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漆黒との出会い その名を『乙』と云ふ

 名前明らかになります。


 2/10: あらすじ大幅に改めさせていただきました。すいません。






気が付けば温もりはなくて。


冷たい静寂の中。


見渡す限りの、闇。


光を求めて手を伸ばすのだけれど伸ばした腕は虚しく宙を掻くだけ。



――寂しい。



(寂しいよ……)



今まで自分が居た位置を愛してくれた人々を振り切って私には必要無いからと、そう言ってきたのに。


私が棄てた、求める光はあんなに近くにあったなんて――。




目が覚めると、心配そうに私の額に冷たいタオルをあてる彼が目に入った。


大泣きした後、どうやら私は眠ってしまったらしい。


疲れが溜まっていたんだろうと彼が言い、このまま横になって休めというので、迷った挙げ句、好意に甘えることにした。


おやすみと言って部屋を出て行こうとする彼を慌てて呼び止め、この後用事があるのかどうかを訊き、もし良かったら手を握っていてくれないかとお願いしてみる。


……夢のようにこの人が去ってしまったらどうなるか分からないから。



彼はその瞳の如く顔を真っ赤にして口をパクパクしていた。


そこで私は気付く。


散々お世話になっておいてなんてことを自分は言ってしまったのか。


しかも、この目の前にいる人はとても素敵だ。


婚約者がいない訳がない。


それに婚約者も美人な人に違いない。


(そんな人に私みたいな人間が頼むのも失礼なんだ)



「……な、なんて、嫌に決まってますよね!!」


自分で言っておいて傷付く。


本当に拒否される前にと思い、青褪めて伸ばした手を引っ込めようとすると凄い勢いで手を握られた。


「……嫌じゃ、ない、から。……もっと俺を頼れ」


真っ赤な瞳と同じくらい真っ赤な顔に。


くすり、と笑みが漏れた。


「……じゃあ、お願いしてもいいですか?」


「……ん」


差し出された自分の手とは違い、ゴツゴツとした手の感触に何とも言えない幸福感が湧き上がってくる。


ベッドに横になり目は閉じた状態で私たちはお喋りを楽しんでいた。



「……そういえば、名は何と?」



彼が何気無く放った言葉に身が凍る思いがした。


心臓の鼓動がやけに大きく聞こえる。



「……」



名前? な、まえ……?



(思い出せない……。名前……私は……)



そういえばそうだ。


私は自分の名前が分からない。


こちらに来て私の名を呼ぶ人がいないからかもしれないが、記憶が抜けてしまっているのだ。



繋いでいた手を解き、起き上った私に何を感じたのか、何も言わず彼も起き上がって私を見た。


ゆっくりと背をなぞる手が温かくて心地好い。


どうしようと焦る私の手を取り自分の手と重ね、彼は私に彼の方を見るように促した。


不安の色が混じったそれで見つめれば。


彼は柔らかな笑みを漏らしゆっくりと言った。



「……俺の名は、『きのと』と云う」


「き、のと……?」


「……そうだ。これからはそう呼べ。それで、だな……一つ提案があるんだが……もし嫌でなかったらお前が名前を見つけるまでの間、俺がお前の名前を決めてもいいか……?」



突然そう言われて、頭が付いて行かなかった。


黙り込んだ私に「……嫌でなかったらの話だ」と拗ねたように付け足した彼が可愛くて。



「はいっ……!! お願いします!!」



あふれてくる涙を拭い、そう言った。








 次回、名前貰って本格始動。


 名前貰うとこは省きます。

 (小話で出来たら…!!)


 早めの更新頑張りたいです。


 3.1 修正致しました。



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