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のじゃのじゃ転生譚 ~のじゃ語尾チート少女のあんまり冒険しない冒険者生活  作者: 七井
オルンのお悩み相談を受けるのじゃのじゃ少女
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食事をしつつおしゃべりなのじゃ

こんにちは。

遅くなりました。

本当にだらだら会話しているだけの話になっておりアップするのを躊躇うのですが更新出来なすぎなので上げてしまいます。

どうにか投稿できる生活パターンを構築したいのですが厳しい状況です。

申し訳ない。


「ん、どうした?」

「いや、ちょっと考え事をしておっただけなのじゃ。やはりジーダルの腕前は見事なものなのじゃ。技術も力任せの腕力も」

 双子等の槍には<早足><跳躍>の祈祷による移動力が上乗せされておるのじゃが、ジーダルやオルンの戦いを見ておるとどうもわらわがその体格なぞから予測できる力の限界を超えておるように見えるのじゃ。

 魔力を無意識に使って強化しておるのであろうかの。あるいはまた別の力か技術があるのか、判別は出来ぬのじゃが。


 わらわの感じる違和感はおそらく共有することができぬゆえ放置しかあらぬのではあるのじゃ。

 ジーダル等が無意識に、そして普通に身体能力を超えた力を使っておるとすれば逆にわらわの想定する筋肉と骨格だけから算出される力を理解することが難しいのじゃ。


「オルンの楯使いはまだ技術がついてきておらぬのあろうがなかなかに良う見えたのじゃ」

「ああそうだな。俺も楯は使わねえから技術に関して言ってやることは出来ねえが相対した立場でならば勘所を押さえてると思うぜ。悪くない」

 荷馬車から出してきた折りたたみのテーブルセット、前世のアウトドア用品を思い出しつつ注文を出したのじゃ、に腰掛けつつ先ほどの模擬戦の評を交わすのじゃ。


「あの双子ちゃんたちの技はすごいわね。ちょっと驚いたわ」

「ええ、腕前が上がってることは解ってたんですが、予想を遙かに超えてて俺はどうしたら良いのかと」

 セイジェさんが双子等を褒めるとオルンがなにやら自分と比べて悩んでおるのじゃが、充分仕事を果たせておったのじゃがの。


「オルンがしっかり正面を抑えているから二人の槍捌きが活かされているんですよ」

「うんうん、二人で練習したときより戦いやすかった」

「流石オルン兄ちゃんだね」

 ベルゾのフォローに双子等も頷くのじゃ。双子等は戦いに才があるのじゃろうの。立ち位置なぞへの理解が早い、と言うか本能的に解っておるようなのじゃ。


「攻撃役が正面に立ってくれる楯役の働きを解ってねえことは多いが逆とは面白いな」

「そう言うものなんですか」

「パーティだからな。自分が、ではなくて仲間の実力を発揮させるのが楯役の仕事だ」

 パーティとしての力を十全に発揮させてこそ、なのじゃ。


「偉そうに言うけどジーダルもベアが居なくなった後にどれだけの仕事をしていてくれてたかが分かったほうなのよ」

 セイジェさんがそうわろうたのじゃ。

「あの頃はパーティ解散の危機でしたね」

「それほどのことなのじゃな」

「ああ、それほどなんだよ。俺たちはまあ実力があるんでよ、連携も何もなくそれぞれが戦っても問題ねえんだ。だがそれはつまりパーティなんか組む必要がねえってこった」

 ジーダルが剣で攻撃を捌く楯役を兼ねるようになるまでは紆余曲折もあったそうなのじゃ。その苦労の甲斐があってジーダルが前衛にセイジェさんとベルゾが攻撃役をこなすスタイルで巧く回るようになっておるそうなのじゃ。


「うんうん、オルン兄ちゃんがしっかり前に居てくれると安心だよ」

「調子に乗ってやらかさないならね」

「やらかすのはお前等だろ!」

 大分調子が戻ってきたようなのじゃ。しかし、やはり釘を刺しておくべきなのじゃ。


「オルン、一夫多妻制度というものは社会保障制度が未発達で足りぬ所を補うために始まったものなのじゃ」

「はっ? いや、何の話だ」

「戦死者が多く出た厳しい戦いの後に、なのじゃ、遺された寡婦や子どもを引き取って養育する制度が一夫多妻制度であったというわけなのじゃ。遺族年金や公的な補助のあらぬ時代の話なのじゃ」

 わらわが語り始めるとちょうど昼餉を持って来ておったモリエにチョップされたのじゃ。


「痛いのじゃ。ツッコミが雑なのじゃ!」

「兄さんの悩みはサーデとマーセに良いところを見せたいからじゃないかって。片方なら良いけど両方からモテたいならちょっとアレだねって話」

 わらわにツッコんだ後昼餉の準備を整えつつ端的に説明してくれるのじゃ。

「オルン兄ちゃん、あたしにめろめろ?」

「あたしも罪な女だね」

「って、それだけはない! ないから!」

 ジーダル等も大笑いしておるのじゃ。


 双子等にじゃれつかれておるオルンを見ながらちょっと話を続けるのじゃ。

「初代皇帝がハーレムを築いておったからの、それに憧れるものも多かろうとは思うのじゃ。血統を継ぐことが使命の王侯ならばそれも已むを得ぬとは納得せぬでもあらぬのじゃがの」

