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3-5 ここはどこ
3-5 ここはどこ
三弥栄はベッドの上で目を覚ます。
白いシーツのリネン。
点滴、バイタルの計測機器。
医療を受けている。
ベッドに横たわるのは自分の身体だ。
半霊半物ではない。
生きて戻ってこれたようだ。
記憶は曖昧だが、三弥栄は任務を終えたと安堵した。
看護師が三弥栄へ声を掛ける。
「気が付きましたね」
「助かったんですね」
三弥栄が答える。
「良かったです。ドクターを呼びます。お待ちください」
そう言って看護師が部屋を出る。
筋肉や関節が酷く痛む。
少し怠さはあるが、しっかり回復に向かっていると自分でもわかる状態だ。
窓の外、桜が咲いている。
「桜っ!?」
目を覚ました今、季節は春。
部屋の扉が開いて医者が入ってくる。
医者の後ろに見覚えのある女性。
「うんこ踏んだ女性、智川龍美」がいた。
目を覚ます前、早朝、夏空の下、うんこ踏まないように案内していた三弥栄が出会った、うんこ踏んだ女性との再開。
季節が夏から冬を越して春へ進んでいる。
「そんなに長い間、意識がなかったのか?」
ここは何時で何処なのか。
三弥栄の時空間が歪む。




