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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第1章『実りあるもの』
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母への想い(2)

 世の中はままならないものである……。

 竜胆実花はそう考えていた……。


「うぅ……ぐすん……」


 家の近くの公園の敷地内にあるベンチで実花は涙を流していた。

 正直実花は自分がここまでショックを受けているのが不思議だった……父親と妹の明らかに情事の最中に出くわしたとしても、少し前までなら小粋なジョークを挟んで、その場で服を脱ぎ捨てて裸で飛び込んでいただろう……


 しかし、実際あのような場面に出くわして強く持った感情は『寂しさ』だった。

 そしてつい……逃げ出してしまった……。


「はぁ……、私って結構パパと未来ちゃんに依存してるんだなぁ……」


 曇り空を見つめる。

 なんだかアンニュイな気分になる……それがかっこいいと思う厨二な実花。


(……もう家出飽きてきたな……帰ろうかな。パパと未来ちゃんの顔見たいし……)


 家出して15分でもう帰る気満々だ……実花は以前に義孝から貰った腕時計を、付けていない手で優しく撫でた。それだけで笑みがあふれてくる……。


 実花はあのような場面に出くわしても、決してふたりのことを嫌いになったわけではなかった。むしろ、未来と義孝が仲がいいのはとても嬉しくもあるし、ふたりのことは世界で1番大好きだ。

 ……ただ、自分が蚊帳の外なのが面白くないだけで……。


「むぅ……パパの性格なら、落ち込んで見せれば慰めてくれるはずだから、それで……ん? あれは……」


『ぐすん、わああああああああああああああんんんん』


 その時公園に3、4歳ぐらいの幼女が泣きながら入ってくる。

 幼女は荷物等は何も持っておらず、可愛らしい緑のワンピースを着用していて、涙があふれる目をこすりながらトボトボ歩いていた……。


 そして……実花はその幼女に見覚えがあった。


「ん……? 絆ちゃん?」


 音無絆。

 父親の同僚の娘で、実花は何度か食堂で会い、遊んだことがある仲だ。


「えっ。わっ! みかおねえちゃんだあああ! よかったあああああああああ」


 絆は実花がこの場にいたことがよほど嬉しいのか、たったったっと走って、実花に抱きついた。

 ぷるぷると身体を震わせていた……よほど寂しい想いをしたのだろう……。

 実花は近くを見渡すが、母親の由衣はいない……それどころか、台風が近づいているせいか出歩いている人すら見当たらない。


「よーし、よーし、きずなん、どーしたの? ママはいないの?」


 実花はしゃがんで絆と視線を合わせて優しく訊く。絆は実花の顔を見て少し安心したのか、涙をこらえながら口を開いた。


「まあまいない……うぅ、きずな、ぱあぱにあいにいくの……うああああああ」



   ◇◇◇


 その頃、川島家では――。


「お、お父さん……そ、そろそろ許してもらえませんか? わ、私、これ以上は……」


「つーん……」


 俺はリビングの中央であおむけに寝転がりながら、スマホをポチポチと操作して風俗サイト巡りに興じていた。

 ちなみに未来は無表情で謝罪の言葉を口にしながら俺の周りでうろうろしている。絵面はただのホラーだ。

 さらにちなみに未来はあれから制服に着替えたので、うろうろするたびにパンツが丸見えだ。いい眺めだ。


 それで未来がこんな奇行にはしっている原因は「怒ったので。しばらく口を聞きません」っと宣言したのが原因だ。


 もうどっちが子供だがわからない状況だが、俺は手段を選ばない男だ。

 寂しがり屋のこいつにはこれが一番効果的だし。現にシカトして15分でこいつのライフは0だ。

 あと5分も放っておけばわんわん泣くかもしれない。


「うぅ……お、お父さん……もうあんなことしませんから……明日までは」


 こいつ本当に反省してるのか……? 明日には忘れるって三日坊主よりもひでぇ。

 まあ……正直これ以上はかわいそう……というか俺が罪悪感に耐えられない。


 実花も探しに行かないといけないしな。まあ、どうせそろそろ家出に飽きて自分で帰ってくると思うけどな。


『ピピピピピピ』


 その時、俺のスマホが鳴り始めた。


(着信者名は……音無さん? ん? 仕事か?)


 休みの間に来た電話は仕事だと決めつけるとは、俺もまだ社畜感が抜けていない。

 でも……何の用だ……? 音無さんは先週からうちの現場で働いてもらってるから、仲は良くなっているけど……まだ電話をするほど仲が良くないはずだけど……。

 こないだのデートでのセクハラが糾弾されるのか?


 ここはあえてセクハラをして先制攻撃をするべきか……。そうだな。うん。その方が面白いし。


「はいもしもし~。あなたの愛する店長様はあなたのおっぱいが――」


『て、店長、助けてください!! わ、私どうしたらいいかわからなくて……!』


 しかし、音無さんの声にはまったく余裕がなく、切迫詰まっていた。その上緊迫感までひしひしと感じる。


 空気の読めない俺でも小粋な冗談が言えない状況だということはすぐにわかった。


「お、落ち着け、どうした?」


 普段冷静で頭の回転が速い音無さんが、ここまで慌てるのは珍しい。業務もどんなに忙しい時でも、慌てることなく淡々と的確にこなしてるしな。


「き、絆が……絆が……家出したんです!!!」


「……はっ?」


 うちの馬鹿娘も15分前に家出したんだけど……えっ? これ……ガチのやつ?

キャラインタビュー

『罪が一つ許されるとしたら?』


椎名葵「会社でキャンプファイヤしたいなぁ……」(レイプ目)

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