<44> 出会い
人生は他人との出会いによって全て決まるといっても過言ではないだろう。だが、そのことを余り気にせず、出たとこ勝負で人生を歩んでいくのも決して悪いことではない。いや、むしろ無神経な方がいい出会いを生む可能性もある。出会いのい良し悪しがどうであろうと、それを自分でどうすることも出来ない以上、悪ければ最良にする他はない。いい場合はその出会いを大事にする・・と、まあ話はこうなります。^^
領地を召し上げられ、新たに毛利家の所領である出雲、石見の二か国を与えられた明智日向守殿は愛宕百韻で悩んでおられた。与えられたといっても敵地であり、切り取り次第という条件である。切り取っていない時点で日向守殿には早い話、織田家の禄はなく、浪人の身となったといっても過言ではないだろう。その自分が、こともあろうか、羽柴築前守殿の後詰めで出陣せよとの主君の命である。日向守殿は主君との出会いを呪われたに違いない。そして決断された。家臣を捨て、毛利へ落ち延び、元将軍の後を追うか…、あるいは謀反か…の二択だった。^^
『義昭さまの下へ…』
この決断が、もしあれば、恐らく豊臣、徳川時代は存在せず、今の時代があったかどうかは疑わしい…と、歴史的な政変の主因説として知行説を主張する私には思えます。怨恨説は、よく分かりません。^^ 自分に合った出会い・・どうにもならないのですが、人生では大事ですよね。^^
完




