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4.4度目の挑戦

 あー。マジか。 

 マジかよ…。

 終わったよ。

 マジで終わった…。


 なんで予選から優勝経験者と当たるんだよ…。

 運無さすぎだろ。


 俺は自分の運の無さを全力で恨む。


 「いやマイナスに捉えるな!

  いいじゃないか!

  これでウェスザンスに勝ったらほぼ優勝したのと同じだろ!」


 可能性は低いだろうけど、

 ウェスザンスが初戦でライオン侍に負ける可能性だって0ではない…、と思いたい。 

 

 それに…。 


 俺はアキナに渡されたミサンガを見る。

 

 「俺には負けられない理由があるんだ...。」


 




 *************************************





 コロシアム予選Aブロック開始の時間。

 辺りはお祭り騒ぎ。

 当然だ、エクレア王国年に一度の大イベント。

 盛り上がらないはずがない。


 コロシアムには参加者以外にも大勢の観客が集まり始める。

 

 「第35回一攫千金コロシアム!開幕です!!」


 司会者の男が叫ぶ。

 会場はこれでもかという程に湧き上がる。


 「盛り上がってますねぇ!

  それでは早速Aブロックの第一試合を始めましょう!!」


 司会者の合図と同時にAブロック第1試合の選手が姿を見せる。

 選手の姿が見えると会場はさらに盛り上がり、鼓膜が痛くなる程の歓声が会場に響き渡る。


 俺はまだ自分の番まで時間があるので、そのうるさ過ぎるコロシアム内を適当に歩く。


 すると、


 「あ!ハルナ!」


 会場に到着していたアキナに偶然会う。


 「おーアキナ。もう来てたんだな」

 「ハルナの試合には遅刻出来ないからね!」

 

 コロシアム内はうるさ過ぎるので、俺達は一旦コロシアムの外に出て

 落ち着いた所に移動する。


 「で、ハルナは何ブロックなの?」

 「D」

 「じゃあ、初戦はダーバンって人?」

 「そ」


 アキナと話をしながらコロシアム内で無料配布されていたパンを食べる。

 万全の状態で試合を迎えるために、試合前に空いた腹を少しでも満たしておきたかった。


 腹が減ってはなんちゃらってよく聞くからな。

 てか、無料配布でもいつもの食事より全然美味いなコレ。


 「もし、ダーバンって人に勝てたら…

  2戦目はライオン侍って人かウェスザンスって人ね。

  この二人は強いの?」

 「知らん。」


 優勝経験者、ウェスザンス。

 実際にウェスザンスが戦っているところを俺は見た事ない。が、絶対に強い。

 なんてったって優勝経験者だ。

 弱いはずがない。

 だが、アキナに対して俺は知らないふりをする。

 少しでも不安にはさせたくなかった。


 そんな俺の事をアキナは何かを疑うようにじーっと見つめる。


 「な、何だよ」

 「今、嘘ついたでしょ。」


 ドキッ…!

 見破られて体がビクっとなってしまう。

 

 「やっぱ嘘ついたのね。」


 やっぱり何か隠してたみたいな顔でアキナは俺のことを見る。

 

 いつもこうだ。

 いつもこうなる。

 俺が何か隠し事をしようとしても何故かアキナには秒でバレてしまう。


 「何。この二人相当強いの?」

 「ライオン侍って方は本当に知らない」

 「じゃあ、ウェスザンスって人は?」

 「優勝経験者…。」


 あちゃー…。

 と、額に手を当ててアキナが言う。


 「でも心配すんな!

  毎日特訓したし、stage5の魔法だって練習した。

  絶対勝って来るから!」


 俺がそう言うとアキナは笑う


 「別にそこは疑ってないよ、馬鹿。」

 「え?」


 アキナは俺の胸に拳を当てる。


 「ハルナが頑張ってたのはちゃんと知ってるから。

  絶対優勝して来いよ!」


 アキナからの一言。

 自信が、力が湧いた。


 コロシアムの進行は予定されていた時刻より少し遅れていた。

 だが、目立った問題は起きず。

 Bブロックが終わり

 Cブッロクが始まろうとしていた。


 俺はDブロック。

 Cブロックが始まる頃にはコロシアムの控え室にいるように言われている。

 俺はアキナと別れて

 俺は控室、アキナは観客席へと移動する。


 控室に着くともう既に俺と同じDブロックの3人が待機していた。

 取り敢えず部屋に入った俺は人数分用意されている椅子に腰を下ろす。


 控室にはCブロックの試合の様子が流れる。

 それを無言で見る時間が流れる。


 こういう時の時間って何でこんなにも長く感じるのだろか?

 まだ入室して5分程しか経ってないけど、もう体感では1時間ぐらい経っている感じがする。


 そして、控え室に来て何分ぐらい経っただろうか。

 とにかく長く感じるその時間。

 そんな苦痛な時間を何とか乗り越えて、Dブロックの試合の順番が来た。


 コロシアム運営がDブッロク第一試合の俺とダーバンが試合会場へと促す。


 俺とダーバンは同時に控室を出て試合会場へと進む。

 そして、会場に向かっている途中。


 「良かったわ、雑魚そうな奴で」


 ダーバンがそう俺の耳元で呟いて来た。


 少しの苛立ち

 こいつ試合前に肩外したろかな


 そうしたい気持ちを抑え込み。

 俺は試合会場へと足を進める。


 「では、続いてDブロック第一試合!

  今大会で出場4回目ハルナ選手対今大会が初出場のダーバン選手の対決を始めます!」


 司会が会場を盛り上げ、俺とダーバンは観客の前に姿を出す。


 「制限時間は無し。

  どちらかが降参または戦闘不能になったら試合終了です!

  両者準備はいいですか!」


 始まる。


 「Dブロック第一試合開始です!!」


 俺の4度目の挑戦が。

  


 


 


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