あんまり思索しない人の一人称視点
一人称視点では、作中人物が情景描写も兼ねる事になっていますが、もし主人公が、あまりものを考えないタイプなら、情景描写はどうなってしまうだろうと思って、アドリブで書いてます。
早く授業が終わらないかな。教師の声が呪文に聞こえる。チャイムが鳴った。やっと終わった。さあ帰ろうか……。ホームルームがまだだった。あぶね、バックレになるところだった。「えっ。掃除当番か、まいったな」俺は、脱力した。
教師の話は適当に流して、あとは掃除当番を終わらせるだけだ。ほうき片手に、ってあれ、ハタキだった。
まあいいか。放課後の教室は、まあいいや。おっ体育館から声がする。さあゴミを捨てて、解放だ。
この高校は、住宅地のはずれに……。もういいや、説明は面倒くさいし。喫茶店で時間でもつぶそう。通学路の途中にあるビルにある。説明はこれぐらいにしておくか。さ、入ろう。「あー、香しいお香の香り」ってここ仏壇屋じゃねえか。間違えて入っちまった。「あ、看板、見忘れていた」
気を取り直して、今度こそ本当の喫茶店だ。『囲碁喫茶チェックメイト』名前なんてどうでもいい。「コーヒープリーズ」
テーブルが碁盤だな。「えっ、昆布茶と椎茸茶しかないの?じゃ昆布茶で」店内を見渡すと、テーブルがあり椅子があった。やめやめ、情景描写なんてやめ。面倒くさいし。ウェイトレスさんは意外と美人だったな。
なんか、こう鼻が高くて目が大きくて、うーん美人だったな。いいじゃん美人なんだし。
あれ、じいさんが来て相席かよ。一曲どうですかだって。歌でも歌うか。「ああ、そっちの一局ね」危ないところだった。困ったな囲碁はわかんねえし。「五目並べでもOK?」じいさんは手で輪っかを作った。
店内は、民謡が流れる、ちょっと賑やかで落ち着かないけどいいや。俺も落ち着かないタイプだし。「おおっ。四三で俺の勝ちだ」昆布茶が届く。出汁みたいな臭いがするって当たり前じゃないか。相手のじいさんは番茶を飲んでいた。「え、何で番茶?」俺は数局対決して全勝。店を出た。
外はいい天気だ。当たり前じゃん。と思ったら急に積乱雲が目に映り、怪しい雲行きになってきた。
雷雨でも起きるのだろうか。起きてもいいけど。コンビニで傘でも買えばいいし。にわか雨が降ってきた。
冷たい雨のしずくが学生服、って雨が冷たいのは当たり前だよな。やめやめ。傘が欲しいからコンビニでも寄るか。店内に入ると、ってもう入ってるじゃん。なんか説明してるとリアル時間とずれるんだよな。おっ道路地図だ。道路地図でも立ち読みするか。「うん、この地図は路面電車成分が足りない。書き足してやろう」俺は、道路の中央に駅を書き、その間を線で結んだ。さあ、コーヒーと菓子パンを買って帰るか。「傘忘れてた!」傘を購入して外に出た。
雷鳴がとどろく中、って当たり前じゃん。雷が落ちないように匍匐前進でもするか。って服濡れまくりじゃん。やめる。知るか。木が高いから木に落ちる。あ、でも人にも落ちやすいってテレビでやってたな。
「俺は人じゃない。人を超越した超人なんだ。永劫回帰も信じてる。意味は分からないけど」よし、これで雷は大丈夫だ。
雷が落ちて主人公は救急車で運ばれた。って誰の視点だよこら!
試しに書いてみたけれど、ただの手抜きの小説になってしまって難しかったです。
主人公の考えのなさと、情景描写が上手くシンクロするぐらいの書き方ができるようになりたいです。
ギャグ入れてたら楽しくなったので、話の後半はコメディーにしてしまいました。