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のじゃのじゃ転生譚 ~のじゃ語尾チート少女のあんまり冒険しない冒険者生活  作者: 七井
クラムチャウダーを作ったりポーションについて学んだりするのじゃのじゃ少女
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おばあちゃん先生と食事会への招待なのじゃ

こんにちは。

連休お疲れさまでした!

今日もよろしくお願いします♪

「そう言えば先ほどお仕置きに使っておった魔術なのじゃが」

「ん、どうしたの? ミチカちゃん」

 聞き返してくるおばあちゃん先生に見えるよう先ほど習得した魔法陣を展開するのじゃ。それは魔法陣のみの発動へとなるのじゃが、面白いの。

「ほう、筋力増強的なものと思っておったのじゃが、『掴む力』に限定して強化するのかや。面白い魔術なのじゃ。ではのうて! 魔法陣が明晰であったゆえ見取りが出来てしまったのじゃ」

「えっ、あの一度で? すごいわね!」

「見て盗れることは余り人に言うものであらぬとも言われておるのじゃが、流石に今のは言っておかねば無礼に当たろうと思うたのじゃ」

「見て習得できるならそれは正統な権利で気にしなくても大丈夫よ。簡単に出来ることじゃないけどね」

 そのまましばらく魔法や魔術についての雑談になったのじゃ。


 老リーディンも言っておったが魔法陣を見られることは習得されることもあればそれに到らずとも何を使おうとしておるのかを看破されて対応されてしまうこともあるのじゃ。おばあちゃん先生はああ言う指導の一部ゆえ見やすいように魔法陣を出しておっただけであるのじゃ。

 そう言う実戦的な手法に関しての上達具合を試験されたガントはあまり出来ておらずお小言であったのじゃ。まあガント等は魔法を見破って対応してくるような上位種の魔物と相対した経験自体があらぬのじゃ。

「それ以前に魔法やそれに近い能力を使う魔物の時点で他のパーティと合同で囲んだことしかないですよ」

「身の程を越えた敵に相対しておらぬのは偉いのじゃ」

「そうね。そこは褒めてあげます」

「ありがとうございます」

 少し釈然とせぬ顔で褒められたことに感謝を示しておるのじゃ。


「ミチカちゃんの魔法陣は細部まで綺麗に描けていて見事ね。美しいわ。そして隠す手もちゃんと学んでいるのね」

「どちらも師が良いからの」

 いや、魔法陣はマーリィの宿題を自分で解釈して行った自習であったのじゃ。隠す手は老リーディンに教わったことなのじゃが。

「師と言えば、あたしが錬金術の研究に余り興味ないのはね、あたしに名跡を譲って隠居した師匠が暇に飽かせてやり込んでいたからよ。興味があるなら今度師匠の研究資料をガントに写させるわ」

 ただ、二十年分くらいあるゆえ内容をある程度把握して纏めねば大仕事だろうとのことなのじゃ。そう聞いて思わずガントを見たのじゃが、苦笑気味に頷いておるのじゃ。


「ミチカの希望とは関係なく、私に整理して纏めろと言っているんですよ、これは」

 その答えにおばあちゃん先生はわろうたのじゃ。

「師匠の書き物だと見ずに捨てるわけにも行かないんだわ。よろしく頼むよ。ただね、隠居後の趣味でやってた研究だからどの程度のものだかはわかんないわよ」

 おばあちゃん先生的にはわらわとガントに伝授した治癒ポーションと魔力ポーションができればそれで良い、と言う技術なのじゃ。まあそれも一つの見識なのじゃ。

 わらわも面白いとは思うのじゃが優先度は低いのじゃ。ただまあ工房的なものをガントも使えるように作るとするかの。

「研究をしっかりしてみようと思うたらその時には錬金術師にいろいろと聴いてみるとするのじゃ。その先師の資料も面白そうではあるのじゃが」

「それがいいと思うわ」


 話に一区切りついたゆえ他に話しておくべきことがあらぬか考えるのじゃ。うむ、子ども教室のことがあったのじゃ。

 茶を喫して息を入れて話すのじゃ。

「……。と言うわけでの、孤児の問題がこの城市にはあるのじゃが市民にはあまり見えておらぬのじゃ。その胡散臭い連中への対応としての一手であると同時に問題の周知の一環として冒険者協会で子ども等への読み書き計算の教室を開こうとしておるのじゃ」

「確かにあたしたちには見えていなかったわね。不明を恥じるわ」

 右手を頬にあてておばあちゃん先生は言うておるのじゃ。

「ギルマスが教室の開催に即断で賛成して乗り気だったのは其方にここでの教室のやり方なぞを聞こうと思うておったゆえと見たのじゃ」

「まあ! そうかも知れないわね。でもノーヌートがその気じゃなかったとしてもお手伝いするわ、いいわね、ガント」

「はい、かしこまりました」

「ガントは修道会として、冒険者協会の冒険者として、そしてここの弟子として、で最大人の三倍働くのじゃ」

 赤く塗るのじゃ。

「ええっ、それは流石に」

 ガントの悲鳴にわらわとおばあちゃん先生は笑い声をあげたのじゃ。


「いえ、師匠。ミチカは冗談抜きで普通に五人分ほどの仕事をこなしその倍数で物事を加速させて進めていきます。なのでミチカの基準で冗談で済まない可能性があるんです」

 そ、そんなことはあらぬのじゃ。

「ベルゾさんがまた常人とは一線を画す有能なかたですからね。修道会周辺は軽い気持ちで関わると大変なことになります」

「うむ、ベルゾは有能なのじゃが、己が出来る分余人に厳しいところもあるのじゃ」

「いや人事ひとごとにしないでね」

 誤魔化されんかったのじゃ。残念なのじゃ。

「それはまあ良いのじゃ。ディッサージェ師の手助けが得られればありがたいことなのじゃ。での、急な話になるのじゃが三日後、海の日に神殿で食事会を行うのじゃが招いてもご迷惑にはならぬじゃろうかや」

「まあ! 喜んで行きますよ。お土産をあの子たちに食べられたことを気にしてくれたのね」


「それもあるのじゃが、ギルマスはもう会議に行っておって来ぬが組合長ほか教室に賛同しておるものは概ね顔を出すはずなのじゃ。顔と話を通しておく為の会なのじゃ」

 ただ、孤児問題の裏で動いておる連中対策の荒事部門と祭りの屋台について話す部門とも共同で人がワサワサおるのじゃがの。

 そう説明するとおばあちゃん先生はクスクスとわろうたのじゃ。

「本当に五人分働いているのね。ミチカちゃんは頑張りすぎに注意よ。そしてノーヌートとはたまに会うんだけどバッフォルと会うのは久しぶりで楽しみだわ」

「ではまたその食事会で話すのじゃ。今日は有意義な出会いであったのじゃ、深く感謝を」

「こちらこそ楽しかったわ。噂の料理を楽しみにしているわね」

「どういう噂かは気になるのじゃが、わらわは常に噂を追い越すのを目標としておるのじゃ。わらわは馬車から降りずに宿に戻るゆえガントはここで錬成の陣を写したり資料の整理をしたりと働いていくが良いのじゃ」


 ガントはわらわを一人で帰すことに難色を示したのじゃが、御者の人に宿に直帰することを約してもらい帰還となったのじゃ。わらわの前で話した以上に話すことはあるであろうしの。

 今日もなかなかに有意義な日であったのじゃ。


お読み頂きありがとうございました。

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