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キラメク世界

「というように!この世界には光ばかりではなく!影つまり闇だな、闇も必要だとこの哲学者は説いたわけだがぁ」キーンコーンカーンコーン。教師の熱弁を冷酷に遮る授業終了のチャイムが鳴り響いた。生徒達も教師の熱弁には飽きており、授業終了のチャイムをまるで神のように思った。教師は教室から出ると教室内はワイワイと賑わい始めた。1978年夏休み一週間前の教室は夏休みへの期待で爆発しそうだった。彼もその内の1人だ。彼の名前はアルバート・ヒーター、今年17歳の普通の男子高校生である。彼は夏休みに家族でフィーンへ2週間ほど旅行に行くため、早く学校には夏休みの宣言をして欲しかったのだった。ヒーターは今宗教学とオカルト学にはまっていた。特に■■■■について非常に興味を持ち、学校内にある■■■■についての本は全て読み漁りノートに全て書き起こしてあるくらいだ。■■■■に関する質問なら何でも答えられるほど■■■■の知識を持っており、そろそろ考察本や解釈本を書いてもいいと思っている。そんな彼を羨ましがるのは、リンド・デーランドとアリス・アナスタシアという同級生だ。2人は一年生の頃から仲が良く、大型連休には3人で移動式遊園地に遊びに行ったりなどかなり親しい仲だった。そんな彼らは夏休みの過ごし方について話し合っていた。デーランドは只管家でチェスをしているといい、アリスはそれを地味で生産性がないと嘲笑した。そんなアリスは国立図書館でエッセル童話を読み漁ると言うと、デーランドはそっちこそ生産性のない過ごし方だと嘲笑った。そんな2人を止めつつヒーターも休みの過ごし方を話し始めた。ヒーターはフィーン旅行後国立図書館で■■■■についての本を探してみると言いデーランドは呆れ果てた。デーランドはこれらはいつでも出来るしわざわざ夏休みにやるような事ではないと言うとアリスは反論したが、ヒーターは一理あると受け止めた。ヒーターは国立図書館にあると噂されている■■■■の歴史が書かれた本を探すべくこの休暇を使いたいと言い、デーランドはあるかどうかもわからない本のためにこの貴重な連休を使うのは勿体ないと言った。なのでデーランドもそれに同行すると言いヒーターもそれを了承した。アリスもついでに同行することにした。そして1週間後夏休みが開始し、ヒーターは家族と大陸横断寝台列車でフィーンへ向かうと、2人もそれぞれの休みの使い方をし始めた。ヒーターの乗る寝台列車は世界で最も長い列車として知られており、長さは驚異の19両編成。寝台列車の客室は1エリアに二段ベッドのような構造の部屋が2つ敷き詰められているような形になっており、多くの客は一番下より上の部屋を申し込むことが多い。ヒーターら4人家族は1エリアを使っており、母は上の部屋を使い父は母の下の部屋を使っていた。父は寝相が悪く昔二段ベッドで寝ていたところ、寝相が悪く落ちてしまい足を痛めたためそれ以来二段ベッドの下でしか寝なくなった。ヒーターは上の部屋を使い下は妹が使っていた。ヒーターは列車の中でフィーンに着いたら何をするかを考えた。フィーンは魚料理で有名なので魚料理は食べたいが、かの歴史ある有名なオペラ「硝子の薔薇」も見に行きたい。ヒーターは旅行本を見ながら様々なシチュエーションを頭の中で思い描いていた。フィーンまでは15時間ほど寝台列車で走り、フィーン付近に行く列車に乗り換えて更に30分ほど揺られるとフィーンに着く。寝台列車では今日の新聞が全社無料なので、ヒーターは普段読まない新聞社の新聞まで読んでいると、親から移動販売で買ったルイボスティーとサンドウィッチを渡されそれらをつまみながら新聞を読み漁っていた。5時間後、空が次第に暗くなり始め列車内もぽつぽつと電気が付き始めた。ヒーターも窓を眺めながらこれから始まる夏休みに想いを馳せていた。外は何もない田舎道を走っており明かりもなく何もない、あるのは無限に広がる田んぼだけ。しっかりと整備されているあたり、人は住んでいるのだろうけどそんな気配も感じさせないほど暗く少し恐怖を覚えた。