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<47> 察知する

 <12>でタイトルにした要領には、察知する能力がないと人生をスムーズに進めない・・という付帯条件がつく。今、(ちまた)を賑わせている大河ドラマの主人公が詠んだ和歌にこういうのがある。

━ めぐり逢いて 見しやそれとも分かぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな ━

 お相手は悪いことをして作者の前から雲隠れした訳ではないだろう。^^ 恐らくは何かの事情があったのか、あるいは作者の魅力の(とりこ)にされまいと、敢えて逢わずに消えたのかは定かでないが、まあ、そんなところだろう。^^ 陰陽師に、あなたの顔には女難の相が出ておじゃる…とかなんとか言われて逢わないことにした可能性もなくはありません。^^

 立岡は察知する男だった。その場の雰囲気を素早く読み取る能力に長けていたのである。

 課長補佐の立岡が勤務する、とある区役所の課内である。そろそろ、恒例の忘年会の幹事を決める時期が近づいていた。

「立岡君、あのさ…」

 課長の坐間に呼ばれた瞬間、立岡はピン! ときた。ははぁ~~ん、忘年会の幹事だな…と。

「あっ! 課長、私、今年もダメなんです…」

「んっ? まだ何も言ってないじゃないか…」

「はあ、それはそうですが、忘年会の幹事ですよね…」

「ああ、まあそうなんだけどね…」

「26日は家内と尾豚温泉へ一泊二日で行く予定がありまして…」

「ああ、そうなの? しかし、26日に忘年会だって、よく分かったね?」

「ええ、まあ…」

 立岡は毎年、前年の幹事から事前に情報を入手し、それに合わせて温泉旅行の予約を取っていたのである。

 人生を上手く生きるには、察知するだけではなく、それに対する対応策を事前に考えておく能力も必要なんですね。^^


                  完

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