<57> 気づく
人生は出来るだけ早くコトの成り行きに気づく洞察力が必要となる。小難しく言えば、素早く察知する・・ということだ。この能力は組織のトップになればなるほど重要となってくる。目に見えないコトの動きを気づかなければ、組織に重大な損失を与えることになりかねない。まあ、気づかない人を組織のトップに押し上げた組織のトップの人々は、どぉ~~しようもありません。^^
とある中堅企業である。
「常務、そういうことです…」
「だから、ただ今、申したようなことです…」
「ふぅ~~ん、丸富産業がねぇ~。ははははは…なかなかやるじゃないかっ!」
部長の小鮒から説明を受けた常務の鯉山は、動じることなく小さく哂い捨てた。
「そんな呑気なことを言っていていいんですかっ! 常務っ!」
「ははは…君は気づかんだろうが、私は気づいているんだよ、小鮒君っ!」
「? …と、言いますと?」
「分からんかね。もう、いい…。そのうち分かる」
鯉山は、この男は気づく能力に欠けている。出世もこれまでだな…とは思ったが、そうとも言えず話を暈した。
鯉山の予見どおり、ひと月後、丸富産業は取引企業が不渡りを出したことにより大幅な営業損失を出し、事業から撤退したのである。鯉山には先々を気づく能力があったのである。関与しなかった堀城物産は難を逃れたばかりでなく、丸富産業の保持するシェアを獲得することに成功したのだった。この功績により、鯉山は副社長に昇格した。チャン、チャン!!^^
このように、物事の推移に早く気づくことは、人生に大きなプラスを招きますから無視できません。^^
完




