非日常 勇者と魔王と僕
僕は山中航輝。気が付くと女の子にドつかれたり、説教されたりするけれど、至って普通の高校生。
…だったはずだ。
「…」
「…」
「え…オードヴィーが二人…?」
空から人が降ってきて、その片割れが自分とそっくりだった場合、僕はどうすればよいのかわからない。格好はコスプレか?と冗談を言うには出来過ぎていて、自分のそっくりさんの持っている剣は鈍く輝いて見間違いではないのなら黒ずんだ血がこびり付いている。
「…えーと…取りあえず、僕の家にくるか?」
「…すまない、助かる。」
「迷惑をかける。」
何故か女の子も男口調だ。でも、周りの子と違って素直そうでとてもかわいい。僕のそっくりさんの彼女だろうか…羨ましい。
「ああ、そういえば自己紹介がまだだったな。僕は山中航輝。」
「…オードヴィー。こっちはフリージア。まあ…そうだな…兄妹のようなものだな。よろしく、コーキ。」
「オードヴィー!兄妹ってなんだ!?私はお前のはん…っむぐ」
「何度も言うが、君の気持ちに答えることはできない。俺は彼女だけだ。迷惑だから、恋人だとか伴侶だとか自称はしないでくれ。」
「…」
「…えーと、お二人さーん」
「ああ、すまないな。何度も断っているのだが…フリージアはどうやら俺が好きらしいが、俺にはほかの女に操だてしていてな。好意は嬉しいが同じだけ返すことはできなくてな。」
「そ、その女の人は?」
「…病気で先に逝っているよ。」
「う、うわぁ…」
かくして、僕は一途で硬派なオードヴィーとそのオードヴィーが好きなフリージアと暮らすようになるのだった。
「ちょっと、航輝、誰よ、この女!」
「え、居候…」
「いいから、追い出しなさ…え?航輝が二人…?」
…いろいろ、トラブルは多くなるようだ。




