ちょっとリフォームしておくのじゃ
いらっしゃいませ。
今日も今日とて二回更新予定です。
今週末くらいまでは一日二回更新で行くつもりですです。
これは本日一話目更新です(1/2)。
二話目は21時更新予定です。
とりあえず、朝気づいた改善点として二三階にもお手洗い設置なのじゃ。設備的にはフォルデン商会にあったものをきっちり<洗浄>して流用なのじゃ。ゴドノローア卿の屋敷にあったものは豪華かつ広々としておって落ち着かなかったのじゃ。まあ折角ゆえ一階に設置した二つのうち一つは豪華お手洗いにしたのじゃが。
わらわは<洗浄>するゆえ要らぬのじゃが、手拭きのタオルなぞもきちんと確認して置いておくのじゃ。まあ、収納空間にも入っておるのじゃがの。
ついでに二三階の使うあてのない空き部屋にフォルデン商会とゴドノローア卿の屋敷の客間を展開してとりあえず埋めてゆく。収納空間があるゆえ物置や倉庫の類不要なのじゃ。図書室も本を収納空間から取り出して読む方が楽ゆえ要らないのじゃ。
そこそこ高価な書籍類ではあるのじゃがこの二軒合わせて二〇冊ほどあったのじゃ。価値的には少なくは無いのじゃがこの冊数に図書室は元から要らぬのじゃ。
紙はある程度手に入りやすいのじゃが本となると印刷技術が未発達で書写生が写本したものと簡単な版画刷りとなるゆえ量産が出来ず値段も高いのじゃ。
ちなみに上質な皮の表紙をつけた高級書籍もあれば紙一枚を表紙にした冊子もあるのじゃ。なのじゃが、サイズは統一されておってA4サイズの大判の本とその半分のA5サイズの本があるのじゃ。
これは紙のサイズに関しての規定が古代の帝国が定めた度量衡に含まれておって、それに従った紙が使われておるゆえ本のサイズも統一されておるのじゃ。紙の製造も帝国から広まったものゆえその度量衡が生きておるのじゃな。
ちなみにこの書籍に使われておるのがエーノ紙の四つ切りと五つ切りとなっておるのじゃ。
と言うかなのじゃ、紙のサイズと名前からして帝国を建てたものは転生者か転移者ではないのかの。活版印刷を広めるほどの知識はなかったようなのじゃが。
中央にちょっと興味があるのはそれが理由なのじゃ。何百年も前の人物ゆえ事績もきちんと伝わっておるわけではないとは思うのじゃがの。
それは兎も角、皮の表紙に金具までついた高級書籍はストールベリ王国の貴族年鑑と法律書、歴史書なのじゃ。貴族年鑑は王国に登録されておる貴族の名前や領地称号、紋章などが記されたもので貴族には大事な一冊なのじゃが他国に逃げようとしておる庶民には全く不要なのじゃ。法律書もストールベリ王国の国内法ゆえ同様に不要じゃな。
歴史書は暇つぶしの読み物にはなりそうゆえ置いておいて年鑑と法律書は実験に使うのじゃ。
収納空間に収納し、解体しようとすれば入手候補は皮と金具と紙になる様なのじゃ。ここで設定を色々変えられぬか試すのじゃ。
うむ、「白紙の本」と「使用済みインク」に分離できるのじゃ。
使用済みインクは即廃棄でポイ捨てなのじゃ。そして出来上がった白紙の本とインク、ペンを準備して対象に歴史書を指定するとじゃ、うむ、合成機能で歴史書を複製出来たのじゃ。内容は間違いなく同じ、と言うより皮の表紙の装丁は違いがあったのじゃがそれまで全く同じになっておるのじゃ。
成功は素晴らしいのじゃが二冊は不要ゆえ一冊はすぐ白紙の本に戻す。
紙から白紙の本を合成することにも成功したゆえ写本が自由自在に行えることになったのじゃ。
廉価版の冊子は交易に関する法律をまとめたものや商業組合からの通達をまとめたものなど実用的なものが殆どで他に幾冊か物語や艶本があったのじゃ。北方諸国群の地図に街道と城市の簡単な情報が記された商業地理図は役に立つかも知れぬのじゃ。
おっと、物語を読みふけってる場合ではなかったのじゃ。
改装の続きなのじゃ。
私室は靴脱ぎを作って、少し高くした木の床を設置。その上にラグを敷きつめることで靴を脱いで床でゴロゴロ出来る快適空間を実現なのじゃ。
暖炉まわりは危ないゆえ木の床に合わせた高さに石を積んで石の床にするのじゃ。
なかなかの快適空間、と満足したところで思い出したのじゃ。なにをかと言うとじゃ、使う予定もないのじゃが執務机なぞを置いた執務室っぽい私室を作ろうと思っておったことをなのじゃ。
ええい、どうせ使わぬ部屋ばかりなのじゃ。執務室、私室、寝室と三部屋を繋げて使うことにするのじゃ。内装はゴドノローア卿の屋敷にあったものをそのまま展開なのじゃ。
使う予定はないのじゃが執務室がないと館の主感が出ないのじゃ。ゆえに已むを得ぬのじゃ。
家具や小物類の入れ替えは追々やっていくのじゃ。
一階の空き部屋にも適当に応接室などを展開して埋める。何となく空き部屋は落ち着かぬからの。
まあ浴室予定地は空で仕様がないのじゃが。
地下室は前庭に明かり採りの窓なぞ作って存在感が出ておるゆえ、いっそ庭の方からも入れるようすべし、と階段と通路を造り、その出入り口にゴドノローア卿の屋敷にあった庭師用かなにかの小屋をおいて調整する。ついでに庭木や庭石を適当に配置して、四阿に行く路として踏み石も設置なのじゃ。
ちょっとばかり<地回操循>の持続時間に余裕があるゆえ石塀を滑らかにして、これでとりあえず出来上がりなのじゃ。
今回は魔力の残量も大丈夫。わらわはちゃんと出来る子なのじゃ。
やりきった感もあって至極満足なのじゃ。
お読みいただきありがとう御座いました。