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のじゃのじゃ転生譚 ~のじゃ語尾チート少女のあんまり冒険しない冒険者生活  作者: 七井
仮縫いに行ったり遊戯に興じたりするのじゃのじゃ少女
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新しい家に必要なものはメイドさんなのじゃ

こんにちは。

今日もよろしくお願いします。

 カレーの完成を見た翌朝、わらわは朝餉前に早朝のロードワークに出ようと思ったのじゃがその前にモリエがやって来たのじゃ。

「朝ご飯の前に走りに行ってるってメイドさんから聞いた」

 どうやら話に出た住み込みの護衛の仕事を前倒しで行うつもりのようなのじゃ。ありがたいのじゃが過保護なのじゃ。

 そしてモリエはわかるのじゃが、の。

「おはよー、ミチカ」

「ミチカちゃん、おはよー」

 サーデとマーセの双子もやって来ておるのじゃ。


「あの子たちに姉御風を吹かそうとしたらオルンに追い出された!」

「自分は兄貴風吹かしてるのに!」

 うむ、実に正しい判断なのじゃ。

「まあオルンは実際兄なのじゃ」

「けどモリエはあんまり兄貴風を吹かさせてやらないよね」

「あたしたちは兄ちゃんにビュービュー吹かさせてやってるのにねー」

 妹界ではどちらにも需要がありそうゆえどうでも良いのじゃ。

「それはまあどうでもよくて。仮縫いの日だからどっか行っちゃわないよう連れてきた」

「なるほどなのじゃ」


「それも! どうでもよくて!」

「いやどうでも良くはないのじゃ」

「建てる家で住まないかって話を聞いたよ。住み込み護衛とか任せて!」

 テンションの高さの理由が分かったのじゃ。

「兄さんとガンはミチカから恩義ばかり受けてるって悩んでたけど、ガンは修道会のお仕事で使いたいし倉庫にいた子供たちとか兄さん任せにするつもりだよね」

「流石にモリエはよう解っておるの。そしてモリエには調理関係で存分に働いてもらおうと思っておるのじゃ」

 そこで双子等が異口同音に言うたのじゃ。

「あたしたちにもお仕事をー!」

「それで護衛は任せろと言うておったのじゃな」

 納得なのじゃ。


「護衛なり様々なお手伝いなりやってもらうことは多々あるゆえ心配無用なのじゃ。むしろ働かせられすぎぬよう気にした方がよいと思うのじゃ」

 そうわろうて、三人と共に走りに出たのじゃ。

 走り込むこと自体は冒険者協会の訓練場で行われる講習のようなものでも言われるのじゃそうなのじゃが、ストレッチなぞは余りせぬ様なのじゃ。したほうが良いと思うのじゃがの。

 緩急をつけたり後ろ走りをしたり、ちょっとシャドーを織り交ぜたりとロードワークにいろいろと組み込んであるのが面白いようで双子等は興味津々だったのじゃ。

「走るだけで面白かったよ、ミチカ」

「ミチカちゃんのやることは驚きに溢れてる」

 そうやってひとっ走りした後に朝餉なのじゃ。三人は自分等の宿で食べて来たそうなのじゃがここで二度目の朝食を摂るつもりなのじゃ。成長期なのじゃ。


「商業組合からお届け物がございますよ」

 朝餉の席に着くとメイドさんがまずそう教えてくれたのじゃ。木札を束ねたものと書状のようなのじゃが、おそらくは建物の図面なのじゃ。ミルケさんは仕事が速いのじゃ。

 食後に見ることとして普段より少し賑やかな朝餉なのじゃ。こう言うのも良いのじゃ。

「二人はそれぞれの部屋と一緒の部屋のどちらが良いのかえ」

「悩むね! どっちも捨てがたい」

「あたしは一人部屋がいい!」

「え、マーセひどくない?」

「どちらにせよオルンやガントとも話さねばならぬしの」

 間取りや部屋割りの話なぞをしつつ朝餉を終えたのじゃ。


 部屋で落ち着いて食後の茶をしつつ確認するとやはり商業組合からの届け物は建物の図面であったのじゃ。そして書状によると三日後には大工の手配がつくとのことなのじゃ。早いのう。いやさ、一日のみの仕事であるゆえ一番早い空いておる日を押さえただけじゃの。その日が駄目なら十五日後と書いてあったのじゃ。

 うむ、三日後で頼む旨返信をしたためておくのじゃ。

 図面のほうはミルケさんが気を使ってくれたらしゅうて何種類か準備してくれておるのじゃ。

 モリエ等と一緒にわいわい言いながら考えるのじゃ。

 倉庫が想像しておったより大きかったことも併せてわらわもいろいろ考える部分はありそうなのじゃ。しかしまあちょっとワクワクするのじゃ。


「家具や調度の類もある程度あがなわねばならぬのじゃ。なにが必要となるかの」

 いろいろな調度が揃った宿の室内をぐるっと見回すのじゃ。部屋付きのメイドさんと目があったのじゃ。そしてメイドさんがにっこりと笑んで曰く、なのじゃ。

「先ずメイドが必要ですね。そのお屋敷でしたら何とか一名でも回りますが出来れば三名欲しいです。力仕事をしてもらうのは護衛のかたに手伝ってもらうので従僕を他に雇う必要はないでしょう」

「えーっと、其方を引き抜くと宿が困るのではないかの」

「家政婦匠合からの推薦でちゃんとした後任が来ますので問題ありません」

 わらわが家政婦匠合から紹介を受ければいいだけな気もするのじゃが、それを言う勇気はないのじゃ。

 こうしてまだ建っておらぬ家の家付きメイドさんが決まったのじゃ。ちなみにメイドさんの名前はレーレッテさんなのじゃ。他二名はレーレッテさんに任せたのじゃ。


 図面にはだいたいメイド部屋が入っておるのじゃな。それを確認してレーレッテさんの要望を入れておかねばの。

 そう言う話も行って、あとはお出かけなのじゃ。

 家具や調度を軽く見て回った後に仮縫い、そして夕方からはジーダル等の宿で盤上遊戯と言う予定で間違いはないのじゃ。

お読みいただきありがとうございました。

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