新聞も読み終えベッドの上に畳むと母親がカーテンを開けて夜ご飯を食べに行こうと誘った。ヒーター家族は食堂へと向かうと、既に中はかなりの人がおり座れないと思ったが、ちょうど4人座れる席があったのでそこに座りメニューを開いて何を食べるか悩んでいた。父は鮭のムニエル、母はビーフストロガノフ、妹はマルゲリータピザを選びヒーターはチャーハンを選んだ。4人は料理を待っている間、フィーンで何をしたいかを話し合っていた。母は「想いの池」という観光名所に行きたいらしく妹もそこに行きたいという。父は魚料理やフィーン名物である記念葉巻を買いたいと言った。フィーンでは昔から葉巻の製造が有名で1933年の第4次世界大戦で疲弊する兵士達の心の支えにもなったということで、そんな彼らが吸っていた葉巻が終戦記念葉巻として販売されているのだ。ヒーターは魚料理とオペラがみたいと言い家族で経路の確認をしていた。約30分後料理が運ばれ4人は夕飯を食した。チャーハンはコメ一粒一粒が丁寧に炒められており一切の無駄がなく、塩加減も丁度よく卵の炒り具合も絶妙でまさに絶品だった。夕飯を食べた後部屋へ戻ると移動販売で物を買った。ヒーターは水とコーヒーガムを買い消灯時間まで新聞にあったクロスワードを解いていた。夜9時列車内は完全に消灯し、いたる所から寝息のような音が聞こえ始めた。ヒーターも今日は徹夜するつもりだったがベッドで寝転んでいたらいつの間にか眠ってしまい、目が覚めたころには既に駅に到着していた。母はヒーターを叩き起こし急いで支度を済ませ列車から降りた。ここからまた列車に乗るのだがその列車はひと味違う。海の上を走るフィーン名物水上列車である。フィーンはインフラが他国と比べ非常に整っており、その技術力を自国だけでなく他国にも提供し世界のインフラの水準を大きく引き上げた。ヒーター家族は水上列車に乗ると窓から見える景色は圧巻だった。辺り一面大海原に囲まれており海の綺麗さもそうだが、降水確率の少ないフィーンの晴天と海の青さが相まって無限に続く水平線のように見えるのだ。ヒーターは手持ちのフィルムカメラで写真を撮りながらその広大な景色をじっと眺めていた。30分があっという間に過ぎ去り遂にフィーンへと到着したのだった。その頃デーランドは自室でチェス盤を広げチェスの勉強をしていた。デーランドは人よりもチェスが上手く度々地元の大会に出ては軽々と優勝している。去年世界大会にエントリーしたが決勝大会出場目前で敗れてしまい、その雪辱を果たすためにこの夏休みで新たな戦術や自身の弱点の研究をしていたのだった。自身の弱点は終盤での立ち回りの鈍化である。前半はかなり攻めていくのだがそのせいか多く駒を取られてしまうため、後半で攻撃力が大幅に落ちてしまうのだ。なので前半後半バランス良く進めつつ高い攻撃力と固い防御が出来るチェスを研究していた。そんなデーランドの元にクラブ帰りの兄が部屋の中に入ってきた。兄はデーランドのチェスの才能を認めているものの、デーランドのチェスはまだゲームの域だと評価していた。兄も非常にチェスが強く世界大会では11位という成績を収めていた。デーランドは兄に強くなる方法を聞くと兄は無言で駒を並べ始めデーランドと勝負をした。結果わずか35手でチェックメイトになり兄はつまらなそうに駒を並べ再び試合を始めた。6時間後デーランドは一勝もすることなく体力切れで倒れこんでしまった。兄はデーランドにビスケットを持ってきて休憩をさせた。兄は弱点をわざわざ見せていたのに、それに気がつかず自分の盤面だけを見続けエゴイズムな空間を築いているのが最大の弱点だと言い部屋から出ていった。デーランドは悔しかったが兄と久々にチェスが出来て内心かなり嬉しかった。一方アリスは国立図書館でエッセル童話を片っ端から読み漁っていた。エッセル童話とはエッセル姉妹が書き記した400の物語を纏めたものである。エッセル姉妹が実際に書き記したノートは国立博物館で見ることが出来る。