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朝はまったりなのじゃ

こんにちは。

最近ストックが全く無い状態で、その日書いたものを即日推敲無しで投稿している状態です。

なので誤字報告とか助かっております。

投稿体制も見直すべきかと思っていますが暫くはこのまま行きますのでよろしくお願いします。

 朝、いつものように日課のロードワークに出ようとするとモリエと双子が来ておったのじゃ。今日は修道会本部の厨房での仕事を頼んでおって護衛はよいと言ってあったのじゃがの。

「ベルゾさんが来るのは朝食後でしょ。その前に走ったりする間はついてくよ」

「ついでに朝御飯を一緒に食べてくよ」

「うんうん。朝はしっかり食べないとね」

 双子等は自分等の宿でしっかり食べてきておる筈であるのにそう言うておるのじゃ。まあ良いのじゃが。

 そしてすこぶる快調なのじゃ。転生の記憶を取り戻したのち改善された食生活と適度な運動による効果で身体的なコンディションが万全なものになってきておるのじゃろう。とは言うても成長の具合で言うと年齢的な標準にまだ及んでおらぬのじゃ。


 朝餉を摂りながらモリエを見ると頷いて話してくれたのじゃ。

「ガントは私たちみんなに話をしたよ。やってみたいってさ」

「やりたいんだってさ。それじゃ仕方ないよねー」

「止めれないよね。挑戦したいんならさー」

 内心のことまでは判らぬが、本人の意思を尊重する態度のようなのじゃ。双子等は妹としてもっと駄々をこねても良いと思うのじゃがの。

「妹だからねー」

「二度と会えないわけでなしー」

「なるほどなのじゃ」

 わらわはちょっとだけ二度とは会えぬ前世の弟どものことを思い出したのじゃ。元気にしておるかの、いや時間軸や時間の流速が同期しておるとは決まっておらぬ以上無駄な思いなのじゃ。なのじゃ、が、なのじゃ。


 ぷに。ちょっと物思いに耽ってしもうたわらわの頬をモリエが指でつついたのじゃ。

「ミチカは中央に再会したい人がいる?」

 ああ、そう言う誤解をしてくれたのかや。ありがたさと後ろめたさがあるのじゃ。

「育ったのが旅の空であったゆえ別段のことはあらぬのじゃ」

「ミチカが中央に帰るんなら兄ちゃんと一緒だね」

「中央の言葉を勉強しようかな」

「わらわの先のことは判らぬのじゃが、中央の言葉を学ばねばならぬのはまずガント自身なのじゃ」

 確かにわらわも中央に行くと言う選択肢は常にあるのじゃ。アーネとしてのあるいはアーネヴァルトとしてのじゃな、その出自を辿ろうと思うた場合は行かねばならぬのじゃが、そこまで差し迫った思いがあらぬのじゃ。

 わらわが前世の記憶を取り戻してミチカでもあると言うだけではのうて、アーネとしても大して興味があらぬのじゃ。


「とりあえずは、一旦リーダとなって中央のマール・ミルクに向かうまでには暫くの期間が必要なのじゃ。中央の言葉を学んだり、神殿のことをちゃんと学んだりせねばならぬゆえの」

「兄ちゃんもそう言ってた」

「その間に雪の椿の今後も考えなきゃって話だね」

「なんかオルン兄ちゃんと男二人で酒を飲みながら話してたよ」

 男同士とは良きものであるのか面倒なものであるのか、まあわらわには判らぬのじゃ。

「なんにせよ、中央に向かうことになるまでの期間を大事に過ごすが良いのじゃ」

 その言葉に三人とも頷いておるのじゃ。


 食後の茶を喫しながら今日の予定やお願い事を確認しておくのじゃ。

 忘れぬうちにガントの師匠のおばあちゃん先生も招待したことを伝達しておくのじゃ、あと商業組合から出ることが出来るようならミルケさんに来て貰うよう頼んで貰うのじゃ。

「マード等も招待客になるゆえ商業組合の伝手で給仕をしてくれる人を何人か、事務員さんなぞの素人で構わぬゆえ回してくれるようにも頼んでおいてくりゃれなのじゃ」

「私たちも手伝うよね?」

「神殿の食堂と修道会本部の食堂で同時に配膳するのじゃ。ちょっとばかり手が足りぬの。報酬はちゃんと支払うが、賄いもつけると言うておくのじゃ」

「それ、商業組合の事務員さんたちの間で戦いが起こりそうだよ」

 大人なのじゃからそう酷いことにはならぬのじゃ。


「それはわたくしたちが参りましょうか?」

 部屋付きメイドのレーレッテさんなのじゃ。建てる家のメイドさんとして引き抜く話になっておるゆえその程度のお手伝いを頼むのはありなのじゃろう。無論その分のお手伝いの報酬は出すのじゃがの。

 ついでに家に来るレーレッテさん以外のメイドさんとの顔合わせもやっておくことになったのじゃ。当日は調理も手伝えるところは手伝ってもらおうかの。

「ではそう言うことで頼むのじゃ」

「はい、お任せください」

 その後、三人にやっておいてもらう追加の買い物や下拵えなぞを確認したりお願いしたりしておるとベルゾが宿にやって来たのじゃ。


「おはようございます、マーティエ」

「その場合はの、挨拶も神殿風になるのじゃ。神の光りさす卵の日のはじまりに感謝を。この良き日に諸神の加護あらんことを」

「失礼しました。諸神の加護溢れる良き日に改めてご挨拶を、マーティエ」

「うむ、其方も祈祷を修得することになるととりあえず今は理事と言うことにしておるのじゃが他にも役職をつけるべきであるのじゃ。それも近いうちに考えておかねばならぬのじゃ」

 しかしそれは今度考えるのじゃ。と締めて早速おでかけなのじゃ。

 本日の予定ははベルゾの師匠に紹介してもろうてその後は食事会のための下拵えなぞを修道会本部で進める、となっておるのじゃ。余裕があらば神殿で予備の神像や春の神々の像を確認したり書庫で祈祷書を読んだりとしたきことは多々あるのじゃがどうなるかの。


 今日はちゃんと宿で馬車を準備してもろうたのでモリエ等は安心して別行動へ向かったのじゃ。

「わらわの信用、低すぎであらぬかの」

「日頃の行いですね」

 ストレートな物言いなのじゃ。

 馬車の中では昨日のガントの師匠の話なぞをしたのじゃが、あのおばあちゃん先生を宗匠とした魔術師の流派はこの辺りではかなり勢力が大きい伝統のある派閥なのじゃそうな。

 その割に後ろ盾のないガントを弟子に採ったりとやることには柔軟性があるのはおばあちゃん先生個人の資質なのじゃの。

 そんな話をするうちに今日はベルゾの師匠の館に到着なのじゃ。

 どんな師匠なのか、興味津々なのじゃ。


お読み頂きありがとうございました。

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