Reviveペンタ~アイランド7の遊撃騎士~
ふりーむ!で公開中の自作RPGのテキスト版です!
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~ 非常事態宣言 ~
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「ヴェルディも来れば良いのに」
「悪いな。俺はその日展覧会に絵を出品するんだ」
ある日、ヴェルディは恋人であるライハがアイランド7で行われる音楽フェス『ウィンターレイン』に行くと聞かされた。
ここは、獣人とモンスターが暮らす移民船団『ラプラス』の中。
天の川銀河を航行中。
獣人は、移民船団に生える植物の放つマナと呼ばれる栄養素からエネルギーを獲得でき、何かを食べる必要はない。
しかし、DNAのシトシン、そのメチル化が進行するとマナからエネルギーを獲得できなくなり、他の獣人を食べなければ生きていけなくなってしまう。
そうなってしまった存在がモンスターだ。
モンスターはこの世界では、遊撃騎士に所属する者以外、お尋ね者扱いされており、遊撃騎士に所属する者もまた服従の紋章を刻まれ獣人には手出しできなくされてしまう。
遊撃騎士というのは、モンスターを狩る民間警備団体でこの移民船団の中にいくつも存在する。
ヴェルディは、まだモンスターではないが、その一つに所属し、モンスターを狩って生計を立てていた。
「じゃあ行ってくるね」
音楽フェスに行くライハに対し、展覧会に行くヴェルディ。
展覧会の途中、突如警報が鳴り響く。
「緊急事態です!
「突如アイランド7が魔王を名乗る鷲乃宮イーグルの歌によって、実行支配されました!」との非常事態宣言。
「なんだって!?」
この移民船団の中には無数のバイオマシンが空気中を漂っている。
バイオマシンに歌や絵でコマンドを送ることで、炎や電撃といった現象を引き起こしたり、検索したい言葉があれば、獣人に備わっている受容体にバイオマシンの放つメッセンジャーRNAから直接情報を返してもらい、その言葉の意味を知ったりといったことができるのだ。
魔王を名乗るイーグルと呼ばれる存在は、おそらくそれを利用したのだろう。
ヴェルディは、展覧会を抜け出し、単身アイランド7へ向かうのだった。
当然だが、アイランド7への通路は閉鎖されている。
ヴェルディは、自身の絵を使いバイオマシンに伝令を送り、ハッキングによって通路を開けると、アイランド7に向かった。
「ちょっとキミ!」
ヴェルディが絵をばらまくと、バイオマシンのが画像認証がたちまち発動し、追ってくる警備隊は眠ってしまった。
ここから、ヴェルディの冒険が幕を開ける!
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~ 竜の問い ~
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ヴェルディがアイランド7を進んでいると突如ドラゴンのモンスターが現れた。
ピクトグラムの力を使い、竜のモンスターをイーグルの歌の力から解放することに成功したヴェルディに対し、その竜のモンスターは言葉を投げかける。
「ふむ、わらわは?
「そ、そうか、イーグルの歌に操られていたのじゃな?」
「お前、遊撃騎士に所属のモンスターだな?」
「いかにも」
そのドラゴンには、服従の紋章が刻まれていた。
「獣人には手出しできないはずだろ?
「それがなんで?」
「おそらく、イーグルの歌の力が服従の紋章の力を上回ったからじゃろう」
「ふむ、そういうことか」
「それで、お前は何故操られていないのじゃ?」
「俺は耳が聞こえないからな?
「こうして、メッセンジャーRNAによるやりとりがあるからこそ会話できているんだ」
「ふむそうなのか?」
「それに、俺は元々アイランド7にいたわけじゃないんだ。
「ちょっと恋人を助けにな」
「そうか。
「恋人を思うのは構わないが、イーグルの目的もまたモンスターになった親友を国から守ることらしい。
「もし、お前の恋人がモンスターになったときはどうするのだ?」
「何故、それを知っているんだ?
「いや、質問を質問で返して悪いな」
「イーグルの歌を聞いたとき、脳に直接理解させられたのだ。
「そうして、イーグルの親友に食べ物を分け与えねばという考えを押し付けられた」
「その歌怖ぇな」
「して、おぬしの答えはどうなのじゃ?」
「……ライハがモンスターになったらか、今の俺には想像もできないな」
「ライハ?」
「ん?どうかしたのか?」
「いや、なんでもない。
「して、これからどうする?」
「ここら一体にピクトグラムを描いて、イーグルの歌の支配から解放するさ」
「ならば手伝おう」
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~ イーグルの問い ~
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「これでバイオマシンにコマンドできる。
「音声認証、ピクトグラム起動!」
民衆の中には、「あ、あれ?どうして?」と戸惑うものも。
「よし、これでイーグルの支配からアイランド7を解き放ったぜ?」
っと安堵するヴェルディの前に……
「中々やるものだな?」
そう言って現れたのは他でもない、魔王を名乗る鷲乃宮イーグルであった。
「例え親友を守るためだろうと恋人を巻き込むんなら容赦しないぜ?」
「ふふっ、恋人を巻き込む?
