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のじゃのじゃ転生譚 ~のじゃ語尾チート少女のあんまり冒険しない冒険者生活  作者: 七井
オルンのお悩み相談を受けるのじゃのじゃ少女
226/247

オルンの帰還なのじゃ

お疲れさまです。

まだ業務に馴れておりませんので投稿ペースなどをお約束出来ません。申し訳ないです。

可能な限り頑張りますのでよろしくお願いします。

投稿ペースが落ちているのに感想などを頂き本当にありがとうございます(>_<)

 お風呂上がりはフルーツ牛乳なのじゃ。

 果実を凍らせてからミキサーにかければスムージーも出来るのじゃが、まあ今回は全く普通に果汁を混ぜたフルーツミックスと牛乳を合わせたのじゃ。

 うむ、絶品なのじゃ。


「なんで牛の乳? 果物入り美味しいけど」

「なにも入ってないのも美味しいけどさ」

 コーヒー豆が未だ見つかっておらぬのじゃ。あらばコーヒー牛乳も準備したかったのじゃがの。

「お約束なのじゃ。あと牛の乳は背や胸も育つと聞くのじゃ!」

「それは重要だね」

 わらわは質問してきたサーデやマーセと共に頷いたのじゃ。アイラメさんほどのことはのうてもミルケさんや狐の人程度には育つべきなのじゃ。


 湯上がりに<洗浄>で水分を飛ばせるのじゃが、それでは情緒が足りぬのじゃ。とは言え狐の人はそれで耳や尻尾をふかふかに戻すゆえ必要なことなのじゃ。

 なんにせよ香油を使つこうたメイドさんエステなり入浴剤なりを研究して湯上がりのいい雰囲気を作りたいものなのじゃ。


 しっかりと湯を堪能して入浴欲が満たされておるゆえ、そう急いで入浴環境を整えようと言う気持ちもあらぬのじゃがの。

 なんにせよこうして入浴説明会も終わって本格的に新居で生活がスタートしたのじゃ。


 数日は皆新しい生活に慣れる期間であったのじゃ。

 子ども等はうちから港湾協会に働きに行くほかメイドさんの手伝いをしたり燻製なぞの作業の手伝いをしたりとうちの仕事の手伝いもするようになったのじゃ。えらいものなのじゃ。

 そしてオルンが帰ってまいったら馬の世話を始めとして御者の見習い仕事もやってもらう予定もあるのじゃ。


 燻製なぞも多少関わりがあるのじゃがこの数日のわらわの仕事は商業組合での試食会の準備であったのじゃ。

 既にお披露目をしておる幾つかの料理を軸に紹介する予定なのじゃ。ちゃんとしたコースの組立として考える必要があらぬゆえある意味楽なものなのじゃ。

 調理師匠合にルセットを提供することと何らかの店を出す下準備ということになるのじゃ。この約束をしたのはこの城市についてすぐの頃で、今となっては正直面倒さが勝るのじゃが仕方あらぬのじゃ。


 既に作ったことがあるものは大概モリエが作れ、モリエの指導でメイドさんも作れるのじゃ。

 と言う微妙に手が抜ける環境ゆえチーズ普及のために一皿足してみたりもするのじゃがの。


 こうして屋敷の生活をスタートさせ、数日が経った頃にオルンが帰ってまいったのじゃ。無論エインさんの仕事も上手く運んだようで椿油がお土産であったのじゃ。

 エインさんとも近いうちに会う必要がありそうなのじゃ。


 オルンは旅の疲れ、と言うべきか帰ってきてすぐよりも自分の部屋に荷物を置いて不在の間の話を聞いて色々と話をしにうろつき回った今現在のほうが疲れて見えるのじゃ。

 夕餉前であるのじゃが、先にオルンに食べ物を準備してやるとするのじゃ。


「なんだかな。やっぱ俺の部屋が贅沢すぎるとか、持たせてくれた燻製肉はマジ旨かったとか色々言うことはあるんだが、なんか帰ってきてどっと疲れたぜ」

 わらわはヴルストとビールを供してオルンをねぎらうようメイドさんに指示を出しつつ愚痴を聞くのじゃ。

「ふむ、お疲れなのじゃ。エインさんの護衛として帰郷したのもご苦労なことなのじゃが、皆の兄貴分としての仕事こそご苦労様であるのじゃ」

 夕食用に準備しておったものがあったのじゃろう、速やかに給仕されたゆえビールはわらわが手ずから注いでやるとするのじゃ。

 泡の割合がどうとか言うておった父さまには注いでやっておらぬゆえ破格の待遇なのじゃ。


「ありがとよ。お、確かにマーセが言ってたが旨いな、これ。獣の腸を使ってると言われてもこれなら迷わず食うぞ」

 サーデとマーセが二人でこっそり裏技を使って討伐依頼を受けておったことで結構真剣に説教をしておったのじゃが双子のほうはオルンがおらんかった間の新作料理の報告なぞをしておったのじゃな。

 ご苦労なことなのじゃ。


 子ども等の生活に関して報告を受けたりモリエから厩舎について聞いたりした上、それを踏まえて明日からの仕事の割り振りなぞの指示を出しておったのじゃ。兄貴分、と言うより小集団のマネジメントが上手いのやも知れぬの。

