9-5 BEYOND THE 守秘義務
9-5 BEYOND THE 守秘義務
三弥栄の健康診断受診中、智川虎太郎の研究室。
龍美、ハリー堀田、みちゅえる。
みちゅえるのダンス実証実験。
4つのキメフレームの繰り返し。
ザッ、ザッ、ザッ、ザッ
1つ1つの独立した型。
円を描くようキメフレームは回転して流れる。
みちゅえるは涅槃に辿るかのように回転の流れに同調して揺らぐ。そして止まる。あれだけの動きを行って呼吸が乱れていない。腕を上下にして目を開ける。
そして龍美とハリー堀田へ見てきた過去を告げる。
「ええっ!!そんな風に誘って、そういうことになってたんだ、あの時!!」
「そうか、そう交渉してその内容で示談したんか、参考になる」
みちゅえるが守秘義務をいとも容易く突破する。
実証実験は世間を騒がすスキャンダルの事実確認と言う、下世話な興味に私的利用されている。
これをリクエストしたのは龍美とハリー堀田。
みちゅえるはスキャンダルに興味ない。
ハリー堀田は「まあ、でも証拠にはならんよね、見て来ただけじゃ。物証が足らん」と法律家として意見を述べる。
龍美は「証拠云々でなく、真空消滅の起こりとか、到達に向けてみちゅえるさんのダンスを回避に応用できないのか考えないといけないのよ」とハリー堀田へ説く。
「ま、見てきて欲しいって頼んだ所が下世話よねぇー」
と2人で笑う。
消滅した世界はみちゅえるのダンスを生体時間転移による三弥栄の召喚に利用した。今回も同様に「天国への階段」と「マスターオブパペット」で新たな使節を迎えて送るのかがポイントになるが、サトルの存在がこれを左右することになる。
三弥栄が健康診断を受け、遺伝子検査の結果が出るまでの数日、入院するサトル博士への面会を決めるまでの間、みちゅえるの能力の確認と、今回の真空消滅も全く同じ座標から発して3年後に到達することが観測した情報から明らかになった。
そして、虎太郎と三弥栄は龍美とハリー堀田、みちゅえるに、サトルの存在を共有する。
「三弥栄100%の臓器!?、言うに事欠いて臓器!?いや、そのセンス良いわぁ、好きだわぁ」ハリー堀田のリアクションが良い。警察署以来、乗り掛かった船ということで自分の仕事そっちのけに関わるようになっている。世界真空消滅案件は楽しいらしい。
「やっぱり生きてるのね、生きてるならサトルに餌やってないけど大丈夫なのかしら、なんかもう不安だし、サトル博士なんて初めて聞いたわ、私が生まれる時の話なら言っといてよ、そういうの。恩人じゃない」龍美が虎太郎へ愚痴る。
「彼、真空消滅と同じとこから来たわよ」みちゅえるがややこしいことを言い出した。
そう言えば、サトルは「真空消滅を阻止しなきゃ」と言っていた。彼は根本的な何かを知っている可能性がある。




