10-5 「In The Book」
10-5 「In The Book」
まず、メンバーからのご理解とご協力を得なければならない。三弥栄は説明を試みる。
「自分がこの本を読むとき、本はサトル博士の意思をページに文面化しているようです」
「え?待って、どう言うこと?」龍美は分からない。
「自分がページを開くと、サトル博士からのメッセージが書かれているんです。虎太郎博士と一緒に見た時はそんなことなかった。さっき確認しました。サトル博士が、この本使ってなんか言ってます」三弥栄が補足する。
「三弥栄さんはサトル博士とその本を通じてコンタクトが取れるってこと?」龍美は事実確認を進める。
「ひょっとしたらできるのかも知れない。それを今から確認して見ようと思う」三弥栄はそう言って「The book」のページを開く。
「三弥栄より、サトル博士、サトル博士、メッセージありがとう。読んでます。こちらの声は聞こえますか?」
三弥栄が本へ向けて話しかける。シュールだ。
「聞こえてるようです」三弥栄がメンバーへ向けて報告するが、メンバーは本になんて書いてあるか見れない。三弥栄が本に向けて独り言をぶつけて、こっちに報告を行う。違和感がある。
「なんか、コックリさんみたいねぇ」みちゅえるが交霊術と比喩する。
三弥栄は続けるがテンパる。
「ど、どうしよ、サトル博士に何を聞けばよいですか?」
視線をハリー堀田に向ける。
「まず、私たちの声は聞こえるか聞いてみて」
ハリー堀田が三弥栄に指示出しする。
「三弥栄より、サトル博士、サトル博士、ここにいる自分以外の人達の声って聞こえますか?」
「…」
「聞こえー、ないっ。聞こえないそうです」
「あ、そう、良かった、大体こいつのせいだって分かって腹立ってたんだよね、遠慮なく言えるわ。ポンコツ」
「……」
「そんなに責めないでってサトル博士が言ってます!!聞こえてます、サトル博士、聞こえてます!!」
「聞こえてるの!?騙された。酷っ」ハリー堀田は聞こえていないからと悪く言った自分は酷くない体で言う。
「……」
「大きな声で言って下さい。面(ページ開いてる方)と向かわないと聞き取れないようです」三弥栄がページを読み上げる。声の聞こえる向き、耳でも付いているのか、別の問題か、いつから聞こえているのだろうか。
「いつからそこにいて、何が聞こえていたのか具体的に教えて欲しい」ハリー堀田は大きめの声でサトルへ向けて直接質問した。
「…」
「ええと、何時ぐらいからそこにいて、私たちが話していた内容どれくらい聞いていたのかって」三弥栄が間に入る。「いや、よく聞こえていないみたいで」三弥栄はハリー堀田に説明する。三弥栄を介したコミュニケーションには結構手間が掛かるし、雰囲気もあまり良くない。
「………」
「ふむふむ、ほほー、そっかー、ついさっき、気がついたらν臓器が見えたので、見えて聞こえるけど動けないし、俺の所、あ、三弥栄の所へ連れて行って欲しいと頼んでみて、雰囲気的に、ひょっとしたらなんか今、本の中にいるのかもしれないと、気がついたところなんだそうです」三弥栄は察して、努めて明るく報告をする。
どうやらサトル博士は、サトルのポンコツ面が読書を始めた時からこうなった(本の中)らしい。




