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表裏日常日記  作者: ベロニカ
一章
6/13

非日常 私は転生主人公

私は前世の記憶がある。あ、引いたでしょ?頭はおかしくなってないから、病院に連絡はいらないよ。

神様が、転生させてくれたの。ゲームの世界は逆ハーも、純愛も、友情だって自由。攻略方法はばっちりだし、見た目も勉強だって頑張った。

でも、ここは現実だし、逆ハーとかは不誠実だなって思うし、手痛いしっぺ返しがくるのはそういう小説では当たり前なの。でも、純愛って信じられない。お前だけだ、なんて前世でも約束したって裏切られるのが関の山。

とりあえず生きているのだから、自分のしたい職業を見つけて、この人なら一緒にいてもいいと思える人を探して、心に闇を抱える攻略対象を友人として支えようと思うの。

上手くいくかどうかは私は神様じゃないから、わからないけど、精一杯やってみると考えながら校門を過ぎた。


「どいてよっ!!」


「…っうわ!」


その途端、凄い力で押され、尻餅をついてしまった。あいたた。


「うわ、何?変なタイミングに居合わせたなぁ…平気?水無瀬さん。」


そんな声が私の後ろから聞こえ、私は振り向くとひょろりと背の高い滝川くんとこちらに手を差し伸べている声の主、トムくんがいた。


「トムくん…うん、なんか元気な子に押されちゃって。えへへ、もう少し反射神経鍛えようかな。」


「へー、そっか、がんば?」


ちなみに、滝川くんは攻略対象だけど、眼鏡をかけていて心の闇はトムくんが払ってくれているみたい。原作とは違うけど、私は彼がキャラクターとして好きだったので幸せそうで嬉しい。お母さん嬉しいわぁって感じかな。

ただ、何があったのか彼は女の子が大嫌いだ。まぁ、つまりはトムくんが好きなんだろうとは思うのよね。でもね、私もトムくん好きなのよ。

たまたま握れたちょっとカサカサした大きな手に心を温めながら、こちらをトムくんに気付かれないように睨み付ける滝川くんににっこりと笑う。


彼のことを好きなのは、私達だけではない。図書室の不思議な双子に、彼によく似た雰囲気の彼女、そして彼らの友人の林田くんも多分。


それでも、私は彼の一番になりたいな。


「…おかしいなぁ、イベントが起こらないや」


…乗っ取り脇役主人公さん、頑張って彼らを攻略しようとしても多分、逆ハーはできないよ。

だって、ここは現実なの。恋も、人生も、マニュアルなんて、ないの。

だから、私はまだ握ったままの手を両手できゅ、と握り、トムくんに笑いかける。


「改めて、これからもよろしくね、トムくん。」

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