「何をいう?
「私の救おうとしている親友こそお前の恋人だというのに」
「何を言ってるんだ!?」
ヴェルディの前に幽閉されたライハが映し出される。
ライハは、イーグルによって囚われの身になっていた。
「お前!!」
「ライハは、モンスターになってしまったのだ。
「このままでは、死んでしまう。
「飢え死にするか、狩人に殺されるかだ。
「だから、アイランド7を歌でハッキングし、ライハの生きていけるだけの食料を調達していたというのに」
「でも、遊撃騎士になれば、ライハだって合法的に生きていけるんじゃないか?」
イーグルは服従の紋章を見せる。
「私もまたモンスターであり、遊撃騎士だ。
「モンスターである遊撃騎士の苦しみは誰よりもわかっているつもりだ。
「服従の紋章により獣人に手出しできないことを言いことに、獣人はモンスターに対し、酷い扱いをしてきたのだ。
「ライハにもまた同じ思いはさせたくない」
「お前もモンスターで、しかも遊撃騎士だと!?
「じゃあなんで、服従の紋章が効かないんだ!?」
「私は辛いとき歌を歌って自分を和ませていた。
「そんな癖が功を奏してか、いつしか服従の呪いは消え、逆に他者を支配する程の歌の力を手に入れたのだ」
「そんな話……」
っと、その時、イーグルはヴェルディのダガーを自身の首に手繰り寄せる。
「なっ!?」
「さぁ、お前に私が殺せるか?」
ヴェルディは、イーグルの話を聞いて倒すことを躊躇してしまう。
「やはり、その程度の覚悟のようだな?」
イーグルは、ヴェルディを突き飛ばすと、再び歌い出す。
そうこうしている内に、アイランド7は再びイーグルの占領下に置かれてしまう。
イーグルの支配下に置かれた遊撃騎士たちにより、ヴェルディは気絶させられてしまう。
そして、目を覚ますと、牢の中にいた。
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~ ライハの答え ~
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「クソッ!!」
「その声は!ヴェルディ!?」
「ラ、ライハ!?」
ヴェルディがいたのは、なんとライハの隣の牢。
イーグルを倒すことをためらってしまったヴェルディは、耐えられずライハに全てを打ち明ける。
ライハは答えた。
「例えどんな困難が待っていても遊撃騎士になるよ」
それを聞いたヴェルディは、問う。
「何故だ!?」
ライハは答える。
「胸を張って生きたいから」
「獣人の勝手な欺瞞に付き合わされるっていうのにか?」
それに対してライハは、答えた。
「例え、獣人の欺瞞でも、ぼくはそのおかげで今まで生きて来られたんだ。
「ぼくは恩返しがしたいし、今までの欺瞞から目をそむけたくないんだ」
ヴェルディは、恋人の思いを受け入れようと牢からの脱出を企てる。
牢の中で絵を描いたヴェルディは、バイオマシンにコマンドし、牢を破ってライハと脱出した。
しかし、この時、ヴェルディは疑問を感じる。
何故、絵によるバイオマシンへのコマンドを無効化しないんだと。
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~ 決戦の時 ~
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「あそこから脱出することを選んだか愚か者め」
ヴェルディは問う。
「何故あんな簡単に脱出できるようにしたんだ?」と。
イーグルは答え、そして問う。
「少しはライハの思いを尊重したかったんだ。
「だが、私は最期まで反対するぞ。
「問おう。
「モンスターのことなど微塵も大切にしない、服従の呪いを受け入れるというのか?」
「それでも、ぼくはこの国で生きるよ」とライハ。
最終決戦の時が幕を迎えた。
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~ 終幕の時 ~
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イーグルを気絶させると、ヴェルディは再びピクトグラムを起動させ、アイランド7を開放する。
しかし、すぐにイーグルは目を覚ました。
そんなイーグルに、やって来た獣人の騎士が銃を向け、そして放つ。
「イーグル!
「イーグル!」
涙を流すライハ。
獣人の遊撃騎士は、ライハにまで銃を向けようとするので、ヴェルディは慌てて、遊撃騎士の手帳を魅せる。
「今回のは、イーグルが単独でやったことだ。
「ライハは、服従の紋章を受け入れるらしい、遊撃騎士として迎えてやってくれ」
ヴェルディは、ライハに向き直る。
「何があっても、俺が絶対お前を守るからな!」
「ありがとう!ヴェルディ!」




