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聖女としての活躍とカイルとの絆

「リヴィア様! 実は、妹との仲に悩んでおりますの。わだかまりが消えませんの……」

リヴィアは月に一度、王都の広場で開かれる託宣のお茶会に臨んでいた。

リヴィアは相談者の手を逃がさぬよう両手で硬く握りしめた。

その瞳には、かつてギルバートに向けたものと同じ、底なしの熱量が宿っている。


「案ずることはありませんわ。今のあなた方に必要なのは、無理に言葉を重ねることではありません。まずは、妹様が心から愛でている花や、かつて欲しがっていた小物を贈りなさい」

リヴィアは聖母のような微笑みを浮かべながらも、妹が今最も欲しているもののリストと、それを渡すべき最適な方角、そして日取りを秒単位の精度で書き記した。

「私がこれほどまでに完璧な和解の道筋を引きましたもの、失敗などあり得ません。妹様の幸福も、あなたの心の平穏も、すべて私が保証いたします」


お茶会が終わり、民衆の姿が消えた途端、リヴィアはふっと肩の力を抜いた。

張り詰めていた聖女の糸が解ける。

「お疲れ様でした、リヴィア様」

そう言って、カイルは彼女の好みの温度に冷ましたハーブティーを差し出した。

「ありがとう、カイル。……あんなに熱心に語るつもりはなかったのだけれど」

「あなたの言葉は、みんなにとっての光です。……少し、お休みください」

リヴィアは黙って頷き、カイルが用意した馬車の椅子に身を預けた。

彼に対してだけは、完璧な自分を演じる必要も、重すぎる愛で繋ぎ止めようとする焦りも必要なかった。


リヴィアの傍らに控えるカイルは、寡黙で無愛想な、しかし目を引くほどに爽やかな容貌を持つ騎士である。

しゅっとした高い鼻梁と、涼しげながらも鋭い眼光。

彼はかつて、没落の淵にあった自らの家門をリヴィアに救われた過去を持つ。

カイルにとって、彼女の過保護なまでの精密な指示は重荷などではなく、むしろ自らの剣に迷いを捨てさせる、至高の福音であった。

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