表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
のじゃのじゃ転生譚 ~のじゃ語尾チート少女のあんまり冒険しない冒険者生活  作者: 七井
クラムチャウダーを作ったりポーションについて学んだりするのじゃのじゃ少女
183/247

おばあちゃん先生なのじゃ

こんにち令和(挨拶

新元号時代もよろしくお願いします。

ちょっと短いです。申し訳ない!

「あらまあ、ガント! 小さい子をつれてきたわね。この子が噂のミチカちゃん? かわいいわね」

「師匠、落ち着いてください! ミチカがびっくりしてます。紹介しますから!」

 なんというか、きゃっきゃとはしゃいでおる元気の良いおばあちゃんなのじゃ。調合師の婆さまは魔女っぽい老婆であったのじゃがこちらは品の良い老婦人という外見のおばあちゃんなのじゃ。

 ただ元気よくはしゃいでおるゆえ品の良さより騒がしさが先に出ておるのじゃ。ガントの師匠として予想外のキャラクターなのじゃが、ガントの当たりは柔らかく雪の椿のもの等に対するときのような身内相手の顔をしておるのじゃ。

 玄関に主人が出てくるのにも意表を突かれたのじゃが、いろいろと面白そうな人間ではあるようなのじゃ。


「ほんと、小さくて可愛いわね。ふふ、あたしがガントの師匠のディッサージェ=クルケラですよ。よろしくね、噂のミチカちゃん」

 小さいと言われても別段わらわは立腹せぬのじゃ。仮縫いの日に背が伸びておることが確認されたのじゃからの、今に見ておればよいのじゃ。

「今日の出会いを剣の神に感謝し、其方に諸神の加護あらんことを祈るのじゃ。わらわが可愛いのは無論のことなのじゃが、噂とはなんなのじゃ」

 一体其方はどんな噂をしておるのじゃとガントを睨むのじゃが、ガントめは首を振りながら否定しておるのじゃ。

「ガントから聞いたのは生活魔法のこととガントが修道会というのに属して勉強するって話だけよ。他からいろいろ聞こえてくるんですけどね」

 そう言うてディッサージェは含み笑いをしたのじゃ。ちとどんな噂が流れておるのか気になるのじゃ。


「まあそれはあとでね。来てもらって悪いんだけど、教室が後半刻で終わるから待ってもらっていいかしら。ガントを案内に見て回ってもらって構わないから」

 今は弟子に任せて出てきておるゆえ戻らねばならぬのじゃそうな。

「その申し出も心惹かれるのじゃが、折角ゆえ教室を見学して行きたいのじゃ」

「あら、変わってるわね。いいわよ、じゃあガントはミチカちゃんの案内じゃなくて手伝って行ってね。魔術の教室の方を頼むわ、あたしは子どもたちのほうにいるから!」

「え! はい、わかりました。冬の生徒さんですね」

「そう言うことー。よろしくね」

 いきなり仕事を押しつけられたガントと一緒に建物の中にお邪魔なのじゃ。建物は学校的な雰囲気があるのじゃ、極めて小さいのじゃがの。


 小学校の教室程度の広さの部屋が二つ並んでおり、奥の部屋にガントは急いで入っていったのじゃ。手前の部屋からは子ども等の騒がしい声が聞こえるゆえ、こちらが子ども教室なのじゃ。教室を繋ぐ廊下の板戸が今は明かり採りのために開けられており校庭、ではのうて木製の的なぞが据えられた魔術の教練場に面しておるのがわかるのじゃ。

 無論教室二部屋だけの建物ではのうて奥にも扉があるのじゃ。おそらく教師役のものの控え室、この場合は職員室と呼びとうなるのじゃ、そのほか外から見て二階があるのも分かっておるのじゃ。

「ディッサージェ師やお弟子さんがたはここで暮らしておるのかや」

「いや、ここじゃなくて裏にあたしの家と弟子の寮があるよ。弟子への指導はここじゃなくてそっちでやるんだよー」

 ふむ、本当に学校のための施設なのじゃ。


 ディッサージェに続いて入った手前の教室には二十名ほどの子どもがおって、それを十四五歳の見習いなのか見習いを脱したのかという程度の少女が必死に騒がないように言っておるのじゃ。この少女がわらわ等を迎えるためにディッサージェが玄関に来る間ここを任された弟子であるのじゃ。

「おばあちゃん先生おかえりー」

「その子誰ー?」

「その子の服、派手っ!」

「誰がばあちゃんだいっ! 静かにおし!」

 わらわが共に入室したことで更に騒がしくなりかけた教室を一喝で静かにしたのじゃ。流石なのじゃ。

 敬意を込めてわらわもおばあちゃん先生と呼ぶのじゃ。


「ミチカは生徒じゃなくて見学の人だから気にしないでおおき。まあスナエと一緒に手伝ってもらうことはあるがね」

 弟子の子はスナエ先生じゃな。なにやらお手伝いの人数に入っておるのは気にせぬのじゃ。ツッコむのも面倒という奴なのじゃ。

 ふむ、小さい子からそこそこ大きい子までおるゆえ全体に対する授業では行かぬのじゃな。それぞれに課題を出して小グループごとに説明してやったり課題の進行状態を確認して質問に答えてやったりとくるくると教室中を動き回りながら教えておるのじゃ。

 あまり大きい子どもがおらぬのは家の仕事なぞで戦力になるからであろうの、つまり本格的な冬ごもり前の仕事から子守を省いておきたい親の思惑があるのじゃ。託児所だとかそれに近いのやも知れぬの。

 なんにせよ冒険者協会でやる予定の教室の参考になるのじゃ。もう既に来た甲斐があったのじゃ。



お読み頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