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そろそろ森を行くのも終わりなのじゃ

こんにちは。

今日も二話更新予定です。

これは一話目(1/2)。

二話目は21時更新予定です。


 <雷弾>については多少実験したいこともあるのじゃが、とりあえず移動を優先なのじゃ。収納空間から取り出したもので簡単に昼餉を済ませ、午後は十傑集走りを目指して駆け抜けたのじゃ。

 途中クランベリーっぽい果実が大量に実っておる湖沼にぶつかり嬉々として相当量を収納したり、小鬼ゴブリンの野営地に突っ込んで慌てたりと大したことのないイベントはあったのじゃが、大過なく午後の行軍も終わったのじゃ。かなり夜更けになるまで<賦活>の効果切れの感覚は来なかったゆえ、時間延長の魔法陣の構成要素を加えれば朝から移動で問題なかろうなのじゃ。


 こうしてわらわは<早足>と<跳躍>を組み合わせた高速歩法で一日中森の中を駆けるという生活を七日ほども行うことになったのじゃ。

 この世界では南の空を横断する光の帯が見えれば方角が確認できるのじゃ。空を見るために結構な本数の樹木を収納せねばならぬのじゃが、朝昼と確認しておるゆえ明後日の方角に進んでおることはないのじゃ。が、いかほど進んだのかは大凡の感と山脈の見え方から推測したものに過ぎぬのじゃ。ゆえにそろそろ一度街道まで戻ってみる頃合いであるのじゃ。


 わらわの推定ではそろそろメーセルキョーと言うジープラント王国とその領を接する城市に着くのじゃ。メーセルキョーはメイゼルキョルトとジープラント風に呼ばれておったりもするほどジープラント王国よりの文化圏なのじゃ。メーセルキョーとイセンキョーの間にはもう一つ城市があるゆえメーセルキョーまで来ておればかなり人を避けた森林行軍が上手く行ったということなのじゃが。


 ちなみにキョーとは前世におけるブルクのようなもの、とわらわは考えておるのじゃ。城や城館をキョーと呼ぶし、キョーのある城塞都市や街もキョーなのじゃ。王都なぞは城や城館という意味でのキョーが五つくらいあるキョーなのじゃ。余り意味のある言葉ではないのじゃが北方諸国群では城市にも城館にもキョーがついておるのが普通と言うだけなのじゃ。

 それをジープラント語ではキョルトと読むのじゃがな。


 それは兎も角なのじゃ。早寝して夜半に起き出し北上して街道に出るとするのじゃ。

 真っ暗な夜の森とは言え<猫目>をかければ何となくは見えるのじゃ。問題はむしろ寒さなのじゃ。高速で駆け、跳躍すると言う観点から長いマフラーを作っておるのじゃがそろそろコート類も必要であったかも知れぬの。


 寒さの中駆けるのじゃが、魔物の類と出逢わぬのも城市が近いゆえであろう。で、あらば一人駆ける旅路はここいらで一旦終わりなのじゃ。

 不自然さを消してジープラント王国にそしてその港町のミーンキョー、いやさマインキョルトか、に入るためメーセルキョーからは隊商なりの馬車にでも同乗させてもらって行こうと考えておるのじゃ。


 と、先の予定を考えておると森が切れたのじゃ。畑を踏み荒らしたりはしたくないゆえ<光明>を投げて地勢を確認する。光量も低く持続時間も短くと言った低魔力の調整も上手く行くようになっておるのじゃ。

 魔法陣の描画に関して緻密な操作を繰り返した結果魔力の制御がかなり向上したのじゃ。努力の結果が目に見えるのは気持ちのいいことなのじゃ。

 ここいらでは街道が大分森から離れておるのじゃな。畑のようには見えぬが同時に街道もすぐには見えぬのじゃ。


 降るような星空の下をわらわはまっすぐ駆ける。森を出たゆえ満天の空が見えるのじゃ。

 しばし走れば右手、北東の方に黒いこんもりとした城市の影が見えて来たのじゃ。通り過ぎておったとはの。

 街道を行く馬車よりも倍ほども早いかと思えば馬車に乗り換えるのが億劫なのじゃがこの辺りからは街道が森から離れていくのじゃ。ゆえに仕方ないのじゃ。


 夜が明けるより前にたどり着いてイセンキョーを出てきたのと同様に城壁をちょっと切り抜いて入城するのじゃ。わらわはそう考えると駆ける足に力を込めたのじゃ。



読んでいただきありがとう御座いました。

森を出た所でなんの盛り上がりもなく第二章完です。

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