 案外侮れない男なのじゃ。


 まあ子ども等を住ませてやってわらわの所で働かせる、と決めたのはわらわなのじゃが実際に面倒を見ておるのはオルンやガントなのじゃ。ありがたい話なのじゃ。

 オルン本人は己で苦労を背負い込んでいくたちで難儀じゃろうと思うのじゃが、わらわ的には本来わらわの分の苦労まで分担してくれておるゆえ感謝するしかないのじゃ。


「ここは其方が住む家でもあるゆえ今日ぐらい少し過ごしても構わぬのじゃ。ほれ、もう一杯呑むが良いのじゃ」

 そう言いつつビールをもう一杯注いでやるのじゃ。

「いない間に宿から引っ越しが済んでるもんだからそれもまだ慣れねえんだよな」

 ビールを受け取りつつオルンはそう零すのじゃ。


「あっ! オルン兄ちゃんビールとヴルストだ!」

「オルン兄、ずるい!」

 夕餉の時間がちこうなって食堂にやってまいった双子等に見つかったのじゃ。

「ずるくないのじゃ。其方等も少しは労うと良いのじゃ」

 まあ言いつつオルンの左右にべったりと座っておるのは不在で寂しかった分の親愛の現れであろうと思われるのじゃ。

 オルンのビールやヴルストを狙っておるのでなければ、なのじゃ。


「国内の街道は護衛なしでも普通だし、行き先は緊張する必要もない自分の故郷だし、ミチカもそんな労わなくてもいいと思うよ」

「私はサーデとマーセの説教分は労う必要がありますがね」

 すぐ後から入ってきたモリエとガントはそう言うておるのじゃ。

 妹というものは時に兄に厳しいのじゃ。


 しかし、双子等には別の意味があるのじゃ。

「二人にはオルンが帰るまでの槍の稽古の禁止を申し渡しておるのじゃが、これは単純に帰ってくるまで、ではのうてオルンの許しを得よ、と言う意味なのじゃ」

「なるほど! オルン兄ちゃんを全力で労うよ」

「ミチカちゃんの何故か偉そうなお酌じゃなくてあたしが隣でお酌してあげるね」

 意味が分かった双子等がオルンの両サイドからビールを注ぐために錫のジョッキを取り上げようとしたりマッサージのつもりか腕を揉んだりし始めたのじゃ。

 それは兎も角、マーセにナチュラルにディスられた気がするのじゃ。ぬぬう。


「大人しくしろ! 余計疲れるわっ」

 双子等を必死に引き剥がすオルンの様子にわらわやモリエの笑いが零れた辺りでメイドさんが夕餉を運んできたゆえ皆で食事なのじゃ。

 焼いたヴルストの盛り合わせとヴルストと冬野菜のスープ、これはオルンにはお代わりとなるのじゃ。付け合わせ的にピクルスとサラダが付き、それとガーリックトーストなのじゃ。ガーリックトーストは最初だけでお代わりのパンは手間を掛けておらぬ普通のパンなのじゃ。

 あとでデザートもあるとは言えシンプルな食卓なのじゃ。いやどちらかと言えば酒肴に傾いておると言うべきかの。


 ちなみにシンプルと思うのはわらわの感覚であって、実際には贅沢なのじゃとこれまでの経験で分かっておるのじゃ。ゆえに口に出して言うたりはせぬのじゃ。

 いやわらわの感覚も孤児院のことを思い出せば一週間分の食事と言うても納得するのじゃ。どちらにせよ極端なのじゃ。


 ガーリックトーストは大蒜と胡椒の供給が安定しておるゆえ作ってみたところ好評でたまにメイドさん作で出てくるのじゃ。わらわも好みであるゆえ作ってみたのじゃから、当然望むところなのじゃ。

 スープには血のヴルストも混じっておるのじゃ。これは流石に好みが分かれてモリエは食べるのじゃがガントとサーデは苦手にしておるのじゃ。

マーセは好んでは食べないが苦手と言うほどではあらぬ、と言う程度なのじゃ。


「俺は平気だな。と言うか、母さんがこんな感じの味の料理を作ってくれたことがある気がする」

「私は記憶にないなあ」

 モリエは考えながら血のヴルストを食べておるのじゃ。

「ふむ、其方等の親は狩人であったの。狩人の料理やも知れぬのじゃ」

「そうかも。母さんは私が小さい頃亡くなっているんで私はほとんど憶えてないんだよ」

 なるほどなのじゃ。


「まあせっかく里帰りしてきたのじゃ。良い機会ゆえ其方等の故郷の話でも聞かせてもらうとするのじゃ」

 そうしてオルン等の故郷の話を聞いたのじゃ。

 食事をしつつ、そしてデザートのヨーグルトにジャムをかけたものを食しつつ、酒やお茶で食後のまったりタイムを過ごしつつ、と話を聞き続けることになったのじゃが案外飽きぬものなのじゃ。

 今回帰郷してまいったオルンの最新情報が差し込まれることで他のものも飽きぬ話であったようなのじゃ。


 やはり雪の椿はオルンがおってこそのパーティなのじゃな。そう考えるとオルンがおる明日からが平常運行と言ったところなのじゃ。


お読み頂きありがとうございました。

どう考えても前半部分は前話に入っているべきですが出来上がった所で即投稿状態なのです。どうかご寛恕下さいませ。

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