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転生ショタ魔王、世界平和の為に家出する〜チートを持ったお人好しによる世直し旅〜  作者: 青 王(あおきんぐ)
第二章 勇者達との出会い

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【閑話】 勇者の装備


 国王に貰った準備金一〇〇万ゴルドを手に俺達は装備や服を整える為、王都の中心街へと来ていた。

 因みにセリーヌ、リリィ、ボンズの三人は元から良い装備や服を持っていた為、買い物には参加しなかった。


 かくいう俺もお披露目会の時に着ていた服のまま家出した為、割と綺麗目な格好ではあった。

 しかし自分的にはもう少し楽な服装が良かったのと、「金は一〇〇万もあるのだから良いよね!」という俺の中の悪魔の囁きに負けユーリの買い物について行く事にした。


 ◇

 

 そして俺達は早速武具屋に到着した。

 ここで買うのは勇者であるユーリの防具である。彼曰く、武器は聖剣があるから必要ないらしい。


 因みにこの世界の防具の性能は値段ではなく数値でわかる。まぁこれは俺の『言霊』の能力で見たらの話だけど。


 武具屋に入ると俺は試しにその辺に置いてある適当な革製の防具を見た。


【鑑定眼 発動】


 すると俺の目にはその防具の横にゲームの様なプラスとマイナスの数値が見えるようになった。

 

 因みにこの【鑑定眼】を使うと人のステータスも覗き見る事が出来る。

 俺がこの事に気付いたのはステータスウィンドウを初めて出したすぐ後の事だった。


 その【鑑定眼】でスカーレットのステータスを見て、驚いたのをよく覚えている。

 何せスカーレットはただの世話係と思いきや、五芒星に次ぐ強さを持っていたからだ。

 あとスカーレットのスリーサイズや、彼女の特殊な性癖が"ショタコン"である事がわかり非常に興奮した。

 

 ――その節は本当にお世話になりました。

 ん? 何がとか野暮な事を聞くな。わかるだろ?



 話を戻し、俺は【鑑定眼】でユーリのステータスを見た。

 すると愛と勇気が一〇〇段階で九五。

 まるで愛と勇気だけが友達の彼のようだ。


 因みに、それ以外の攻撃力や素早さ等の戦闘で必要な数値は軒並み全て三〇と低めの数値だった。

 あ、勿論知力は一だ。言わせるなよ……。


 

 俺がそんな事をしている間に、ユーリは嬉しそうにどの防具にするか辺りを物色していた。

 

「どれがいいかなー? あ、これめっちゃカッコイイ! これにしようかなー!」


 そう言い、浮かれた様子でユーリが手に取ろうとしていたのは、キンキラキンに輝く金色のフルプレートメイルだった。

 

 因みに【鑑定眼】で見たところ、防御力の上昇はたったの一〇しかなく、素早さに関しては五〇も下がる。ユーリが装備すればたちまち素早さはマイナスを割る。

 アホな上に動きまで遅くなるのは本当に勘弁して頂きたい。


「アホか貴様は。そんなものを着て外を歩いてみろ。一瞬で追い剥ぎに逢うぞ?」


「追い剥ぎ? 大丈夫だよー! 俺、勇者だし!」


「大丈夫ではない。それにそんな如何にもな格好をしていたらアホな貴族か、アホな冒険者だと思われるぞ」

 

「えぇー? カッコイイのになぁー」


「カッコよくても性能が良くなければ駄目なのだよ、防具とか武器はな。そのくらいアホな貴様でもわかるだろ?」


「そのくらい俺にだってわかるよ! 馬鹿にしてるなー?」


「じゃあ貴様は何故そのカッコイイ金色のフルプレートメイルを選んだのだ? カッコイイ以外の理由を言ってみろ」


「えー? うーん。硬かったから?」


 ――あぁ、駄目だこいつ……早くなんとかしないと……。


「硬い? 硬いから性能がいいのか?」


「うん。え? 違うの?」


 ユーリはボケーっとした顔で答えた。、

 

 ――この世界……コイツが勇者で本当に大丈夫か?

 マジで滅ぶぞ……人間……。


「はぁ……。あのなユーリ、よく考えろ? その馬鹿みたいな金色のフルプレートメイルを貴様が装備したとして、どうなると思う?」


「カッコよくなる! あとは強そうに見える!」


「……違う」


 ――コイツどこまでアホなんだ……?

 俺は小学生と話をしているのか?