「聞いた話だけど、ロメク・エフィの獣人達も氏族によっては一夫多妻らしいわよ。逆のパターンもあるそうだけど」

「セイジェに求婚した狼獣人が居たな、そう言や。命知らずにも」

「なんで私に求婚したら命知らずなのよ! まあ聞いたのはその人からだけど、氏族と言うか群では頭だけが子どもを作れるんだって」


「狼の群のルールに近いのかの。面白いものなのじゃ」

「それで群から外れてこっちの大陸に流れてくる犬狼系の獣人は多いんだって。力を蓄えて戻って頭を狙うのかこっちで番を得るのかそれはまあそれぞれなんだろうけどね」

「こちらで生活する獣人はロメク・エフィ出身でもこちらの風習に合わせているようですがね。そしてこの料理は何です?」

 七輪のような携行用の炉の上でスキレットから大蒜と唐辛子が熱される匂いがあがっておるのじゃ。アヒージョもどき、なのじゃ。

 薫製したイカ、いやさクラーケンの身と同じく薫製した鰺、そしてアンズタケの仲間のような茸なぞが具なのじゃ。

 それだけではのうて肉系の薫製やヴルストも準備はしてあるのじゃ。


 茸については<毒見><解毒>に関して老リーディンと話し合ったり資料を確認した結果植物系の毒には概ね対応しておるようじゃ、と言う結論を得た結果なのじゃ。

 季節的に狩れる茸も少なかったゆえ少々なのじゃがの。


「旨いが、酒が飲みたくなるような料理だな」

「わらわは飲まぬゆえ考えがあらんかったのじゃ。すまぬの」

 バケットっぽいパンを準備した時点で満足しておったのじゃ。

「しかし美味しいな。あーっと、俺がちょっと焦ってたのはサーデやマーセに良いところを見せたいんじゃなくてパードとレイデの二人と組むって話があってさ。それでちゃんとあいつ等に見合った実力を持ってるところを見せなきゃって思ってたのさ」

 一頻りオモチャにされておったオルンがぐったり気味にそう言うたのじゃ。双子等が食べるほうに夢中になったゆえ解放されたのじゃな。


 パードとレイデはわらわが最初に生活魔法を伝授した冒険者のカップルで修道会でも働いてもろうておる二人なのじゃ。そして祈祷師候補として期待されておる有望な人材でもあるのじゃ。

「確かにガントが抜ける穴を埋めることが出来る人材ですね。しかしあの二人も自分のパーティがあるのでは?」

 わらわが思うたのと同じ疑問をベルゾが訊ねたのじゃ。

 それに対して何故かジーダルとセイジェさんが顔をしかめたのじゃ。

「ちょっとあそこのパーティはもめててな。あの二人が抜けるようだ」

 ジーダルがそう言うたのじゃ。ベルゾは修道会関係でいそがしゅうしておって冒険者関係に少し疎くなっておる様子なのじゃ。


 セイジェさんが説明してくれたのじゃが、ちょっと二人のパーティメンバーが横着なのじゃ。

 生活魔法、<洗浄>やらを使つこうてもらうのを当然として感謝があらぬどころか元々魔力を使う魔術師と兼業の二人に強要してくる。自分等も習得するように言うても金があらぬと拒否する。つまりそれ以前にあの二人の習得は自腹なのじゃ。

 そして拒否されると怒り非難してくるし、修道会から回しておる仕事に関しては二人の下に就くことになるからと参加せずにパーティのメンバーとして二人が修道会関係の仕事で稼いでおる資金を供出しろなぞと言ってくる。

 うむ、聞いておるだけで腹が立つのじゃ。そして二人のパーティ脱退も当たり前で納得なのじゃ。


「ミチカがもたらした変化は良いもので喜ぶものがほとんどだ。だがすべてのものが喜ぶわけではない。それはちゃんと認識して、警戒注意しておくべきだ」

 ジーダルが真面目な顔でそう言うたのじゃ。対してわらわではのうて雪の椿の面々が護衛として重く受けたのじゃ。無論わらわも気にしておくのじゃ。


「そんな奴らではないと思ってたんだが、最近の付き合いの筋が悪いようだ。とは言ってもな、何か思考誘導される魔術の話も無から感情を植え付けるんじゃなくて元からある感情に沿ったものしかできないだろうって話だからな」

 ジーダルの表情に疲労があるのじゃ。うむ、酒くらい準備しておいてやるべきであったのじゃ。

 しかし、そちらの仕事の近況報告も聞いておかねばならぬ様なのじゃ。


お読み頂きありがとうございました。

誤字報告ありがとうございます。

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