6-4 いでよ
6-4 いでよ
ヘルメットを被り頭を塞がれた三弥栄。
見えないし聞こえない。
息を吐けないし吸えない。
身体が勝手にリズムを刻んで動く。
心を落ち着かせてされるがまま受け入れた。
呼吸を止めて数秒、苦しさも感じないまま、
「目を開けて」とみちゅえるの声が聞こえる。
三弥栄が目を開けると虎太郎に指示された場所にいた。
指定された部屋の扉が見える。
となりにH2Bと同じ状態(半霊半物)のみちゅえるがいる。
「貴方の精神を連れてきた。このまま、物資と身体を引きずり出しなさい。それが出来れば後は爆ぜ跳んだ精神を身体にもどすだけ。後ろを見て」
三弥栄が振り返ると、ブルブルと震えている空間が在る。
「え?何これ?」声が出た。
「これが蛹の膜。これを破れば物資と身体がこちらに届く」みちゅえると会話する。
三弥栄の精神が震える空間を掴んで捲り破ろうとする。自分の手足身体を見る限り、三弥栄もしっかり半霊半物の仲間入りをしているようだ。
思ったより膜が硬い。みちゅえるも手伝う。2人がかりで膜(震える空間)を破りにかかる。
まだまだ膜は破れない。
何かコツでもあるのだろうか。
三弥栄とみちゅえるは息を合わせて力を込める。
「精神」が「息」を合わせて「力」を込める。何かのメタじみた比喩に聞こえるが、現場はそうして「遣って退ける」
ひっひっふぅー、
ひっひっふぅー、
ひっひっふぅうーううぅんぬうぁ!!
メキョメキョとした感覚で時空が裂け、まず本が出てきた。
続けて2層目の蛹の膜が破け三弥栄の身体が取り出された。
三弥栄の腰に何か抱きついている。割と大きめのぬいぐるみっぽい。この、何か割と大きめのぬいぐるみっぽいやつは、ほんのり息をしている。
そしてみちゅえるが告げる。
「ごめん、あっち、真空崩壊して帰れなくなった」
親指を立ててベロを出す。
蛹から取り出した、本、三弥栄、ぬいぐるみ。
そしてみちゅえるから知らされる真空崩壊。
三弥栄は何からどうするべきか、落ち着いて考えようと思った。一旦、「間」が欲しい。




