスは驚き、少し嫌悪感が混じった声を発した。

 

 すると女は物凄い勢いでミアに迫り、両肩を掴んだ。


「あ、あぁ……!! 如何にも私がその女だ! で! 娘よ、その子供について何か知っているのか……!?」


「す、少し心当たりがあります……」


「本当か!? その心当たりとは何だ!? その子供はどこにいる!?」


 興奮気味に顔を近付け質問を重ねる女に、ミアは何故か少し顔を赤くして俯いた。

 そして放置されていたヤラカスがプルプルと震えながら叫んだ。


「ちょ、ちょ……。ちょ待てよ!!」


 その声が届いたのか、届いていないのか。部屋の中は静寂に包まれた。


 ◇

 

 暫くの静寂の後、女はヤラカスの方へと振り返り口を開いた。


「何だ、ヤラカス! 今は大事な話をしているのだ! 黙っていろ!!」


「え……? お姉さん、この魔人の事をご存知なのですか……?」


 女がヤラカスに向かってそう言うと、ミアは酷く怯えた表情でそう尋ねた。


「なに、この男は私の同僚なのだよ。あの男の事は放っておいて……。さぁ! その子供の事を教えてくれ! な!?」


「ど、同僚……?」


「お前、やっぱり気付いてたんじゃねぇかよ!! クソっ!! お前がこの町にいるから魔物が王都じゃなく、この町に集まって来てたのかよ……。なぁ! サキュバスのスカーレットさんよぉ!!」


「ん? 何の話だ?」


 子供を探し回る赤髪の女の正体はスカーレットだった。

 因みに闇属性魔法での変身は闇属性魔法が使える者同士だと本来の姿が見える。

 だから二人はお互いの事をすぐに認識出来ていたのだ。

 

 そしてヤラカスの言葉にスカーレットは疑問を抱くと、ミアの両肩から手を離しヤラカスの方へ向き直った。


「私がいるから魔物が集まるとはどういう事だ!? お前またやらかしたのか?」


「うっせぇ! 俺のせいじゃねぇよ! お前の淫魔の香りのせいで全て台無しだ! 俺はこの五年間、この町に潜伏して機会を伺っていたんだ! 王都に一番近いこの町でな!」

 

 淫魔の香りとは、サキュバス固有のスキルで、無意識の内に全ての生き物を魅了してしまう微量の魔力を発してしまうというもの。

 これのせいで先程ミアはスカーレットに顔を近付けられた際に顔を赤くしていたのだ。

 

 またヤラカスはその香りのせいで魔物達が、スカーレットがいるメテックの町に集まって来ているのだと思っている。

 


「香りだと!? 私はサキュバスで唯一香りを制御出来るのだぞ!? た、確かに最近は少し気が動転して制御が疎かになっていたが……」


「やっぱりお前のせいじゃねぇか!!」


「たとえそうだとしても、全てが私のせいではないだろう!? それで、お前のやろうとしている事は何だ!?」


 ヤラカスがそう言うと、スカーレットは反論した後に問いを投げ掛ける。するとヤラカスは舌打ちをして、不服そうに話を始めた。


「チッ……。全部話してやるよ。――――五年前、魔王様の命により俺は王都を攻め落とす作戦を実行した。だが、俺のミスでその作戦は失敗しちまった」


「あぁ、あったな。お前が任されていた軍に、作戦実行の日を間違えて伝えていたアレな! いやー、あれは笑ったな! アハハハハ!」


 ヤラカスの話を聞き思い出し笑いをするスカーレット。それを見て顔を赤くしながら怒るヤラカス。


「笑ってんじゃねぇ!! そ、それで……その後、魔王様にめちゃくちゃ叱られたんだ。そして次こそは失敗しない様に、この町に潜伏しつつ、大量の魔物を用意して、王都に向かわせる算段だったんだ! もし魔物が全滅しても俺が無事なら、また魔物を大量に用意すればいいだけだからな!」


「ほう。そういう事か。だから最近お前を魔族領で見かけなかったのだな?」


「そうだよ!! …………なのにクソ!! なんでお前がここにいやがんだよ……!?」

 

 そう。お察しの通り、ヤラカスは先代魔王が死んだ事も、魔王がエルに代替わりした事も、大量の魔物を王都に向かわせるという策をカマセーヌが先に実行し失敗した事も、何一つ知らなかった。

 そしてスカーレットはヤラカスにとって重大な事を口にする。


「あー……。非常に言い辛いのだが、お前が知っている魔王様はな……もう亡くなられたぞ?」


「は……?」


「今はその御子息が新しい魔王様だ」


「な、何……?」


「だから……! お前はまたやらかしているのだよ……! ヤラカス!!」


「え……? 嘘だろ……? 魔王様が亡くなられた……だと?」


「そうだ! そして私はその新しい魔王様の世話係に任命された! それなのに……。魔王様は家出をなさってしまって……。だから私は今、そのお人を探しているのだ――――って、ヤラカス! お前の事など、今はどうでもいいのだ!! 娘よ! 早くその子供の元へ案内せよ!!」


 スカーレットの言葉に膝をつき肩を落とすヤラカスを他所に、スカーレットはミアの方へ向き直りそう言った。


「で、でも私の知っている男の子はその、魔王とかではなく、普通の人間だと思いますけど……」


「…………!? 何だ、人違いか……。そうか……」


 しかしミアが知っている男の子が人間とわかると、スカーレットは酷く残念そうな表情を浮かべ項垂れた。



「俺は信じねぇぞ……。魔王様が亡くなられたなんて……。あんな強くてかっけぇ魔王様が死ぬなんて有り得ねぇんだよ!!!!」


 すると先まで膝をつき落胆していたヤラカスが、内に秘めた魔力を解放し、激高し始めた。

 魔力を解放する事でヤラカスの姿は段々と人間から元の魔人の姿へと変わっていった。


「せ、セバスチャン……。貴方は本当に魔人だったのですね……」


 そして魔力を解放しきったヤラカスは、大きな二本の角を生やし、目はギョロっとした禍々しいものになり、歯や爪は鋭く、肌は人間とは大きく異なる茶色へと変化した。


「これが俺の本来の姿だ! 恐れをなしたか人間!! ギャハハハハ!」


「本当にお前のその姿は醜いな……。私はお前を魔族一不細工だと思っている」


「それ、今言わなくてもいいだろ!! もういい。俺の邪魔をしたスカーレットもまとめて、この町ごと焼き尽くしてやる!!」


 そう言うとヤラカスは手のひらを上に向け、詠唱を始めると大きな火の玉を発現させた。


「いや、私は何もしていないのだが……? どうせお前がまた何かやらかしたのだろう? それに人間に危害を加える事は魔王様がお許しに――――――」

 


 ドガアアァーーーーン!!!

 

 ザパーーーーーーン!!!!

 


 刹那――――突然屋敷の天井が抜け、大きな物音を伴い、大量の水が滝の様にヤラカスの頭上に降り注いだ。




ここまで読んで頂きありがとうございますm(_ _)m

これからも本作品をよろしくお願いします!


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