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のじゃのじゃ転生譚 ~のじゃ語尾チート少女のあんまり冒険しない冒険者生活  作者: 七井
第四章 冒険者見習ののじゃのじゃ少女
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オルン等を説教なのじゃ

こんにちは。

今日もよろしくお願いします。


「こりゃ! <早足>を修得したのはよいのじゃ。しかし、馬車や人とぶつかっては危ないゆえ街中で使うのは控えるのじゃ!」

 飛び込んできた双子の首根っこを捕まえつつ、わらわはそう叱ったのじゃ。

「あうー、ごめんよー」

「それ以前に公共の場で魔法を使ったこと自体が問題です。オルンとガントも説教ですね」

「あー、そう言えば兄ちゃんに街中で使っちゃダメって言われてた気がするー!」

 オルンはよいとばっちりじゃの。ガントは双子の兄であると同時に魔術師ゆえ指導監督の不行き届きで仕方ないのじゃ。


「えーっと、明確な法規違反じゃないんだけど攻撃の準備と取られたり重要施設のそばであったりしたら警備兵や警邏隊に拘束される可能性があるわね。だから気を付けてね」

 メーレさんからの注意も入ったのじゃ。うむ、双子だけでなくわらわも気を付けるのじゃ。

 そうやっておると<早足>を使っておらぬオルン等がのこのこやって来たのじゃ。モリエがぶんぶんと手を振っておるのじゃ。

「ミチカー。久しぶりっ」

「だから三日ぶりは久しゅうないと言うに」


「ベルゾさん、こんにちは。ミチカと一緒にどうしたんです?」

「ああ、ゴンゼイキョルト以来だな」

 普通に挨拶から入っておるのじゃ。今から説教されるとも知らずに。

「ジーダルも後から来るのじゃ。買い物に参加したいらしいのじゃ」

「え、そうなんですか」

 オルンがちょっと吃驚しておるのじゃ。しかし、もっと驚くがよいのじゃ。

「しかしその前に其方等はベルゾから説教なのじゃ!」

「な、なな、なんです?」


「今双子等が<早足>を街中で使って突っ走ってきたことに対する監督不行き届きに対する説教なのじゃ。それと公共の場での魔法行使の禁止他にも魔法を使うものとしてわきまえておくべき常識や決まり事に関する諸注意なのじゃ。と言うことで先生はベルゾなのじゃ、謹んで傾聴するように! なのじゃ!」

 指を立ててそう宣言したのじゃ。

「私が話す内容に関して要求が高くなってませんか?」

 ベルゾはわらわがハードルを上げたことにぶつぶつ言っておったがちゃんと注意を始めたのじゃ。冒険者はなんとなく体育会系のイメージがあるゆえ先輩後輩というものは案外重要なのやも知れぬの。


 そっと後ろに下がって難を逃れたモリエとわらわはそんな光景をしばし見守るのじゃ。

「しかし、ベルゾは案外人を見ておるものじゃな」

「そうなんですか?」

 わらわがこぼした独り言に反応したのは同じく見物しておったメーレさんなのじゃ。モリエはわらわの言いたいことは分かっておるようで軽く頷いておるのじゃ。

「双子は叱られたところで大してこたえぬのじゃ。しかしの、自分等の所為でオルンと兄が叱られると言うのは存外堪える方なのじゃ」

「だから兄さんとガンに説教するは双子に反省させるために有効な攻撃」

「はー、そうなんですねえ」

 なんだかんだで良い子等なのじゃ。褒めぬがの。


「おっと、買い取りカウンターで魔漿石代を受け取らねばならぬのじゃった。ジーダル等が来る前に済ませてくるのじゃ」

「あ、書類は出来てるけど裁可は降りてないからその買い取りは従来のままね」

「うむ、了解なのじゃ」

 受け取るだけゆえ説教が終わる前に済む話なのじゃ。

 説教とわらわの受け取りの両方が終わる辺りでジーダルとセイジェさんがやって来たのじゃ。なかなかタイミングの良い奴なのじゃ。


「おう、オルンたちも魔漿石で稼げただろうから俺たちの行きつけの装備屋を紹介しておいてやろうと思ってな」

「わざわざありがとうございますっ!」

 相変わらずオルンはジーダルが大好きなのじゃ。

「まあ詳しい話はお昼ご飯でも食べながらしましょう」

 まとわりついてくる双子等をかいぐりしながらセイジェさんがそう言う。この人も案外子ども好きよの。

「うむ、ジーダルの奢りでの」

「ああ、任せとけ。たまには後輩にいい格好しないとな」


「まあ! ありがとう」

「昼ですが葡萄酒くらいあけますか?」

「お前等もかよ!」

 涼しい顔で奢られる側に回ったセイジェさんとベルゾに文句を言っておるが顔は笑っておるのじゃ。

 オルンとガントは恐縮気味なのじゃが双子等は喜んでジーダルにしがみついたりぶら下がったりしておるのじゃ。さっきまで叱られておったことはもう既に忘れておる気がするのじゃ。


 さてと、メーレさんに挨拶して出掛けるとするかの。ん、……。

「あ、思い出したのじゃ。依頼の出し方を聞くのは今度頼むのじゃが、冒険者に連絡を取りたいときは頼んでおけばなんとかなるのかや? パードと言う若い冒険者に話をしたいのじゃが」

「はい、出来ますよ。でも窓口に来たときに伝えるだけなので宿屋が分かればそこに言付けた方が早いですね。使ってる宿屋も少し時間を頂ければ調べられますけど」

「何の用かは知らないけど、パードたちの宿なら分かるぞ。俺たちの宿の近所だ」

 やりとりを聞いておったオルンがそう言ってきたのじゃ。確かにオルン等とは同じ年頃じゃったのじゃが、知り合いだったようなのじゃ。


「ほう、助かるのじゃ。用の方はガントに頼みたいこともあったゆえ昼餉の時にでも話すのじゃ」

「またミチカは妙なことをやらかす気か」

「ジーダルとは見解の相違がありそうじゃの」

「と言うか私にも用、ですか?」

 ガントが首を傾げておるのじゃ。

「まあそれはお昼の席でいいわよね。移動しましょう」

 確かに九人もおるとなかなか迷惑なのじゃ。


「ええっと、それと依頼の出し方が必要なのね。本当は依頼主の窓口と冒険者の窓口は違うのだけど対応は出来るから準備しとくわね」

 メーレさんが出掛ける前に、と確認してくるのじゃ。言われればそう言う気もするのじゃ。まあメーレさんに頼むのじゃが。

「手数を掛けさせて申し訳ないのじゃがよろしく頼むのじゃ。では、行ってくるのじゃ。またの」

「はい、いってらっしゃい。ミチカちゃん」

 改めてメーレさんに見送られながらお出かけなのじゃ。


お読みいただきありがとうございました。

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