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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
第1章『実りあるもの』
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とある優雅な休日(6)

 その頃、実花と未来、明菜の3人はというと……。


「うーん、これ美味しい……はむ。パパと一緒に来たいなぁ~」


「はい……お父さんとデートなんてうらやましいです。私も水着を選んでもらいたいです……」


「か、川島さんとあの女性……付き合ってるのかなぁ~……?」


 義孝と由衣が行っている喫茶店とは別の喫茶店でケーキに舌鼓をうっていた。

 店の奥のカウンターに仲良く明菜、実花、未来の順に並んでいる。

 3人としてはあのまま尾行をしたかったが、さすがにあきらかにデートをしているふたりをつけるのは気が引けたので、別行動をとっていた。


「夢っちそれはないと思うよ~。あのふたりこないだ会っただけだし……会話はよく聞こえなかったから予想だけど、パパが風俗に行くのを見られて苦し紛れに買い物にでも誘ったんじゃない?」


「そ、そう……はぁ~」


 明菜は実花の見てきたかのような的確な意見を聞くと、ほっとしたようなため息を吐く。

 それは隣にいた未来も一緒なようだった。


「そうですね。あっ……私ちょっと手にクリームが付いたんで手を洗ってきますね……」


「未来ちゃん、パパのところに行っちゃだめだからね?」


「わ、わかってますよ……私もそこまでしません。お父さんにばれたら嫌われるかもしれないので」


 未来は少し悲しそうな顔をしながら席を立つ。


 すると実花は未来が店のお手洗いに行くのを見届けると、「待ってました!」と、言わんばかりに明菜に詰め寄る。


明菜は何となく気まずくなり、頼んでいたアイスコーヒーのストローに口をつけた。


「えっ、ど、どうしたの?」


「夢ちゃん、夢ちゃん、私はね。夢ちゃんが私たちのお母さんになってもいいと思ってるんだぁ~。未来ちゃんはお母さんができることには反対みたいだけどね~」


「えっ!? なっ、なっ、なっ、なっ、お母さんって……!」


(実花ちゃんたちのお母さんってことは、その、川島さんとは……うぅ)


 思わず口に含んだコーヒーが飛び出そうになった。

 そんな明菜の反応を楽しむように実花は言葉を続ける。


「だって夢ちゃん、パパのこと好きなんだよね?」


「えっ? わ、わたしは……」


 明菜は何も答えられない……完全にパニック状態に陥っている。

 それもそうだ。まさか好きな人の娘にここまでストレートに言葉を投げかけられるなど思ってもいなかったのだ。


 だが、テンパる明菜を置き去りにして実花は会話を続ける。


「あっ、でもエッチの時は私と未来ちゃんもまぜてね?」


「え、エッチ、えっ、えいっち……!?」


(そ、そんなこと急に言われても!?)


「くすっ、急がないとパパ誰かに取られちゃうよ?」


「えっ……」


 考えなかったわけじゃない……でも、義孝のことをどこか悠長に考えていたのは事実だった。


 時間はある……慌ててはいけないと……でも――。


「ん? 夢野さん顔真っ赤だけど、どうしたんですか?」


 そこで未来が戻ってきた。

 明菜はここでホッと息を吐く。

 だが、不安だけは胸の中にぐるぐる渦巻いているようだった……。

 その感情が何なのか明菜にはわかっていた……。


(私は……今日川島さんとデートした子に嫉妬してるんだ……話したこともない子に……はぁ、本当に最悪だなぁ。わたし……)


 このあと自己嫌悪になり、姉妹の話に頷いて合わせるのがやっとだった。


   ◇◇◇


 時刻は昼過ぎ、俺は絆ちゃんの元に向かう音無さんと別れて自分のマンションに戻ってきていた。


「さすがにちょっと疲れたな……」


 階段を上りながら先ほどまでの出来事を思い出す……。

 俺はあの後音無さんと数時間、買い物をした。

 まあ、最初の音無さんの提案通り、俺が着せ替え人形になっていただけだった気もするが……。


 はぁ、あんなに着替えたのは生まれて初めてだな……。無駄にたくさん服を買ってしまった……。

 まあ、服は買えたし、それに……音無さんはすげぇ楽しそうだったらいいか。ファッションとか好きなんだなぁー。


「若いって感じだよな。俺とは住む世界が違う。それにいい子だ。俺の『お願い』もしっかり聞いてくれたしな……」


 俺の手には音無さんと相談して決めたプレゼントの入った袋が握られていた。

 それは――実花と未来、そして夢野さんへのプレゼントだ。

 未来と実花には若者に人気な女性向けの時計、夢野さんにはイルカのキーリング用意した……。

 無粋なことは言いたくないけど……結構高かった……具体的に言うと3つで、90分指名付きのソープ代ぐらい……。


 でも、実花と未来には今までプレゼントなんてしたことなかった……だから、働いて金に余裕ができた今プレゼントを贈るくらいしてもいいだろう。


 あと夢野さんには死ぬほど迷惑かけてるからな……特に実花が。ここいらでお礼ぐらいしたほがいい。


 はぁ……そういえば女にプレゼントを渡すのは初めて……でもないか。さっき音無さんに水着あげたし


(というか、俺はなんで今日1日で4人もの女にプレゼントを渡すことになってるんだ……? どんなジゴロだよ。まあ、うちふたりは娘だけど)


 そうふてくされた考えをしつつも、足取りは軽い。

 

 その理由は馬鹿な俺でもわかる……。


『わあああああああ、夢ちゃん! 未来ちゃんがいじめる~~~~』


『お姉ちゃん。うるさい……ピーマン残さないで』


『そんなの人間の食べる物じゃないもん!! うぅぇ、まずい……』


『ふうっ、そういいながら食べる実花ちゃんはえらいねぇ~』


 廊下に着くと3人の声が夢野さんの部屋から聞こえてきた。

 どうやら夢野さんの家で昼食を頂いているようだ……また迷惑かけてるな……。


「よし、今渡しに行くか……!」


 俺は3人がプレゼントを受け取った姿を思い描きながら……夢野さんの家のチャイムを押した。

それぞれの趣味


『三沢麻衣』


料理。釣り(ジギング)。気に入った人間ふたりを仲よくさせること。



明日更新予定の『音無家の一コマ』でこの章は終了です。

なんかこの章結構長くなってしまいました……最初の2、3話っていう予定はどこにいったんでしょうか……(他人事)。すみません……

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