<51> 正当防衛
古い演歌曲に、♪身にぃ~降るぅ火の粉はぁ~~払わにゃならぬぅ~~♪ という一節があるが、人生は、まさにそれで、一歩家から外に出れば、様々な火の粉があの手この手と降りかかってくる。降りかかったままでは熱いし、最悪の場合は火傷するから、否応なく払わねばならない。これが正当防衛と呼ばれる行為である。ああ、嫌な世の中になったもんだ…と、テンションを落とす訳です。^^
有名俳優の村岡はメディアのスキャンダラスな報道に手を焼いていた。このままでは自分がスキャンダルを起こしたことになる
…と感じた村岡は、逆手に打って出た。それは自分自身の正当防衛ばかりではなく、根も葉もないゴシップ記事を掲載したり報道するメディアの非を世間に暴露することでもあった。村岡にはとある巨大情報機関トップの親友がいた。
「分かった。これで[片手の人差し指を一本立てながら]、お前の頼みを引き受けよう。あとは我々に任せればいい。大舟に乗った気でいろっ!!」
村岡の親友は、片手の人差し指を一本立てながらニンマリと哂った。
それから半年後、テレビ、雑誌社、新聞などの各メディアは、一斉に訂正記事と謝罪文や訂正報道を次々に行った。さらに、各メディアは民事訴訟の敗訴に伴う莫大な損害賠償額を村岡に支払う破目になった。そして、村岡の親友にはその中の10%の額がバックマージンとして支払われ、一件落着したのである。
正当防衛を果たすには、影の見方もいる訳です。^^
完




