9-1 私が私で私の私は私
9-1 私が私で私の私は私
遠目にも分かる。あれは「みちゅえる」だ。
三弥栄が駆け寄る。
「Die!!Die!!Die!!踏まれてDie!!」
どうにか研究所の敷地外に連れて行こうとする警備の方に心無い言葉をぶつけるみちゅえる。
三弥栄は同業の苦労(不審者対応)に敬意を評しながら「警備員さん、自分の知り合いです」そう割って入ると、警備員は手を離して、みちゅえるは余った勢いで身を左右する。
「すいません、自分が話しますね」そう言った所で、三弥栄はなんでみちゅえるが普通(身体)にいるのかと疑問する。「みちゅえるさん、どう言うこと?」半霊半物のまま「帰る」と言って消えたみちゅえるが、心身ともに帰ってきた。
龍美と虎太郎は少し距離を取ってその様子を伺っている。こちら世界の2人はまだ「みちゅえる」を見たことがない。みちゅえるが半霊半物でこっちの世界に取り残されたと言うことも知らない。なので、こっちの世界に三弥栄の知り合がいることに驚いている。「あれは、誰だ?」と。
とりあえず虎太郎は三弥栄の動きに合わせ、警備員に対応へ感謝の後、この人は、私が呼んだ関係者なので、あとは引き継ぐと申し出て、その場を収める。虎太郎は警備員に、そう言うことなら予め届けを出すようにと怒られて謝る。虎太郎は課せられた大人対応(謝罪)をこなす。
そうこうしてるうち、みちゅえるが落ち着きを取り戻して話し始める。
「三弥栄、待ってた。私の所に私が来て、私は私に戻って私を継いだ。だから私はその私の知る全てを知っている」
半霊半物のみちゅえるがこっちの世界の自分に帰って戻ってきた。どうやら精神を自分に融合させたようだ。
「それ、反則じゃない?」ピッコロさんみたいな融合に三弥栄が感想を述べる。
みちゅえるは真空消滅を乗り越えた生還者となった。
ダンスで精神を爆ぜ跳ばし時空を超えた先の自分へ還る。
「タイムリーパーみちゅえる」である。
但し、これは真空消滅する世界下限定。偶発中の偶発である。三弥栄やサトル、The bookも何かしらの要因たらしめていると考えられ、いつ何時誰の挑戦でも出来るかと言えば、んなわけない。
龍美が♀︎スピリチュアル(女の勘)でピンと来る。
「ひょっとしたらなんだけど、みちゅえるさん?」
「The book」にある人物ではないかと確認する。
「Yes I am!!」
「私がみちゅえるDai!!」
みちゅえるはポーズをキメる。
空間が震え、観る者(警備員さん含む)の産毛が沸く。
周囲をエクスタシーで満たすキメフレーム。
「私はあなた(龍美)もあなた(虎太郎)も知っている。また真空消滅が始まったことも……」そう言ってみちゅえるは間をとった。
三弥栄はMI2(みちゅえるインビジブルインビンシブル)を利用出来るかもしれないと邪な期待をする。




