<45> 自己顕示欲
人の欲にはいろいろあるが、その中の一つに自己顕示欲という厄介な欲がある。分かりやすく言えば、目立ちがり屋さんのことである。^^ 能力がある人ならまだしも、実力もない目立ちガリ屋さんは始末が悪い。一例を挙げれば、ヘチャむくれのオカメ女やヒョットコ男がいくら美人やイケメンに見せようと化粧をしまくったとしても、所詮はブスだからどうしようもない。始末が悪いのは本人達が自分がブスだということを認識していないところにある。とはいえ、人生は個人の自由なのだから致し方ない。ただ、程度を超えれば周囲に迷惑とまではいかない違和感を感じさせる難点が残る。政治、経済、芸能etc.様々な人生の舞台で自己顕示欲の醜さが見え隠れします。ああ、嫌だ嫌だ。^^
品岡は自己顕示欲の塊のような男だった。とはいえ、品岡には全くといっていいほど能力がなかった。品岡は都議選に打って出た。誰が立候補しようと、公職選挙法の規定に当てはまっていれば立候補できるのである。
「品田でございますっ!! 品川の品に草だらけの永田町の田の品田でございますっ!!」
選挙科カーの上で熱弁をふるって演説する品田に、観衆は大笑いしながらの拍手喝采を送った。
選挙結果は、見事に当選だった。しかし、品田には政治能力がなく、これといった実績もなかった。ただ一つ、自己顕示欲の成果だけは実り、世間での知名度はダントツ[断然トップ]になったのである。
「あの人、芸能人の方が向いてるんじゃないか…」
「だな…」
数年後、そんな声が巷で流れるようになった。品田は、政治能力には欠けたが自己顕示欲の能力だけはあったのである。^^
自己顕示欲を見せず、裏方に徹する人生を歩みたいものです。^^
完




