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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第1章『実りあるもの』
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母への想い(8)

「あきなちゃん、おいしいい!!」


「ふふっ、慌てて食べるとのどに詰まらせちゃいますよぉ?」


「そうそう、夢ちゃんの料理は逃げないからね~」


 夢野家ではリビングで和やかに食事が進められていた。

 絆はテーブルに並べられた多くの料理に大興奮していて、それを実花と明菜が微笑ましく見ている。


「夢ちゃん、一つ聞きたいんだけど」


 唐揚げをもぐもぐしながら実花は明菜が座っている位置の後ろに置かれているカメラや照明に視線を止めた。


 その機器はどれも大型で素人が使うには仰々しく、のほほんとしている明菜には似合わないものだ。


「そのカメラとか何? 前はなかったよね。もぐもぐ」


「あっ……こ、これは、友達のものを預かってるの」


「ふーん、そうなんだ。あっ! この角煮美味しい!」


「えっ、きずなもたべるうう」


(はぁ、バレずに済んだかな……余計な心配かけたくないしね……)


 明菜は話題が逸れたことに安堵しつつ、ぼっーと姉妹のように仲良く食事をする実花と絆を見る。


 ちなみに……明菜は絆と実花の関係を含めた事情を知らない。ただ……実花が『友達のきずなんと一緒に泊めて!』と、お願いしてきた時に、珍しく真剣な目だったので、引き受けることにしたのだった……。


(でも……小さい子を預かるわけだから親御さんには連絡した方がいいよね? 後で実花ちゃんに聞いてみようかな――)


 そう考えていると――。


『ふざけないで!!!!』


 突如隣の義孝の部屋から明菜が聞いたことがない女性の怒鳴り声が聞こえてきた。

 外の大きな雨音にも関わらず声が聞こえてくるということは、よほど大きな声を出しているのだろう。

 しかも女性の声には怒りの感情が滲みているように感じた。


 そして、その声に反応するように絆が戸惑った表情でびくっと反応する。


「ま、まあま……?」


「えっ? この声絆ちゃんのママなの?」


「う、うん……」


 絆は母親に後ろ暗いことがあるのか、落ち込んだ様子でうつむいてしまう。

 そんな様子を見て明菜は現状がわからず、戸惑いの感情が強くなる。


(えっと……川島さんの家に絆ちゃんのお母さんがいる……えっとぉ……ということは絆ちゃんを連れて行った方がいいのかなぁ……で、でも喧嘩してるみたいだし……)


 もう雨音にかき消されたためか声は聞こえてこなかった。

 ここで明菜はすべての事情をわかっていそうな実花に視線を送る。

 実花はさすがに明菜に迷惑をかけている自覚はあるのか、気まずそうに苦笑いをした。


「あはは……、ごめんね夢ちゃん。でも、言い合いが始まったってことはすぐに『終わる』と思うから」


「えっ? それってどういうことぉ?」


「うん。病的なまでに父親が大好きな未来ちゃんと父親なんていらないと思ってる由衣ちゃんの相性は最悪だと思う……ってことかな」


 実花の申し訳なさそうな言葉……それを聞いてますます現状がわからなくなる。

 唯一わかるのは隣で未来と絆の母親が喧嘩していることだけだ。

 それなら――。


「それなら早く止めなくちゃ」


 明菜は慌てて部屋を出て行こうとするが、それを実花がやんわりと止める。


「大丈夫、確かにふたりの相性は最悪で、ほっとけば殴り合いにも発展しかねないけど……それでも、ふたりのそばにはスーパー超絶ヒーローのパパがいるんだもん」


 実花は笑顔を浮かべる。その顔は父親を……家族を信頼している笑みだ。明菜は直感でそうなのだと悟った。


 明菜が持っていない『信頼関係』が確かにそこにはあった。


「それに部外者の私たちが行ったら余計話がこじれそうだし」


「そっか……そうだよね……」


(やっぱりかなわないなぁ……)


「まあまはきずなのこときらいなのかな……?」


 明菜は母親との関係に怯えている絆をそっと抱きしめた。

 絆は少し戸惑うもののそれをすぐに受け入れて、ぎゅっと明菜にすがりつく。


 情けないが事情はよくわからない――でも不思議と今の明菜の胸中から不安はなくなっていた。

キャラインタビュー


『罪が一つ許されるとしたら?』

川島義孝「そりゃお前……リアル痴漢に決まってるだろ!!!! こらっ!!!」(開き直り)

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