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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第1章『実りあるもの』
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母への想い(7)


 俺と音無さんは再び正座をしていた……ふたりとももう視線を合わせずに、気まずそうにうつむいている。

 なんかもう親に無理やり連れてこられたお見合いみたいだ……むちゃくちゃ気まずい。音無さんは絆ちゃんの件と今おっさんの家にいるというダブルパンチで妙にそわそわしてる。


 そして極めつけが、俺の後ろで従者の如く佇んでいる未来様だ。

 なぜか頑なに喋ろうとしない。お前も座れや。……今の状況に怒っているような雰囲気だ……えっと……パパが若い女の人を連れ込んだからでしょうか……?


 仕方ないだろう。不可抗力だ……音無さんの家は遠いっていうし、この台風の中ほっぽり出せないだろ……。


「…………」


「…………」


「…………」


 でも、この空気はつらい……3人が3人、一言も喋らない……どうしよう……会話がない……初めて行ったソープでも、もう少し会話が盛り上がるぞ。

 まあ、あれは会話も値段のうちだからな……会話しなきゃ、という無駄な使命感があふれてくるし。

 

 ん? 待てよ考えようによっては美人が俺の家に来るなんてデリヘルぐらいのことだ。この前夢野さんが来た気がするけど……それでも珍しいことは変わりない。


 ならばこのスリリングな状況を楽しんでこそアダルティな大人なんじゃないか……?


「音無さん、そんなに固くならないでくつろいでくれ」


「はい……ありがとうございます」


「そんなに緊張しないでいいって、俺は優しくするし、それに嫌がることはしないから……本番させろとも言わないし」


 待て、これじゃあ……本当に新人デリヘル嬢に本番ができるか、探りを入れてる変態みたいじゃないか……。


「お父さん……黙った方がいいと思います」


 はい……娘に冷ややかな視線が全てをものがっていた……俺そんな気持ち悪かったですか……? そうですか……。


 そんな未来の言葉に音無さんがピクッと反応する。「この気まずい流れを乗り切るにはこのビックウェーブに乗るしかねぇ!」という意図を感じる。


「店長……そこのペンケースってオナホールですよね……なんでそんな物を堂々と飾っているんですか……? それに本棚にAVが綺麗に並べてあるし。とてもじゃないですけど。娘がいるとは思えませんね……」


「おい。てめぇ、ここぞというばかりに饒舌になりやがったな」


 俺の名誉のために言っておくと、これは実花が『掃除!』と言いながら勝手にしたことだ。なんかツッコむのが嫌だから放置してたんだけど……。


 とっ……心の中で思っていると、再び音無さんのテンションが急降下していく……。


「そうですよね……私みたいな娘の気持ちがわからない出来損ないの母親に言われたくないですよね……私よりも店長の方が素敵な父親ですよね……はぁ」


「…………」


 なんだこのうじうじした生物は……。こういっちゃなんだけど態度くっそめんどくせぇ。

 明らかに音無さんの周囲だけ、空気がさらに重い。台風じゃなきゃ追い出してるレベルだ。メンタル弱すぎる……。

 

「はぁ……店長より私の方が下……風俗通いで女子校生の娘がいるのに部屋に女子校生もののAVを飾ってる店長よりも……私の方が……はぁ」


「おい! 言いたいことがあるならはっきり言えや!」


 こいつ1周まわって俺のこと馬鹿にしてるだろ……たくっ、たかだか娘が1回家出したぐらいでうじうじしやがって。

 俺だって立場は同じだっての。というか娘が誘拐までしてるんだから、俺の方が数倍やばい。


 そうだよ。そうなんだよな…………絆ちゃんにもし何かあったら俺が社会的な責任を取らなきゃいけないんだよな……大人って辛い……。

 たくっ、友達の家ってどこにあるんだよ。今すぐのりこみたい。


「………はぁ」


「………はぁ」


 俺たちは仲良くため息を吐く。もう疲れた。音無さんには悪いけど、酒でも飲もう……立ち上がり冷蔵庫に向かい缶ビールを取り出した。


 その様子を興味深そうに見ていた音無さんが声をかけてきた。


「あの……お酒飲むんですか……?」


「ああ、悪いけど飲まないとやってられない。お前も何か飲むか? 実花が大事に隠してる白いコーラをやるぞ?」


 このぐらいは実花への復讐としていいだろう。

 しかし、音無さんの視線は俺が手に持っているビールから離れない。


「私もそれ飲んだらだめですか……?」


「ガキが何言ってやがる。酒に逃げるなんて2年はええよ」


「……ケチ」


 いじけてんじゃねぇよ。今のはちょっと可愛いじゃねぇか……。


「由衣さん……」


 その時、今まで沈黙守り続けていた我が従者が口を開いた。

 いつもの無表情……ん? だけど……やっぱり少し怒ってるか? ぱっと見はわからないが……いい加減付き合いも長くなってきたので、なんとなく感情がわかるようになってきたな……。


「未来さん、どうしたの?」


「少し聞きたいことがあります」


 未来がそう切り出す……めんどくさいことにならなきゃいいけどなぁ……。


キャラインタビュー

『罪が一つ許されるとしたら?』


絆「まあまのほっとけーきをまいにちたべたーい!!」(元気)

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