 まさかそのレベルまで会話のレベルも落とさないと駄目だというのか……?


「はぁ……。その防具は重いよね? そんなおもーい防具を身に付けたらユーリ君はどうなるのかなー?」


「え、何、その話し方?」


「チッ……。そこは気にしなくていい。それで? どうなるんだ?」


「うーん。重い防具を付けて動き回ると……。あ! 筋肉がついてムキムキになれるね!!」


「チッ……!」


「え!? エル、今舌打ちした!? 舌打ちしたよね!?」


 ――ここまで会話のレベルを下げたのに一向に伝わらないのだ。

 そら舌打ちもしたくなる。

 まるで小学生に算数でも教えているのかと錯覚する程だったぞ。


「もういい。とにかく、そのアホみたいなフルプレートメイルは辞めておけ。他のにしなさい」


「えぇ……。じゃあエルが選んでよ!」


「……ったく。しょうがない奴だな、貴様は」


 そして俺はアホなユーリに呆れつつ、性能の良い防具を幾つか見繕ってやった。



「ほれ。これでいいだろう。普通の服としても着られる上に防具としても中々の性能だ。これにしておけ、アホ勇者」


「酷い言われようだね……。でも……うん! カッコイイよこれ! 俺これにするよ! ありがとう、エル!」


「あぁ。よかったな……」


 俺がユーリに選んでやったのは"天空のころも"という上下セットの青い服。

 見た目はアレだ。ド〇クエの勇者が着ているようなアレに似ている。

 そしてその天空のころもは俺の【鑑定眼】で見たところ、魔法と物理の両方の防御性に優れ、素早さや攻撃力にボーナスまでつくという優れものだった。


 ――こんな防具が出発地点の防具屋にあるとは、ご都合主義様々だな。

 こんなにご都合主義なのに何故、俺の配下達はあれほどまでに聞き分けがないのか。

 くそ。思い出したらまた腹立ってきたな。

 もう考えないようにしよう。


 そんな中、ユーリは俺が選んだ防具を早速試着して嬉しそうにしていた。


「見て! 似合う?」


「ほう。馬子にも衣装というやつだな。勇者っぽいぞ」

 

「孫にも衣装? まぁ確かに俺にはじいちゃんがいるけど……。どういう意味? あと勇者『っぽい』じゃなくて勇者なの! 俺は!」


「その孫じゃない。貴様の様なアホでも、そういう服を着れば一端の勇者に見えるという意味だ」


「そういう事ね! ありがとう! エル!」


 俺がことわざの意味を教えてやるとユーリは凄く嬉しそうにしていた。

 

 ――褒め言葉ではないんだけどな。

 そんなに嬉しそうにされると流石に心が少し痛……まないな。


「もうよい。さっさと支払いを済ませてこい」


「わかったよ! ――――おじさん! この服下さい!」


 俺がそう言うとユーリは店主に声をかけ、支払いへと向かった。


「お買い上げどうも。天空のころも一式で全部で八万ゴルドだ」


「八万ゴルドね! じゃあ……これで! お釣りはいらないよ!」


「こ、これは……!」


 そう言いユーリが店主に渡したのは大金貨一枚。

 大金貨は一枚で十万ゴルド。

 つまりユーリは二万円を店主にあげようとしていたのだ。


「ま、待て! アホ!! 店主、すまんが釣りはいる!」


「そ、そうだよな! 兄ちゃん、あんまり大人をからかうなよ」


「え? 別にからかってないんだけどな?」


「いいから! 釣りは貰っとけアホ! すまんな、店主! 世話になった! それじゃあ!」


 そう言い俺は慌てて店主から釣りを受け取り、アホを引き連れて店を出た。


 店を出てからパーティメンバーと合流するまでの間、俺はユーリに金を大事にする事をしっかりと教え込んだ。ユーリは凄く反省していたようだった。

 十歳のガキにこっぴどく説教されている勇者という構図は不自然極まりなかっただろうが、その時は一切気にもとめなかった。

 そして俺はこのアホのせいで自分の服を買うのをすっかり忘れていた。その事に気付いたのは旅に出発した後の事だった。



 ◇

 


「何だったんだ、あの二人は……? 歳上の兄ちゃんは頭悪そうだったし、歳下のチビの方はえらく大人びた子だったな……」


 俺達が店を出た後、店主は一人そう呟いていたそうな。




 閑話むだばなし 〜完〜




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これからも本作品をよろしくお願いします!


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