アリスは特に「奇術師パトム」が一番好んでおり内容は奇術師パトムが死者蘇生が出来ると豪語し多くの国民から多額の税金をむしりとっている王様のトリックを見破り、それを多くの観衆に見せ大歓声を浴びるも王様の反感を買ってしまい処刑されてしまうというなんとも後味の悪い内容だ。この話は物語のように綺麗な内容ではないものの、似たような事件が実際にデンテル王国という場所であったとされている。アリスはこの奇術師パトムに恋をしており、自身をこの世界で一番パトムを愛する者と名乗っている。そんなエッセル童話だが実は401個目の話があると言われており世界中の学者が文献を調べるもその様な記述がない為ただの都市伝説だとされている。しかしアリスはエッセル童話をよく読んでいると物語が細かい場所で繋がっている事に気が付いた。更にはそれらの話を締めくくる話が欠けているためそれが401個目の話なのではないかと考えていた。アリスはせっかく国立図書館に来ているのだからその幻ともされている401個目の物語について言及されている本や資料を探し始めた。一方ヒーターはフィーン旅行を満喫していた。フィーンの開放的な空間は日々何かに迷っている自分達の心を清めてくれる感じがした。豊富な魚料理も食べオペラも観れた。父も記念葉巻を買えてかなり上機嫌だった。母と妹も「想いの池」でコインを入れたり写真を撮ったりとかなり満喫している様子だった。そのままあっという間に2週間が経ってしまい、ヒーター家族は列車でギリッシへ戻りヒーターは残りの夏休み期間を国立図書館で過ごすことにした。ヒーターはアリスと合流し■■■■の歴史書を探すことにした。■■■■の歴史書は多く存在しているが、ヒーターが探しているのは■■■■の細かいプライベートが書かれたものである。■■■■ファンの中でその存在の真偽が度々議論されていたのだが、国際■■■■協会がその書物の存在を匂わせるような発言をしたため多くの■■■■ファン達が捜索を始めた。ヒーターもその書物を他の誰にもとられたくないので誰よりも先にその書物を回収する必要があった。アリスはそういう重要な書物は貸出禁止の書庫に保管されている可能性が高いと言い、アリスと共に書庫へと向かった。ちょうどそこにデーランドも到着し3人で書庫を捜索することにした。書庫は更に大量の本が敷き詰められており探すのに一苦労どころか何十苦労もしそうだった。とりあえず一つ一つ探していくより高い場所から探したほうがいいと考え、専用の電動はしごでヒーターは高さ7mの本棚を上から一つ一つ見ていくことにした。デーランドは奥が怪しいと考え奥の人があまりいない薄暗い場所を探し始めた。アリスは意外と近くにあると考え入口手前のスペースを探し始めた。3人共懸命に探したがその様な本は見つからず時間だけが過ぎていった。ヒーターはあきらめかけていた時とあることに気が付いた。同じ本が5点を結ぶと星型が出来るように5つ置かれていたのだ。ヒーターはそれらの本を取ると5冊の本の場所を線で結んだ時に出来る中心点の場所に置かれている本が奥に引っ込み、代わりにボロボロの本が空いた場所に差し込まれた。ヒーターはその本を取ると内容は■■■■のプライベートな内容ばかりだった。どの歴史書にも書かれていないような事ばかり書かれておりヒーターは一目でこれが探していた書物だと確信した。ヒーターはすぐさま2人を呼びその本をじっくりと見た。その後この本をどうするかという話になった。ヒーターは内容を全て書き写して戻すかこのまま「持ち出す」かという二択で悩んでいた。しかし3人は悩むこともなかった。当然持ち出すという選択肢を取った。持ち出す方法は既に考えていた。3階の男子トイレの一番奥の個室の窓はいつも開いており、窓の外はすぐ道路なのでそこにアリスが待機しその本を持って逃げるという作戦だ。早速3階のトイレに本を持っていき窓を開けて本を投げた。アリスは見事にキャッチしそのまま近くの駅で待機した。ヒーターとデーランドもアリスの元へ急いで向かった。アリスと合流し無事本の持ち出しに成功した。しかし本を見つけた時点で既に追跡されていることを3人は気づいていなかった。

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