小さなくまの自慢話
小さなくまがいました。
どのくらい小さいかって?
見て下さい。
手のひらに、乗るくらいの、小ささですよ。
驚きましたか?
さらに、この、小さなくまには、いつもみんなにしている、自慢話がありました。
聞いてみたいですか?
では、耳を、くまに近づけて下さい。
くまが、前脚を、口の横にそえて、あなたにささやきます。
「あのね、ぼく、本当は……、大人のくまなんだ。」
聞こえましたか?
これが、小さなくまの、とっておきの、自慢話です。
ほら、いかにも、満足らしく、胸を張っているでしょう?
たしかに、これは、誰にでも、自慢して、いい事です。
だから、まだ、小さなくまの話を、聞いたことがない人がいたら、その人に、「ぜひ、聞かせてもらいなよ!」と、勧めてあげて下さい。
小さなくまは、そんな人がいると知ると、喜んで、その人の所まで飛んで行って、気前よく話してくれますからね。
おしまい