<52> 焦げつく
人生は焦げつくと厄介なことになる。焦げつかないように炊きゃいいじゃないか・・という話になるが、人生はご飯を炊くようには上手く火加減を調節出来ないから困るのです。^^
都心に近い未来のとある区役所である。守衛の竹岡は今日も元気に職員達が出勤する様子を窓ガラスの守衛室から見守っていた。
「おはようございますっ!」
「ああ、おはようございます…」
いつもと変りなく、その日もほぼ全員が出勤した午前八時半前になった頃、突然、庁舎が震え出した。その震えは次第に強まり、激震となった。その後の歴史で第二関東大震災と呼ばれる震災だった。都心の各地で建物が倒壊し、火災の発生、交通の寸断etc.で大パニックとなり都心は完全に焦げつくことになった。自然の猛威だけは人にはどうしようもなかった。幸い、耐震工事のお蔭か、庁舎はひび割れ程度で済み、倒壊は免れた。竹岡はどうしていたのか? とい聞かれれば、何もせず、妻が作ってくれた愛妻弁当を美味そうにのんびり食べていた・・とだけ伝えたい。
「竹岡さんっ!! こんなときに…」
「はっはっはっ…腹が減っては戦が出来ませんよっ!」
竹岡は高らかに呵い捨てた。
人生で突発的に焦げつく事態が起きたときには、落ちつくことが大事なようです。^^
※ 大地震が起これば都心の焦げつく事態が心配されますが、最も効果のある焦げつかない対応策を未然にお考えいただきますよう、お願い申し上げます。
完




