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のじゃのじゃ転生譚 ~のじゃ語尾チート少女のあんまり冒険しない冒険者生活  作者: 七井
仮縫いに行ったり遊戯に興じたりするのじゃのじゃ少女
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材木問屋のご隠居さんを訪ねるのじゃ

こんにちは。

ちょっと毎日更新が怪しくなってきました。

可能な限り頑張りますが、ダメなときはダメなのでその時はご報告します。

「家具とか調度って当てはあるの?」

「材木問屋のおじさんに訊くのじゃ。仕事柄良い木材を扱っておる職人や店を知っておるはずなのじゃ」

 燻製用のチップを注文した初老のおじさんのことなのじゃ。一応建材の発注先も知っておるところ、と言うことでおじさんの所を指名しておるのじゃ。

 それを恩義に思うておれば紹介位してくれるであろう、と言う気軽さで先ずは材木置き場へ向かうのじゃ。

 一応エインさん繋がりの木工細工師の工房の伝手はあるのじゃが、あそこは今碁盤やクロックノールを必死に作っておるはずであるから無理なのじゃ。おそらくずっと、そうずっと無理なのじゃ。強く生きて欲しいと思う程なのじゃ。


「と言うわけなのじゃ」

「いきなりどんな訳だい」

 相変わらずパイプを吹かしておったおじさんにそんなツッコミの返しを受けたのじゃ。

「あー、商業組合から建材の注文が来てたのは嬢ちゃん絡みなんだろ。ありがとよ」

 おじさんはニヤリと笑って言葉を続けたのじゃ。

「商業組合から直接の依頼なんて滅多にねえから店の仕事を任せてる息子からやっぱ親父はすごい、なんて目で見られて困ったぜ。俺も何でそんな注文が来たのかわかんなかったからな。でまあ横目で発注書を見たら鋸屑を売れなんて言ってきたお嬢ちゃんだったわけだ」

「ほう。息子さんに尊敬されて良かったのじゃ」

 思わぬ効果なのじゃ。そう笑うとおじさんは苦笑したのじゃ。

「いや、息子の嫁がよ。息子に仕事を大体譲って隠居になったらすげえ扱いがぞんざいになる訳よ、これが。いや仕事を譲るの早まったかね、そう思ったもんさ。とまあ家庭の愚痴はここまでにして、今日は何の用だい」

 言いながらも笑みを含んでおるゆえおそらくは言うほど家庭内の扱いは悪くないのじゃ。


「ああ、来るとき思っておったのとは別件なのじゃが頼んでおる建材の量を少しばかり増やしてもらおうかの」

「家一軒には充分すぎる量の注文を受けてるが大丈夫かい」

「倉庫の中に幾つか作るものがあるのじゃ。ゆえに心配は無用なのじゃ。そして今日の用件はの、材木問屋はよい家具や調度を扱っておる店を知っておるのではないかの、と思ったのじゃ。あるいは指物師だか職人だかじゃの」

 わらわがそう言うとおじさんは腕を組んで少し考えるのじゃ。

「うちの取引先だと船の内装のほうが専門の工房なんかになるがそれで良いなら紹介するが」

「ふむ、そう言えば内装を余り考えておらなんだのじゃ。船の内装をやるのであらば家も出来るであろうし紹介願おうかの。まあ他のものと相談せねばならぬし箱が出来てからのことになるのじゃが」


 腰壁を巡らせたり階段の手すりや扉なぞを細工を入れたものにしたりと言った予定を考えてそのための木材も取り置いてもらうことにしたのじゃ。輸入材で割高なのじゃがローズウッドの良いものがあると言われてそれにしたのじゃ。商売上手よの。

「ではよろしく頼むのじゃ」

「おう、ちゃんと連れて行くぜ」

 建築の日に工房の長を連れてきてくれることになったのじゃ。家具は作り付け方式で作るか個別にするかはそれぞれと相談なのじゃ。

 資材の追加発注をしたことや内装の職人はこちらで差配したことをミルケさんに伝えておかねばならぬの。


「内装にローズウッドを使うとして、其方等の家具もローズウッドで作るかや。マホガニーも在庫があると言うておったのじゃが」

 材木置き場を出て、双子等が建設予定地を見てみたいというのを受けてそちらへ寄り道することにしたのじゃ。そして歩きながら話すのも部屋や家具のことになるのじゃ。

「先ず材木に種類があることが解らないよ!」

「薪に向いてる向いてないなら解るけどね」

「私は弓や矢柄に使う木とかを選ぶから違いがあることは解るけど」

 そこからであったのじゃ。

「わらわの宿の部屋の調度はマホガニーが多かったかの。まあものを見かけたときに説明するのじゃ」

「正直、解らないから一番安いのでいいんだけど」

「解らぬ時は良いものを使うほうが良いのじゃ」


 他希望も聞いておいたのじゃ。

「あたしは部屋はどうでも良いけど自分の寝台が欲しいな。二段とか三段じゃない奴」

「私は弓とか罠の道具とかを広げて作業したいんだ。だから広い机が欲しいかな」

 今まで宿暮らしであったゆえ荷物も少ないのじゃな。希望はそう多くないのじゃ。

 これはこっちが勝手にワードローブなぞは設置しておく必要があるのじゃ。そんなことを考えつつ建築予定地に着いたのじゃ。


「ひろーい」

「でかーい」

 まあちょっとした体育館くらいのサイズの倉庫とそれと同じだけの広さの空き地じゃからの。

「建築の日にまとめて魔力を使うより、今やれる分はやっておこうかの」

「ん、なにするの?」

「先ずは倉庫の壁の焼けを<洗浄>なのじゃ」

 <洗浄>の水球を平たく壁に当ててつるっと洗うのじゃ。ぱっと見は大丈夫そうなのじゃが、少し補修しておきたいゆえ<地回操循>で土や石に干渉するのじゃ。相変わらず魔力の消費が大きいのじゃ。

 <操地>を神殿書庫で修得してはおるのじゃが<操地>は土には良いのじゃが石には効きが悪いようなのじゃ。あくまで<掘土><埋土>の延長と言うことであろうの。

 石組みに歪みのある部分を丁寧に正しつつ補強していったゆえ建ったときより良い建築になったのではないかの。ちょっとした自信作なのじゃ。


 家と渡り廊下で結ぶ予定の入り口を穿ってしかし開けっ放しでは不用心ということで石を積んで塞いだりと言う無駄な手間も掛けたのじゃが効果時間が残っておるゆえついでに空き地の整理もしておくのじゃ。

 走り回っておった双子等を倉庫側に引き上げさせ、焼け跡の瓦礫の撤去なのじゃ。端に寄せて積んでおけば良いかの。

 地中に埋まっておった基礎部分で使えそうなものは分けて、なぞと行っておると気になる手触りがあったのじゃ。手触りとは言うても魔力の流れにかかった、と言う意味なのじゃ。そこそこ深い部分に石の構造物が埋まっておるのじゃ。

「何か埋まっておるのじゃ」

「何かって、なに?」

「まあ地上に出して見ねばわらわにも解らぬのじゃ」

 埋めたまま放置するのも後で気になることになるゆえ、そう言うたまま地上へと引き出すことにしたのじゃ。


 そして、もぞもぞと土を割り地上に現れてきたのは人が入るほどの大きさの石の櫃であったのじゃ。

お読みいただきありがとうございました。

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