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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
外伝『アーリーデイズ』
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外伝『アーリーデイズ』(6)

「ござるぅーござるぅー」


 俺の部屋で金髪の幼女がテレビを見てはしゃいでいる。どうやらこの子は『アヤメ』という名前で今年から小学生らしい。

 時代劇が大好きで、今はテレビの『暴れん坊ハゲさん』に夢中だ。


 そして俺と美少女はというと……。


「…………」


「…………」


 テーブルを挟んで互いに向き合って座っていた。俺ら2人の顔には絶望の感情が強く出ていて、レイプ目というやつを仲良くしてる。


 もうなんか……ハードなレイプもののエロ本が妹に見つかった気分だ。もう『やってしまった……取り返せない』……という心境だ。


 こうして座ってるだけで罪悪感がふつふつとわいてくる。


「…………えっと、キミ、どうするつもり?」


「どうするも何もなぁ……」


 美少女が遠慮がちに視線を向けてくる。どうやら美少女は責任を感じているようだ……まあ、実際半分ぐらいはこいつの責任だしな……。


「あはは……ごめんね。勝手に安請け合いしちゃって……」


 いつも明るいが今はおとなしい……なんか変な感じだな。はぁ、気持ち悪いしフォローはしておくか……。


「いいって、放っておけないだろ……」


 この子の母親……さっき会った風俗嬢みたいな人、まあソープさんでいいか。ソープさんの話いわく――。


   ◇◇◇


『私……隣の部屋に住んでる者なんですが……これからすぐに国に帰らなければいけないんです。それで……『事情』があってこの子を連れていくわけにはいかないんです。でも……頼れる人が居なくて……2週間この子を預かってください。お願いします』


   ◇◇◇


 いろいろ……犯罪臭がする話だ……。というか俺となりにソープさんが住んでるなんて知らなかったんだけどな……と、思ったがつい昨日越してきたらしい。そりゃ知らんわ。


 そんなギャグみたいな話だが、本人は本気で困っているらしく、何度も何度も頭を下げてきた。

 だが……俺も見ず知らずの他人のこんな話を信じるほど世間知らずではない。


 正直に言えばどう断ろうか必死に考えていた……しかし、一連の話を聞いた美少女が……。


『うん! 任せて! この子に寂しい想いなんて絶対にさせないからっ!』


 とっ、言って……勝手に引き受ける方向に話を持っていこうとした。


 当然俺は反発しようとしていたんだけど……美少女の目には強い意志を感じた。アヤメのことで思うことがあるのかもしれない……。

 こうなると……NOとは言えない日本人の本領を発揮してしまった……。


「はぁ……私はいいんだけど……キミに迷惑がかかるのはなぁ……」


「まあ、大丈夫だろ……身元とかも調べたし」


 俺は引き受けることを決めたら、すぐに大家さんのお姉さんと会った。

 ソープさんはこの話を持ちかけることを事前に大家さんに相談していたらしく、大家さんからも預かってほしいと頼まれた。


 大家さんいわく……『私これから旅行に行くから留守にするのよ。ハワイよハワイ。だからお願いねっ』だそうだ。


 はぁ……世知辛い世の中だ……ワンチャン大家さんが預かってくれるかも……とか期待していたけどな……高校生に子供を預けていいのかよ……普通はしないだろ。

 あの大家さん超適当だしな……高校生の1人暮らしも適当に引き受けてたくれたし……。まあ、気にしてもしょうがない。


 大家さんとソープさんは中学校の同級生らしく、付き合いは15年らしい。その大家さんいわくソープさんは信用できる人らしいからな……それを信じよう。


「まあ……居候がもう1人増えたところで……変わらないだろ」


 俺は嫌な考えを捨て明るい気持ちで呟く。


「そっか……。くすっ、キミって将来悪い女に騙されそうだよね……」


「……うるせえな。今騙される最中だよ。まったく」


「くすっ、そうだね」


 美少女は何が面白いのかくすくすと可愛らしく笑ってる。なんか当事者としては釈然としないが……今はこれからのことを決めないとな。


「さて、問題はこの金をどうするか……」


 俺はテーブルに置いた封筒を腕を組みながら睨みつける。これはソープさんから貰った謝礼だ。こっちとしては若干厄介の種になりそうだったので、断りたかったかが、大家さんにも後押しされる形で仕方なく受け取った。


 金額にして50万円。どいつもこいつも高校生にホイホイ金を渡し過ぎだろ……。


「むう、私からのお金は受け取ってくれなかったのにぃ……」


「変なところで張り合うなよ……この場合受け取らなかった方が信頼度が高い」


「え、、へぇー、そうなんだ……えへへ」


 こいつ意外にちょろいな……。

 まあ、とりあえず使わずにとっておいて、アヤメを引き取りにきた時に無理やりにでも返そう……はぁ。


(なんかたった1日で同居人が2人も増えるとは思ってもいなかったな……たくっ)


 心中で悪態を吐くが、不思議とそこまで悪い気分ではない。それどころか、こんなトンデモ状況なのにこれからの生活を少しだけ楽しみにしている自分がいた……。

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