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館落成なのじゃ

本日更新三話目です(3/3)。

少しでも楽しく読んで頂けたら幸いです。


「<光明>」

 魔力が回復して目を覚ましたらもう暗くなっておったのじゃ。前庭部分でぶっ倒れるなぞ不用心すぎじゃし、寒くて風邪を引きそうじゃし、最悪なのじゃ。加えておなかも減っておるのじゃ。

 魔力は枯渇するまで使ってはならぬと言うことなのじゃ。

 一応無事ゆえ、いい教訓となったと思うことにするのじゃ。わらわは前向きじゃからの。


 <光明>は生活魔法の中でも体感的に消費魔力が小さいのじゃ。金髪は光の神の加護に関係するとも言われるゆえ光の属性への適正が特に高いのかも知れんの。

 ゆえに気絶中に回復した魔力で充分に使えるのじゃ。流石にここで魔力枯渇による気絶二連発を行うほど体を張ったギャグは出来ぬのじゃ。


 <光明>の明かりに照らされてわらわの館が浮かび上がっておる。もはや改築というレベルではないのじゃ。

 収納空間内で建物を解体し、そこから得た石柱や石材を均一な形に整えて<地回操循>の範囲に投げ込めばきっちりした石組みで建築出来るわけなのじゃ。木材は<地回操循>では直接動かせぬのじゃが収納空間から取り出して石や土で動かしたり固定したりは出来るゆえ問題なく扱えたのじゃ。


 結果、地下一階地上三階の立派な石造りの館が出来てしまったのじゃ。

 地下は少しだけ自信がなかったゆえ建物の負荷のかかる真下ではなく前庭部分の地下に作り、地下通路と階段で館に繋げておるのじゃ。

 結構広めに作ったのじゃが、ここはトレーニングジムにするつもりなのじゃ。うむ、今度サンドバックも繕うのじゃ。

 前庭の真ん中付近を盛り土して緩やかなカーブで膨らませ、地下室への明かり採りの窓をつけておる。無論、庇をつけたり窓への穴の傾斜なぞで雨水などが流れ込まうように工夫しておるのじゃ。大雨対策の鎧戸などは後回しなのじゃがどうせ地下は今はまだ完全に空っぽなのじゃ。


 前庭の盛り土部分にはゴドノローア卿の屋敷の敷地にあった瀟洒な四阿をそのまま設置したのじゃ。これから屋外で太陽光の下作業しようって時はここで行うのじゃ。

 四阿と呼ぶには少し景観が殺風景なのじゃが庭の整備はまた次回にするのじゃ。 


 今日はもう用があらぬ地下と前庭は置いておいて、館に入るのじゃ。扉や窓はゴドノローア卿の屋敷のものを流用しておるので高級感が溢れておるのじゃ。

 一階には結構気合いを入れて螺旋階段なぞを作った玄関ホール、食堂、そして厨房があるのじゃ。お手洗いも二カ所あるのじゃ。

 食堂も厨房を同じく部屋ごと展開したゆえテーブルやその他調度の類もきちんと備え付けられておる。まあ豪華すぎるきらいはあるのじゃがわざわざみすぼらしくする必然もないのじゃ。


 まずはその豪華な、黒檀に螺鈿の細工が入ったテーブルで夕餉を食べるのじゃ。空腹を抱えて調理する気力はないゆえ朝の残りなのじゃ。朝作った料理を朝昼夕三食食べることになるとは不覚なのじゃが空腹には勝てぬのじゃ。

 テーブルに見合わぬ貧相な夕餉、いや卵は高級食材なのじゃ。減量は必要ないどころかしっかり食べてウェイトを増やさねばならぬのじゃ、とひとりごちながら夕餉をすまし、食後の茶を飲みながら予定を立てる。

 ちなみに茶も厨房にあったのじゃが渋味が強く出来の悪い紅茶と言ったところなのじゃ。輸入品ゆえ高そうではあるのじゃがのう。


 さて今後の予定なのじゃ。

 今日はもう魔力を回復するために就寝なのじゃが、明日もここで足踏みするか出立するかなのじゃ。とっとと進みたくもあるのじゃが、明るいところで館をしっかり見回って修正したり内装にも手を出したりしたいのじゃ。

 よし、間をとって明日の午前中は調理をしたり建物周りの作業をするのじゃ。そして昼食後出立なのじゃ。

 決まったら使った食器類を<洗浄>して寝るとするのじゃ。


 ちなみに一階には厨房と食堂以外に空き部屋が幾つかと浴室予定のスペースがあるのじゃ。<洗浄>があれば風呂は要らぬと言えば要らぬのじゃが、やはり欲しいのじゃ。

 とは言え薪を燃やす形の浴槽を作るのは難易度が高いゆえ湯を準備するのに便利な魔法でも取得するまでお預けなのじゃ。しかし、スペースだけはきっちり確保しておくのじゃ。

 空き部屋には応接室なぞを展開しておこうかの。まあ明日考えるのじゃ。


 階段を上って二階にはわらわの私室と寝室があるのじゃ。寝室を分かつ必要もないのじゃが調子に乗って建物を大きく造ってしまったゆえ部屋数が沢山あるのじゃ。

 つまりわらわの部屋以外に空き部屋が結構並んでおるのじゃ。作業部屋を、と思ったのじゃが作業道具は収納空間に置いておいた方が便利なのじゃ。


 三階は空き部屋が並んでおるだけでまあこれは何か思いつくことがない限り放置なのじゃ。ならなんで作ったのじゃ、と問われれば屋上にくつろぎスペースを作りたかったゆえその土台なのじゃ。

 星空を眺めながら茶でも飲む、と考えてお茶用の丸テーブルとイスを置ける屋上スペースを作ったのじゃ。そう、ちょっと夜空のインパクトに負けたのじゃ。


 さて、寝室なのじゃがこれは己で弄りたいゆえ部屋をそのまま展開するのは止めておいたのじゃ。それゆえ今はベッドしかない殺風景な部屋のじゃが。

 安眠用に<遮光>を夜明けと共に消えるよう、と念じつつ祈祷しておやすみなさいなのじゃ!



お読みいただきありがとう御座いました。


書いている自分が先ず、なぜ建築とかしているんだろう、と疑問にとらわれてしまった謎の建築パートも明日調整で終わりです。良かった。

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