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8-1 みゃーさか

8-1 みゃーさか


警察は虎太郎に後ほど参考人として連絡や署への出頭をお願いするかもしれないことを告げて三弥栄を連れていった。


ぬいぐるみは三弥栄が連れていかれるのを見届けたあと、虎太郎への反抗やイキりが収まり「シュン」としている。


虎太郎はぬいぐるみを抱えて観測実験室へと向かった。観測データの解析を行う龍美が「博士、今回の観測、何か膨大な情報に辿り着いています。これは一体何が起こっているの?」と報告した。この段階では何が観測され何が起こっているのかはっきり分かっていない。龍美は博士の抱えるぬいぐるみを見て「なにそれ、クレーンゲームの景品?かわいい」と龍美が虎太郎に聞く。


確かにクレーンゲームの景品みたいなものだと虎太郎は思い、「そう、クレーンゲームで取れたAIロボット。喋るよ」といって見せた。


「智川龍美さん、お初にお目にかかります。いつも三弥栄がお世話になっております」

ぬいぐるみが挨拶を行う。女性に対して紳士だ。


「みゃーさか?」龍美が聞き直す。


虎太郎が大きく息をして説明を始める。

「そう、さっき、未来からこの本と、そのぬいぐるみと、三弥栄文楽と言う人物がやってきた」と言って「The book」を龍美にチラ見せした。ブックカバーがしてある。虎太郎は本の表紙を龍美に見られるわけにはいかない。研究室の書斎から同じサイズのブックカバーがしてある本を見つけてカバーを掛け替えていた。

龍美「みゃーさかは、三弥栄さんね」

ぬいぐるみ「三弥栄はおいらの兄貴だ」

龍美「ふーん、で、その未来から来たみゃーさかの兄貴はどこにいるの?」龍美は話を信じていない。

虎太郎「三弥栄さんは、とある事情で警察へ連れてかれています」

ぬいぐるみ「これから兄貴の脱獄を手伝いにいくんだ」

龍美「それは大変ね」

龍美はぬいぐるみの言うことを軽く受け流す。ポンコツくらいにしか思っていない。

虎太郎「とりあえず、この本を読んで欲しい」

そう言って、虎太郎は龍美がカバーを外さないかビビりながら慎重に「The book」を渡す。


未来から来たみゃーさかさんとやらは、警察に連れてかれている。これは、何か心のご病気をお持ちのため、ポンコツAIぬいぐるみを持っておしゃべりしながら「未来から来た」なんてこと言って徘徊しているところを警察に保護されたのだろうと龍美は思っている。


父(虎太郎)も面白いから話を合わせて遊んでいると龍美は解釈していた。「んな訳ないでしょ」と小さくつっこみを呟いて、渡された「The book」を読み始める。


読み進めながら龍美の表情は変化し険しくなって行く。血の気が引いて青ざめ、目眩に身体を揺らした。そのままへたり込む龍美をぬいぐるみが支えようとして尻に潰される。ちょうど良いクッションとなった。「ほ、ほんまや」と龍美が言葉を洩らす。


龍美は「The book」を読み、何が起きているのかを把握した。このままではまた、全て真空消滅に呑まれてしまう。


そして、いま尻に敷いているぬいぐるみの異様さにも気が付いた。「じゃあ、こいつは一体なんなん?」感触がロボではない。

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