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のじゃのじゃ転生譚 ~のじゃ語尾チート少女のあんまり冒険しない冒険者生活  作者: 七井
第四章 冒険者見習ののじゃのじゃ少女
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冒険者協会について学ぶのじゃ

こんにちは。

本日も一話更新です。


説明回になります。


 ロビーに戻るとカウンターから訓練場へ向かう通路の入り口を見ておったメーレさんと丁度目があったのじゃ。軽く手を振るとメーレさんの方はびっくりした顔をしておるのじゃ。ぽかんと口を開けておると折角の美人が台無しなのじゃ。

 カウンターまで戻って話の続きと行くのじゃ。


「それでは話の続きを聞かせて欲しいのじゃ」

「ええっ、うん。無事でなによりだわ。うん。えっと規約ね」

 なんとか自分を取り戻したメーレさんから話を聞くのじゃ。本来冒険者同士の互助支援組織ゆえ、様々なサポートや仲介は行うものの冒険者同士のやりとりに関しては助言はできても強制力はない。この点でさっきの三人組のようなものが見習いを捕まえて自分らの手下のように扱っても協会側に有効な手立てがないそうなのじゃ。

 逆にわらわが訓練場で殺してしまっていてもちょっとした事情聴取程度済むようであったのじゃ。一安心なのじゃ。


 規約が強く働くのはまず契約関係、依頼の故意の失敗や妨害行為、契約の一方的な破棄、契約に関する詐欺行為などは協会からの懲罰が行われるそうなのじゃ。

 また城市内では当然城市内の法規が優位するのじゃが、場合によっては冒険者協会でも処罰の対象となってこれは累算されるのじゃ。街中の酒場で酔って暴れて一般市民に怪我をさせたら警備兵に捕まって笞打ちや罰金、罰金が払えなければ労働刑と言った処罰を受けるのじゃが、その上で一般市民に手を出した咎で冒険者協会からも懲罰を受けることになるわけなのじゃ。一粒で二度美味しいという奴なのじゃ。

「さっきのバッジさんは協会からの懲罰で腕の骨を折られたことがあるんですけどねえ」

 余りにシンプルな身体刑にびっくりなのじゃ。いやまあそれはよいのじゃが、それでもあの様子でイキッておるとはある意味すごいのじゃ、感心はせぬがの。


「行政府や軍からの公的な協力要請の場合、強制的な徴募に応じる義務があるけどこれは七級からね。協会主体の徴募の場合はお金を納めて免除を受けることもできるわね」

 ふむ、ダンジョンの氾濫の大規模なものであるとか戦争であるとかの話なのじゃ。無論、ちゃんと報酬は発生するのじゃ。

 あと長期不在にするような場合やほかの土地に移動する場合はちゃんと届け出をしておらぬと徴募から逃げた扱いになる場合があるので気をつけるように、とのことなのじゃ。


「ジープラント王国の国内では二年前に南西地域で未知のダンジョンからの大氾濫があったとき発令されたのが最後ね。国の反対側だからマインキョルト支部には発令されなかったけど、身軽な上級パーティには協会からの依頼を出したわ」

 そんなにあることでもないのじゃな。と聞いてみたところ街道巡回騎兵隊による対応を素早くとれるのでジープラント王国は他の国より協力要請の負担は少ないそうなのじゃ。

 街道巡回騎兵隊は早期哨戒網としても機能するゆえ魔物の大規模行動も起こり難いと統計的に証明されておるそうなのじゃ。すごいの。


「あと魔物の動向に関しては報告の義務を持ちます。これは黙っていてもバレかも知れないですが、市民を魔物から守る、というのが冒険者と言う職業が社会に認められている理由の一つです。見習いのうちはそういう機会もあまりないかと思いますが、冒険者としての責務と心得て下さい」

 これは至極真剣な調子で、少し口調も堅く告げられたのじゃ。冒険者の社会的存在意義に関わる部分じゃからであるのじゃ。さっきの公的徴募の話も根っこは一緒なのじゃ。


「ふむ、見習いとはいえわらわも冒険者となる、いやなったのじゃ。一般の民を魔物から守る冒険者の責務に恥じることはせぬと誓うのじゃ」

「うん。それが冒険者の誇りなのよ、ミチカちゃん」

 メーレさんがにこやかに答えたのじゃ。

 ただ、国内の治安がよく街道巡回騎兵隊のような公的な機関が魔物に対応するジープラント王国内では他の国ほどの誇りが持ちにくく、同時に一般市民からの高い評価も受けにくいのじゃそうな。

 何事も一長一短なのじゃ。


「規約の確認なんかは私たちに言ってもらえば教えるけど、ちゃんと調べたいときは二階の資料室にまとめられたのが置いてあるわ。ミチカちゃんは読めるから関係ないけど、資料を読んでくれる人もいるの。手数料は掛かるのだけどね」

「ほう、資料室自体の使用は?」

「冒険者なら入室は自由で開架の資料なら無料で読めるわ。魔物の情報や地理誌などがまとめられているわね。閉架から出してもらうのは貸し出しと同様に保証金と手数料が必要で、保証金は返却時に返ってくるの」

 ふむ、後で蔵書のラインナップくらいは見ておくとするのじゃ。


「資料室や書庫専属の職員や補助員がいるわ。探してる資料があるときは彼らに話してみるのが早道よ。あと写本の依頼もできるわね」

 うーんと考えながらメーレは資料室に関する情報を思い出しては教えてくれる。あまり資料室を使わぬ派なのじゃろうの。

「他にはねえ、魔術書や特殊な資料とかは閲覧制限が掛かっていて専用の書庫に入るのに階級や担当の許可とかの条件があるわね」

「ほう、興味深いのう」

「多分、専門的なことだとその専門の匠合ギルドなんかの方が資料が揃ってると思うわ。魔術なら魔法組合ね。魔術の私塾を開いてる魔術師のところも大体有料で読ませてくれるはずだわ」

「ふむ、それは詳しそうなものに確認しておくことにするのじゃ」

 ガントかベルゾに聞いてみるとするのじゃ。脳内予定表に書き込んでおくのじゃ。


「えーっと、じゃあ次は冒険者にとって重要な収入源ともなる素材の協会買い取りについて、そして勿論同様に魔漿石の買い取りについて、あと納品依頼の納品についても説明するわね」

「うむ、よろしく頼むのじゃ」

 確かに重要なのじゃ!

お読みいただきありがとうございました。

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