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俺はJKの子持ちだったのか!  作者: シマアザラシ
外伝『アーリーデイズ』
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外伝『アーリーデイズ』(21)

「ああ、まさにヘルでヘルプとはこのことね。私って普段の行いがいいから♪」


 謎の少女が俺の手を握っている……。

 えっと……反応に困る……だ、誰だ? この人……。


「えっと……義孝君この人は……はっ! も、もしかして私「何この女は!?!?」とかのめんどくさい女プレーした方がいい!?」


 お前は何んで興奮してるんだよ……俺なんか頭の中真っ白だぞ?


「お兄ちゃん! うわき!? うわきしてるの!? 美奈ちゃん以外とあいびきなんてダメなんだよ!」


 お前もお前で大声で何言ってるんだよ! 周りのお客様が皆見てるじゃねぇか……まあ、子供が言うことだから微笑ましく見られてる感じだけど。


 助かった……。


「ねぇねぇ義孝君。なんかほのぼのした雰囲気だからもっと大ごとにしてもいい? ちょっと修羅場ってた方が面白いよね」


「お前マジでやめろ」


 何でこんな訳の分からん状況なのにお前はワクワクしてんの? その無駄な精神力は見習いたいわ。


(…………はぁ、それでこいつは誰だろうか……)


 俺はジッと女の子の顔を見つめた。

 エプロンをしているからここの店員なのか?

 少しボーイッシュな雰囲気だが、顔立ちは整ってていて可愛い。小柄なスタイルもそれを際立たせている。


 俺の名前を呼んでたから他人ってわけじゃなさそうだけど……。


「えっと……どちら様です」


「ええええええ!! パードぅぅン? わ、私のこと知らないの?」


 リアクションがでかくて面白い……今はそんな場合じゃないか。


「す、すまん、見覚えは……ある気がするけど……もしかして同じ学校か?」


「エクセレント! 隣のクラスだよ。私は『新島花蓮にいじまかれんあーあ……確かにクラスメイトにはなったことはないけどなぁ。5年も同じ学校にいるんだから顔ぐらいメモリーしてほしかったなぁ」


 こいつのちょいちょい入ってくる妙な英語は何なの……? 微妙に使い方間違って――。


「……おい、待て……もしかして中学も?」


 そこで女の子が『5年』という単語が気になった。


「うん。私たち中学校も同じだよ。マイベストフレンド」


 弱々しくほほ笑む女の子……そりゃ5年も同じ建物にいる奴に顔すら覚えられてないとかショックだよな……いや、本当に反省はしている。


 俺みたいなゴミのことを覚えてくれていたのに!


「な、なんかすまん……」


「の、ノープログレム。私たち……特に話したことなかったし……アハハ」


「あああああああ!!! 義孝君女の子を悲しませた!!! ジゴロだあああああ!!!」


「ああ! くのいち! くのいちを悲しませたでござるううううう!!!」


 お前らうっせえよ!!!


「はぁ、それで俺に何か用か?」


「ああ!! そ、そうだった! ゆっくり話してる場合じゃなかったんだ! 手伝ってほしいことがあるの!!!」


 女の子は我に返ったようで、再び慌てた顔で俺に詰め寄ってきた。

 もう何が何だか……わけがわからん……。


   ◇◇◇


 某駅の喫煙所。

 義孝たちが入った喫茶店――を遠巻きに見る二つの影があった。

 それは――。


「おい、カヤ!!! いつまでこんなふうにうじうじしてるつもりだ! あああん?」


「だ、だって……私なんか……。ほ、ほらアヤメも楽しそうだし……あの子たちにこのまま面倒を見てもらった方が……アヤメも幸せです……」


「……あのな。アヤメの幸せはアヤメが決めるって言っただろう? いい加減覚悟を決めろや」


「わ、わかってます……でも……もう少しだけ時間をください……」


「はぁぁぁぁっぁ」


 キャッチマンは大きくため息を吐く。

 この数日ずっとカヤはこのような感じだ……もう少し、もう少し、もう少し、それを言い続けている……それでついにはこんな地方にまでついてきてしまっていた。


(これじゃあまるでストーカーみてぇじゃねぇか……)


「アヤメ……はぁ、私どうしたら……」


「……」


 キャッチマンから見ればカヤは情けなくてうじうじしていて見ていて腹が立つ。アヤメのことを考えれば当然だ……

 だが……キャッチマンにはカヤを見捨てることはできない。

 それは――。


 カヤが今までどれほど苦渋をなめてきたか知っている。


 カヤがアヤメのためにプライドを捨ててがむしゃらに生きてきたかを知っている……。

 

 カヤがどれだけ――アヤメを愛しているかを知っている。


(わいも馬鹿だな……)


 キャッチマンはため息と共にたばこを取り出して、火をつけた。

 むなしい気持ちになりつつも……自分ができることは何かしたい……そんな青臭いことを考えていた。

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