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<93> 奇跡
奇跡が人生で起きるということは、そうざらにはありません。
黒崎はすでに余命、幾許もない重篤な患者だった。
「どうされます、黒崎さん?」
カンファレンス室に呼ばれた患者の黒崎は、医師の坂平に訊ねられた。
「やって下さいっ!」
「そうですか…。それでは執刀しますが…」
坂平は成功の確率が20%ほどしかないと話した。だが、奇跡は起こった。
一週間後、手術は無事に済み、黒崎は奇跡的に一命を取り止めたのである。そして、少しづつ病状は回復していった。
十日ばかりが過ぎた日のことである。回診中の坂平が黒崎の病室にやってきた。
「正直に言いますと、ダメか…と思いながら執刀しました」
「ははは…助けて下さったんですから、いいですよ」
「そう言われると、助かります…」
坂平はバツ悪く、苦笑した。
人生は奇跡を信じて一か八か何事もやってみるものです。^^
完




