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4-1 診断

4-1 診断


「担当医の高坂です」

記憶に新しい、2人目の「高坂」。

割とレアな苗字被りの偶然に、三弥栄はニヤつく。


高坂医師が三弥栄の容態を説明する。酷い脱水症状による危険な状態で1日意識を失っていたが、処置の経過は良好。疲労感と筋肉痛や関節痛は数日続くが命に別状はないということだ。


「1日よく寝て回復したってことですか?」

三弥栄が高坂に聞く。


「はい。久しぶりに激しい運動をして下手ばって、1日ゆっくり寝て休んだら、翌日筋肉痛と関節痛が残ったって感じです。」


バイタルの数値の確認と幾つかの問診を行った高坂は智川へ目を合わせて軽く頷き退室する。


三弥栄は1日寝ただけなのに季節が変わっている理由を聞きそびれたが、それとは別に「天国への階段であれだけ死ぬかと追い詰められながら、めちゃくちゃ健康じゃないか」と三弥栄は思った。根は前向きなのである。


「智川です」

高坂医師が退室すると、智川が名乗って話を続ける。


「お願いしたとおりにしてくださってありがとうございます。早々で申し訳ないのですが、状況を説明すると、貴方には別の世界へ来て頂きました。とりあえずここで一旦、宇宙の消滅を阻止してもらいます」


三弥栄は智川が言う「とりあえずここで一旦」の使い方が間違ってないか気になった。宇宙消滅の阻止は「とりあえず」の「一旦」でよいのか。そう言う独特な言い回しをする、天然不思議系キャラかも知れないが、それとは別に、夏が急に春になったのは、三弥栄が元の世界へ帰ったのではなく、精神と肉体、丸ごとSS(消滅世界)へ来たからと察して動揺していた。


「半霊半物とはなんぞや」

と言う天国への階段突破に際する命題に対して、H2Bと久慈から説明講義を受け、実際に死にかけながら自問して、内省して、悟って、辿り着いたら、身体まるごと来てしまっていた。


三弥栄は、元の世界で自分が消息不明扱いになっていることを知らない。


これまで、天国への階段を登れず失敗した者は使節管理部に死体が残るのだが、その場合ゼロケイやSS研究所は、その残った死体から情報を得られていない。死体がSS(もしくは天国への階段)で何をやらかして死んだのか不明なのである。


ただ、元世界に影響がなく、期間(約1年前後)を置いて使節が続いていることから、H2Bや久慈のような生存者達の時と同じようにSSはループしてんだろうなと言う、朧気な推測と想像に寄っていた。


三弥栄はそう言ったことは教えられていない。H2Bや久慈に説明されたのは、使節管理部の扉を開けて戻ってきた生存者の話。死体がどうやって死体になったのかは分からない。そして三弥栄の置かれている状況はこの2名の生存者から聞いた話と違う。


つまり、三弥栄は自分が死体として元の世界に戻るパターンと考えて「この後、もれなく死ぬ」と推測した。

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