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肉を煮込むのじゃ

こんにちは。

本日二話目です(2/2)。

また何故か料理回ですよ。


 さて、よく走ったゆえ夕餉はがっつり取るのじゃ。ならば肉じゃな。

 煮込みを<経時>で上手に短縮できるか試す意味合いも含めて煮込み料理と行くのじゃ。


 貴族の館は使用人が大所帯になるゆえ厨房に大鍋の類も完備されておったのじゃ。収納空間に入れておけば悪くなることもないゆえ多めに作るとするのじゃ。

 牛のモモを塊で投げ込み、水を肉がかぶる程度に注ぐ。玉葱っぽい野菜や人参ぽい野菜も一緒に入れる。玉葱っぽいと言ったが細長いのであまり玉じゃないのじゃ。あるいはネギの根なのかも知れぬ。と言うことでネギっぽいのとセロリっぽいのもハーブの類や塩と一緒に入れてじゃ、あとは貴重そうな胡椒を少しばかり挽き入れるのじゃ。


 後は煮込むのじゃ。煮込む。アクを取る。水が減ったら足す。そんな感じなのじゃが、ここに<経時>を差し挟むとじゃ、うむ煮込まれる速度が格段に上がるのじゃ。

 何の問題もなかった余熱調理や生地の熟成と違ってアクが出たり水が必要になったり少しあわただしいのじゃがおそらく半分以下の時間で肉が柔らかく出来上がった感じなのじゃ。


 倍速アク取りで平行作業ができなかったゆえソースを急いで作るのじゃ。西洋わさび(ホースラディッシュ)っぽいものがあったゆえ少し齧ってみたらアタリだったのじゃ。と言うことで粗くすり下ろした林檎オージと山葵のソースといくのじゃ。これに火を通す分には気兼ねなく<経時>が使えるのじゃ。

 ついでに別の日に気分を変えて食べるため青ネギのソースも作っておくのじゃ。


 付け合わせを作るより早く食べたい気持ちが勝ったゆえ、あとはサラダくらいで完成とするのじゃ。

 さっそく鍋から肉を取り出して今食べる分を切り分けて皿に盛り、オージと山葵のソースをかける。鍋の中に残っているじっくり牛肉と煮込んだスープを器に盛り、新鮮なハーブを散らす。適当に作ったサラダに昨日作ったドレッシングをかけて、パンも取り出せばなかなか豪勢な夕餉が出来たのじゃ。


 あと、茶じゃな。茶は余りよい出来ではない紅茶とフレッシュハーブティーをこれまでに淹れておるのじゃが、実はその茶をポットでそのまま収納空間に入れておるゆえ湯を沸かさずとも即対応可能なのじゃ。

 昼に収納空間を整理した折りにジャムの壷や瓶を発見しておるゆえ、紅茶の方にスグリのジャムを入れて味を誤魔化して飲むとするのじゃ。


 では今日の糧を神に感謝して、いただきますなのじゃ。

 柔らかく煮た肉は焼いた肉とはまた違った美味しさなのじゃ。スープもよい味が出ておるのじゃ。うむ、わらわは塩漬け肉の簡単スープに納得がいっておらんかったのじゃな、自覚はなかったのじゃが。

 ビーフコンソメやらスープ類を今度仕込んでおくのじゃ。


 苦みと渋みが先に立っておった茶もジャムのおかげで美味しく飲めたのじゃ。そう言う飲み方をする茶であったのかも知れんのう。

 うむ、最初から最後まで満足の行く食事だったのじゃ。

 この豊かな食生活は貴族の屋敷の厨房にあった調味料や香辛料に支えられておるのじゃ。在庫には気をつけて補充や拡充できるようにしていきたいものじゃな。


 まだ見ぬジープラント王国の港に期待が募るのじゃ。

 今日の行軍速度は森の中を迂回しておる分を考慮に入れても普通に街道を行くより早いと思うのじゃ。この調子なら結構早くに行けるのではないかのう。

 まあ途中で街道に戻らねばならぬであろうし余り楽観しすぎてもいかぬしの、気をつけるのじゃ。



お読みいただきありがとう御座いました。

お肉食べたい。

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