神社の謎 前編
やっと物語が始まります!
「おはようございますはじめさん!あさでーすよー!」
そう言ってさくらが俺を起こそうとしてくる。
「あと5分〜」
「子供みたいなこと言ってないで早く起きてくださいっ!」
こいつっ!?俺の布団を無理やり剥がそうとしてやがる!
「わかった、わかったよ。起きるから!」
顔を洗い、鏡を見ると目の下にクマが出来ていた。そういえば昨日は夜遅くまで起きていたんだっけ。
リビングへ行くとさくらがテレビでニュースを見ていた。
「今日もまた雨なんですね。」
「そうらしいな」
ここ1週間ずっと雨が降りっぱなしだ。雨が降っていると気分も落ち込むからあまり雨はすきではない。
「まぁ、明日からは晴れらしいですよ?」
さくらが俺の顔を見ながらそう言った。
朝ごはんを食べ、学校に行く準備をしていると、家の電話が鳴った。
「はい、龍ケ崎です。」
俺が電話に出ると、
「はじめ?私よ、あなたの母よ!」
「母さん!?今どこにいんだよ?」
今、電話をしてきたのは俺の母の龍ケ崎利香だ。ついでに言うと、さくらと一緒に暮らすことになった原因でもある。
「ちゃんと生活できてる?まぁさくらちゃんがいるから大丈夫だと思うけど!」
「あのなぁ……。父さんと旅行に出たままもう1ヶ月だぞ!?いつになったら帰ってくんだよ!」
実は俺の両親は俺が入学してすぐ、旅行へ出かけてしまったのだ。その際、丁度両親が旅行に行っていて当分帰ってこないのでということでさくらがうちのいそうろうとなったのだ。
「そのうち帰るから、さくらちゃんと仲良くするのよ?じゃあまたねー」
ブチッ
うわ、こっちの話もろくに聞かずに電話切りやがったよ!まぁ、そのうちかえってくるだろ。
「はじめさ〜ん!はやくしないと遅刻ですよ!」
「悪い、今行く!」
学校に着くと門の前に生徒指導の西川先生が立っていた。
「おい龍ケ崎、四ノ宮。遅刻だぞ!この前も、遅刻したのにまたか!」
「すみません!次からは気をつけます!」
こうして10分程遅刻して俺達は教室に着いた。
「よぉ、はじめ!また遅刻かよ、お前こりないやつだな〜(笑)」
「俺だって遅刻したくてしてる訳ないだろ。」
こいつは一之瀬智也、俺と同じ1年3組の生徒でだ。こいつも俺と同じでどうしてこの学校に入れたのか分からない程のばかである。
「今日の放課後さ、町外れにある神社に行こうと思うんだけど行かねーか?もちろん、さくらちゃんも一緒にさ!」
ちなみに、こいつは俺の両親以外に俺とさくらが同棲していることを知っている唯一の人物だ。
「う〜ん、まぁ放課後暇だしいいけど、なんであんなとこに?」
「なんでも、最近あの神社に人が住んでるらしいんだ!」
「なわけないだろ。」
あの神社は人がよりつこうとしない妙なオーラを放っているため人々はあまり近ずこうとはしなかった。
「行ってみれば分かるだろ?」
俺達は放課後、町外れの神社へ行くこととなった。
今思えば、この時神社へ行くのをやめておけばよかったのかも知れない。
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