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のじゃのじゃ転生譚 ~のじゃ語尾チート少女のあんまり冒険しない冒険者生活  作者: 七井
第四章 冒険者見習ののじゃのじゃ少女
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いざ冒険者協会へ、なのじゃ

こんにちは。

本日は先に登場人物紹介(第三章終了時まで)をあげて、これから二話投稿です。こちらは一話目です。


12月7日に投稿を始めたのでこの初投稿作品もひと月経過しました。

読んでいただいている方々に深く感謝申し上げます。

色々先の展開など悩むところがありますので二話更新は一旦今日までにして明日からは一話更新になるかと思います。

これからもどうぞよろしくお願いします。


「おお、確かに大きい建物なのじゃ。そして金の紋章付きの看板じゃな」

 外套のフードを目深にかぶり、森林狼の毛皮の入った袋を肩掛けしたわらわは冒険者協会マインキョルト支部の建物にやってきたのじゃ。マインキョルトはその広大な城市内に支部の出張所が別にあるゆえ間違わないようオルン等に何度も念押しされたのじゃ。

 看板の紋章の素材は協会の格を示しておってダンジョンもなく王都でもないのに金看板なのはなかなかすごいことのようなのじゃが、正直よくわからないのじゃ。

 毛皮入りの袋はメーセルキョーで十枚入れようとして重くて諦め六枚にしておったのじゃが、昨日学んだことを活かして<念動>で支えることで十枚入りに戻したのじゃ。十枚入れても楽々なのじゃ。


 エインさんとリーエさんがわらわに泊まるよう言ったのはきちんと身分証を作ってからじゃないと宿に行かせるのが不安という判断で、冒険者協会か商業組合で宿を紹介して貰うようこれも念押しされたのじゃ。確かにわらわも少し不安ゆえ気をつけるのじゃ。

 ちなみにエインさんの息子さん、オズンさんの若奥様も紹介して貰ったのじゃ。そして今朝はその四人とわらわの分の朝食は礼代わりに作らせて貰ってから出てきたのじゃ。ふわとろプレーンオムレツと鱒の焼き干しでダシを取ったスープぐらいの話じゃがの。


 それにしても冒険者協会の建物は大きいだけでなく隣の酒場兼宿屋も直営店らしい看板が掛かっておるのじゃ。今まで冒険者協会に来たことがなかったゆえどういう仕組みなのかいまいちわからぬのじゃ。

 まあ入ってみるしかないのじゃ。


 入り口の扉は開け放たれておって素通しなのじゃ。

 中はすぐロビーになっておるのじゃが、明るいのじゃ。天井に灯りの魔法具があるようじゃの。おそらく<光明>ではなく光の魔術なのじゃが、まあ現象的には一緒なのじゃ。

 天井を見上げて魔力の流れを見ると天井の光っておる部分から魔力を流すための導線が天井を伝って壁へ、そしてカウンターの向こう側へと降りておる。その先でオンオフを操作したりあるいは魔漿石で魔力を送ったりするのじゃろう。

 ここまでに会うたジープラント王国民は生活魔法についての知識がなかったりしたのじゃが魔法具に関してはストールベリ王国よりよほど普及しておるようなのじゃ。


 天井から視線を戻せばカウンターには何名か窓口嬢らしきおねーさんたちがおって場違いなわらわを見ておるのじゃ。

 カウンターの端の方は幅が広くなっておりおそらく素材の買い取りカウンターなのじゃ。見渡せば二階への上がり階段や奥の方へ繋がっておる通路もあるの。そして何故か直営の酒場への扉もあってその扉も開け放たれておるのじゃ。朝から飲んでおるろくでなしどももおるようじゃの。

 興味深いのはその手前の壁際の掲示板なのじゃ。掲示板に掲げられておる紙や薄い木板がおそらく冒険の依頼なのじゃ。

 少しわくわくしながらわらわは一番手前の窓口に歩を進める。


 窓口のおねーさんはにこやかな笑顔で迎えてくれるのじゃ。大人の女性は皆基本的にアップに纏めておるのが少し残念じゃの。もう少し髪型にバリエーションがあったらよいのじゃが。

 と言うわけで黒みの強い灰色の髪をアップにしたおねーさんで、少し垂れ目がちの柔らかい顔つきのおっとり系の美人じゃの。並ぶ窓口のおねーさんたちは皆タイプは違っても美人ゆえそう言うセクハラめいた基準で雇っておるのかのう。


「マインキョルトの冒険者協会へようこそ。何かご用でしょうか、お嬢さん」

 滑らかなのじゃ。そして過剰ではない笑顔で迎えてくれるのじゃ。セクハラ基準で選出された可能性は高いのじゃが、仕事はちゃんと出来るおねーさんたちなのじゃ。

「冒険者の見習い登録を頼みたいのじゃ」

「えーと、お嬢さんは」

「年齢が足りておらぬのはわかっておるのじゃ」

 おねーさんの言葉を遮るようにそう言い放ち、わらわは外套のフードを払ったのじゃ。わらわの明るい金髪がこぼれ、目の前のおねーさん以外の窓口嬢や、ロビーにおる数組の冒険者たちの注目も集まったようなのじゃ。

 なにゆえフードを目深にかぶっておったのか、無論この演出のためなのじゃ。ふふん。


 固まったおねーさんにもはや言い慣れた設定を語ると納得と同情が得られたのじゃ。マインキョルトまで同道した冒険者がオルン等雪の椿であることも告げると双子等の騒がしさゆえかすぐにわかっておったのじゃ。

 それともおそらく相当数が登録しておるであろう冒険者たちのほとんどをきちんと把握しておるのか、なのじゃ。


「そうですね。冒険者協会が十二歳になる前の未成年でも見習い登録を認めているのはそう言った事情のある後見人がいない未成年に身分証明を振り出して支援するためです。ただ、通常と違って裁可が必要ですからこの書類に記入して待っていてもらえますか、ええっと」

「名はミチカ。ミチカ=アーネヴァルトなのじゃ。そして文字は問題なく書けるのじゃ」

 どっちを聞きたいのかわからぬゆえまとめて答えておくのじゃ。

「ふふ、ありがとう。ミチカちゃん。わたしはメーレよ、よろしくね」

「よろしく頼むのじゃ、メーレさん」


「おう、おれともよろしくしてくれよ」

「ここはいつから子どもの遊び場になったんだ。こんなチビが冒険者登録とかありえねーだろ」

 息が酒臭いのじゃ。酒場から三人ほどの男が出てきてわらわに絡んできたのじゃ。暇人じゃのう。

 一人は犬耳なのじゃ。せっかくの犬耳なのにかわいくないのじゃ、残念じゃの。


お読みいただきありがとうございました。

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