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11-4 兄弟

11-4 兄弟


三弥栄が子供の頃に書いた絵がある。

見覚えのあるその絵は、幼い三弥栄と一緒に遊んでいた。一緒に歌ったり踊ったりした三弥栄の弟分。


「兄貴、何言ってんだい兄貴、おいらはいつだって体を張るぜ、心配してんじゃねぇよ、兄貴」


警察を出て入れ替わりを感謝した時、弟分は嬉しそうにして三弥栄にそう言ってくれた。


気がついたらその通りになっていた。


ポンコツ、ポンコツと呼んでいた、三弥栄が分裂した臓器とされるものに入ったそれは、三弥栄が忘れてしまった、幼い三弥栄が遊び相手に想像していた「弟分」であった。


臓器は、生体時間転移の際、バラバラになった三弥栄の記憶を辿った先にいたそれを基に型どられており、その原型である弟分は三弥栄から忘れ去られてもずっと、体を張って三弥栄のことを守っていた。


サトルの別意識は、三弥栄の身体から分離した一部と忘れられた記憶の上に重なって入っていて、その器となっている三弥栄の臓器とされる物体は、生体時間転移の際に変態して生成された生まれたてであり、サトルの別意識と三弥栄の記憶が内在する、サトルとも三弥栄とも言える不安定な存在だった。


三弥栄に意識のスイッチが出来るのであれば、三弥栄と同じ身体と記憶を持つ、三弥栄の弟分にも同じことが出来る。


だからあの瞬間、「ここは兄貴じゃなくていいよ」と言って入れ替わられてしまった。


三弥栄は深淵が自身の身体を通り抜ける中、弟分の記憶に触れた。弟を想像していたことを思い出して入れ替わり、弟が真空消滅を引き受けて消えてしまった。


みちゅえるが指差した先で泣いているのは弟に守られた「三弥栄」だった。


三弥栄とサトル博士、2人とも無事にいて、不思議な喪失感が余韻する。

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