2話;始まりの弦を弾く
本日2話目。出せるときにだす。
2XXX年。
突然の地殻変動と天変地異により、全世界はパニックに陥った。
報道機関では、世界の終わりとまで囁かれたそれは、数週間続いた。
天変地異の後、全世界に新たな問題が浮き上がってきた。
今まで空想上の存在とされてきた妖怪などが、人の姿をとり全世界に
出現し始めたのだ。
妖人
そう呼ばれるようになる彼らの中には、今までも人の世に溶け込んでいる
ものもいたらしい。
圧倒的とさえいえるほどの身体的能力と特殊な能力をもつ彼らは人間との
共存の道を選んだ。
しかし、突然現れた彼らを人々はすぐに受け入れることができずに忌避感
を抱いていた。
そんななか、日本政府が打ち出したのが、陰陽寮の設置である。
陰陽寮
古来日本がまだ律令制であった頃中務省に属し、占い・天文・時・暦の編纂を
担っていた機関。
ここに妖人関連の一切を管轄させた。
そして、その陰陽寮の働きもあり、日本は妖人と人間の共存を可能にし彼らの
圧倒的な身体能力などの恩恵を受け、急激に繁栄していった。
-side 秀人-
日本のとある高校。そこは妖人と人が机を並べて勉強している。
「なぁ、秋人。今日の数学の宿題見せてくれよ。」
前に座る御影秋人に頼む。
「なに。またやってきてないの?あんまり写してばかりだと
テストでいい点数とれないよ。」
そういいながらもノートを貸してくれる。
「かぁー。やっぱり、優秀な奴はいうことがちがうね。」
そんな軽口を返しつつ、急いで写して秋人に返す。
どこにでもある、ふつうの光景。
そして放課後
帰宅部で大した用事もなかったので久しぶりに近くの商店街に寄って
帰ることにした。
あとから思えばこのとき真っ直ぐ家に帰っいれば人生は変わっていた
かもしれない。
そこそこに人のいる商店街。
ゲームセンターにでも寄ろうかと秀人はそちらに向かっていく。
目の前にゲームセンターが見えたとき、不意に体に違和感を感じた。
体が動かないのだ、それこそ指先ひとつも。
そして体がいうことを聞かず、ゆっくりと商店街の通路の脇に歩いていく
。
すると、そこには顔の見えない目深い帽子を被った人が立っている。
その人がこちらに手を出して何かを渡してくる。それを受け取る。
コンバットナイフだった。
渡されたコンバットナイフをいうことを聞かない自分の手が渡した男にナイフを向け迫っていく。
「(やめろ、やめろ、やめろ、とまれ、とまれ、とまれ、とまれ・・・。)」
声を出すこともできない。
まわりにいるひと達が気づき、騒いでいるのもわかるのに何もできない。
ズブ・・・。
ナイフが人に刺さる感触が手にかえってくる。
刺しているところから、血があふれ出すのを見た俺は首を絞められるような感覚
を受け気を失った。
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